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SDIケーブルを使い始めて感じた良いところ、悪いところ

今回のテーマは、映像伝送のSDIケーブルについて。

以前はなんとなく怖さも感じていたSDIですが、今ではメインで使うケーブルとなりました。

今回はメインになってから1ヶ月が経っての感想をまとめたいと思います。


そもそもSDIって何?

本題に入る前に、まずはSDIについて紹介をしたいと思います。一言で言えば、放送・映像業界で標準となっている映像伝送の規格です。

ざっくりHDMIとの違いを言えば、SDIはより長い距離を安定して映像伝送することができます。HDMIは一般的に5mを超えると映像の乱れや途絶が起きやすいのですが、SDIは数百mに渡って伝送が可能です。

成り立ちとしてSDIは放送・映像業界から、HDMIは家電メーカーなどから生まれた規格です。HDMIの方が幅広い機器を想定しており、扱える映像種類(色空間・画角・フレームレートetc)の範囲が広いメリットがあります。

ですが、プロの現場では距離や信頼性の観点から、今もSDIの支持が強いとも聞きます。NDIなどのネットワーク伝送も注目が高まっていますが、既にSDI中心に環境が組まれていると中々移行がしづらい状況もあるようです。

最初はSDIが怖かった

自分が配信を始めたのは2019年の末。当時何も知らなかった自分ですが、調べていく内に「SDI」という言葉を見聞きし始めました。

ただ、当時はSDIはなんとなく怖い存在でした。なんだかプロの現場で使われている難しいケーブルなのかなと思っていたのです。

そこから配信を重ねていく中で、SDIを使う機会も出てきました。例えば、カメラに端子があったり、ブラックマジックの機材はSDI搭載の機種も多いです。

SDIへの恐怖心も徐々に薄れていき、HDMIと同じ映像と音声を送るケーブルなのだなという気持ちになっていきます。

そして、メインスイッチャーがATEM Constellationになったことで、機材がSDI中心の構成になって行ったのでした。

今回はそんなSDI環境に変わってから1ヶ月が経ち、実際に使ってみて分かったメリット/デメリットについてまとめて行きたいと思います。

メリット①コネクタの安心感

まずはコネクタへの安心感です。

SDIは一回転してガチっと固定する構造になっています。これにより抜ける心配もなければ、端子への負荷も低い安心感がありました。

HDMIはどうしても端子部分に負荷がかかってしまい、経年劣化を心配する声も比較的よく聞きます。それを気にせずに使えるのは安心感が高いと思いました。

メリット②自分で作れる

SDIを使い始めて一番良いなと思ったのは、自分でも比較的手軽に自作ができることです。

最初に多少の工具を買い揃える必要はありますが、自分の好きな長さに作ることができます。私はこちらの記事を参考に制作をしました。

圧着する工具も買いました

HDMIは内部の配線数も多いため、自分で作ることは現実的ではありません。そのため、長さも発売されているものに限られます。極端に短いケーブルも作れるSDIハ柔軟性を感じる点でした。

ただ、自作の品質は注意が必要だと思っています。本当は品質検査の機材を使いたいのですが、値段が高く導入はできていません。事前の確認・検証は念入りに行っていきたいと思います。

メリット③長距離

SDIのメリットは長距離でも安定して映像を伝送できることだと思います。

最近はHDMIケーブルでも長距離伝送できる光HDMIもありますが、比較的壊れやすかったりお値段も高めです。その点では、ガシガシと使っていける安心感を感じました。

ただ、先日ライブ配信部の投稿ではSDI制作が話題になっており、ケーブルの種類によっても安定性に差があることが話題になっていました。

SDIだから何でも安心ではなく、ケーブルの素材などによっても違いがあるのだなと学んだ点です。

デメリット①:関連機材が高い

メリットを感じた一方、大きなデメリットとしては関連機材の値段が高いことがありました。

具体的には、SDIから音声だけを取り出したいシーンがありました。HDMIだとAmazonで数千円程度の物が沢山ありますが、SDIになると全然種類がありません。価格も少なくとも1万円は超えてきます。

他も例えばモニターもHDMIに比べてSDIは高価です。関連機材の選択肢が少なく、また価格が高くなってしまうのはデメリットだなと思いました。

デメリット②:ケーブルが抜きづらい

先に抜けにくさをメリットに挙げたのですが、逆に言うと抜きづらいデメリットがあります。

単純に抜けないと言うよりは、端子同士が近すぎて抜こうとしても抜きづらいのです。特に自分が使うATEM Constellation HDは、僅かな隙間で上下2列で並んでいきます。3方向が埋まっていると、端子を回すこと自体が大変です。

と言うことで、コミュニティメンバー なべちゃんの勧めもあり、着脱ドライバーを購入しました。こういった物があるくらい、SDIは抜きづらい時があるのですね。

CANARE製のBNCドライバー

まとめ

と言うことで、SDIをメインで使い始めてみて1ヶ月の感想でした。

色々と書きましたが「みんなSDIに移行しようよ!」なんて言うつもりは毛頭ありません。HDMIのままでもちろん全然OKだと思います。

ただ、私が配信を始めた時に思っていたほど怖い物ではないことを改めて感じました。長年使われてきただけの実績と安心感はある規格だなと思っています。

私もSDIに完全統一できるかと言えばそんなはずはなく、HDMIから映像を受ける機会は今もあります。なので、自分の使いたい機材に合わせて、いいとこ取りで併用していくのが良いのかなとは思っています。

と言うことで、私と同じようにSDIへ恐怖心を抱いている人がいれば、そんなに怖いものではないよということが伝わればと思います!

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