教会礼拝のライブ配信 〜zoomで月額2,000円のお手軽配信を試す〜
コロナウイルスが世界中に影響を与えている昨今、それは教会も例外ではありません。いや、むしろ大きな打撃を受けている業界の1つでしょう。
実は私もクリスチャンでして、今回はとある教会で礼拝のライブ配信をお手伝いしてきました。月額2,000円、専用機材はいらないお手軽配信です。
残念ながらアーカイブはありませんが、構成から学びまでを紹介します!
背景
コロナウイルスは教会運営の観点で大きな問題になっています。なぜなら、教会は毎週末、濃厚接触が起きる場所だからです。
教会は多人数が集まる場所で、また賛美歌もあり、飛沫感染がしやすい環境と言えます。コロナウイルスへの対策は重要な課題であり、礼拝中止が続く教会も少なくないようです。
礼拝中はもっと席が並びます
今回の教会もマスク配布・座席制限など取り組んでは来ましたが、いよいよオンライン開催を検討することとなりました。
zoomを使う
そこで提案したのが「zoom」を使ったライブ配信です。
zoomは世界的に有名なweb会議サービスで、近年急速に利用者を増やしています。比較的安価ながら、安定した配信と充実した機能が特徴です。今回の構成も月額2,000円で作ることができます。
更に、今回はzoomに加えてYouTube liveも組み合わせました。zoomに参加できる人数は最大100人迄ですが、YouTube liveを組合せることでこの制約が無くなります。
逆に言えば、YouTubeと連携する為にはzoomの有償契約が必要です。2,000円が最低限必要な経費とお考えください。(むしろ2,000円でできちゃうのがスゴいです!)
今回の内容は「プロ」を使います
今回の構成
最初に、今回の構成を図にまとめます。
使った機材は3つだけ!
最大のポイントは、特殊な配信機材が不要なこと。スマホとPCだけで配信ができます。
それぞれをケーブルで繋ぐ必要もありません。全てはインターネットを通じて行われます。ただし、それぞれが繋がる安定したWi-Fiネットワークは必要です。
映像は隅っこのiPhoneから(ケーブルは充電用)
zoom×YouTubeの詳細は、既に解説記事を公開済みです。細かな設定方法などはこちらをご覧ください。
この記事では、実際にやってみて気付いた教会ならではのポイントを、3つ紹介したいと思います。
○:映像は中々良い
配信映像は中々に良好でした。使ったカメラはiPhone(たぶん6か7)です。ズームもしていますが、スマホからの視聴なら気にならない画質です。
実際の配信をスマホでキャプチャした画像
最初は近くから撮る予定でしたが、直前に俯瞰した画角に変更しました。確かにこの方が集会感が演出できますね。
その点では三脚を持っていって正解でした。とは言え、安いやつです。
◎:牧師・司会の声は非常に良い
肝心の声は非常に明瞭でした。とても聞きやすかったです。
マイクは演台の上に置いたMacbook Airを使いました。勿論カメラをオフにしたマイク専用端末です。これで、映像は俯瞰、音は近くの配信ができます。
専用マイクはあくまで会場のスピーカー用
予想外だったのは、牧師が聖書をめくる音まで明瞭に聞こえたことでした。普段は聞こえない音なので少し気になります。次回はスマホにして、もう少し離しても良いかもしれません。
×:賛美歌は諦めよう
zoom配信最大の課題は、賛美歌が大きく劣化することでした。
私の所属教会では、様々な楽器を使った素敵な賛美歌を味わうことができます。しかし、zoomを経由した音は、ギリギリ聞いていられるレベルの音声でした。
所属教会のピアノ・ギター・カホン
変に抑揚がついた音で、音の余韻がカットされています。恐らくzoomが人の声に合わせて処理をしているのでしょう。web会議向けのサービスですからね。。
結論としては、zoomを使うなら賛美歌のクオリティを諦める必要があります。賛美歌にも拘りたい方は、zoomを使わない配信機材に投資が必要と思われます。
追記
Zoomのマイクはノイズ抑制の調整が可能でした。これで賛美歌の音もある程度キレイに録れるかもしれません。
設定画面の[オーディオ]から、右下の[詳細]を押します。
[オーディオ処理]の項目から、3つの種類で調整が可能です。
次回以降の改善点
その他、気になった細かな点を並べてみます。
・スライド共有は慣れが必要
賛美歌や聖書のスライドは、zoomの画面共有機能を使います。これにより、スライドを非常にクリアに配信できます。
ただ、今回はその操作でミスが多くなりました。というのも、zoomに使うPCが会場投影のPCとは別だったため、データの受渡しやタイミングの連携が必要でした。初回なこともあり、そこでもたついた形です。
ただ、準備やフローの問題なので、慣れれば改善されていくでしょう。この辺りは繰り返しやることが肝心です。
・カメラがもう一台あると尚良し
今回は固定カメラ一台のみでしたが、やってみるともう一台欲しくなるシーンが多々ありました。
賛美歌で演奏者や楽器を映したい、献金の感謝は演台から少し離れた所だった、などなど。。zoomは「スポットライトビデオ」でスイッチングもできるので、もう一台あっても良さそうです。
最後に
いかがだったでしょうか。同じように悩める方の参考になれば、とても嬉しいです。
初めてだと難しく感じる所もあるとは思いますが、本格的な配信に比べるとほんっとーに簡単です。礼拝のライブ配信を始めたいのなら、Zoomを使うのが一番簡単だと思います。
同時にZoomではクオリティに限界があります。画質・音質など、もっと拘りたい方は、専用機材の購入を検討していきましょう。
そして、コロナウイルスが落ち着いた後も、配信をする教会が増えると嬉しいです。様々な事情で参加できない方がいますが、ライブ配信は彼らにとても喜ばれる方法です。
教会ではありませんが、普段から仕事でライブ配信をしています。誰でも配信できる世界を目指して、様々な情報を発信しています。興味がある方は、ぜひフォローしてください^^*