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HDMI to SDIコンバーターで遅延が起きるのか試してみた

今回のテーマは、配信で使用するコンバーターについて。

HDMIからSDIへ変換することで、遅延が起きるのかが気になり検証してみました。

結果として、遅延は認知できるレベルでは起きておらず、気にしなくても良さそうです。

今回は実際に試した内容を紹介します!


検証の経緯

今度自分の仕事で行う配信では「ATEM Constellation HD 2M/E」をメインの映像スイッチャーとしてレンタルする予定です。

この機材はATEM mini Extremeが業務用途向けになったような機材で、ラックに載せられたり、入出力の端子がよりプロに好まれる仕様になっています。

以前使った時にも記事を書いたので、詳しくはそちらもご覧ください。

この機材は映像の入出力が「SDI」です。

SDIは放送業界で長年標準採用されてきたケーブルの規格で、HDMIに比べると長距離でも安定的に送れたり、端子にロックできる機構が付いていたりします。

そのため、映像を入力するにはSDIで出力するカメラ、またはHDMIから変換するコンバーターを経由する必要があります。

ATEM Constellation HD 2M/Eの背面

変換はMicro Converterを使用

HDMIをSDIに変換すると言えば、私の自宅にはブラマジさんの「Micro Converter BiDirectional」が複数あります。

これはHDMIとSDIを双方向に変換できる機材で、大体1万円ほどです。変換方向は固定で千円ほど安い製品もありますが、どちらの変換もできるBiDirectionalの方が便利でオススメです。

元々はMacとATEM miniの色相性問題を解決するためのものでしたが、ようやく本来の用途で使うことができます笑

Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3G

ただ、私の手元にはSDIで出力できるカメラもあります。2台のうち片方はHDMIのみ、もう1台はHDMIとSDIの両方で出力が可能です。

ならば片方は直接SDIで送ろうかと思ったのですが、そこで疑問が湧いてきました。

片方だけ|コンバーター《変換機材》を経由して、映像がズレたりしないのだろうか…?

検証の構成

HDMIからSDIに変換するということは、内部ではチップ上で処理が行われています。それならば、大なり小なり遅延が起きるはずです。

問題はその遅延が体感・または認知できるレベルなのかということ。もし明らかに遅れるなら、全てのカメラをコンバーター変換機材経由にした方が良さそうです。

ということで、こんな構成で試してみました。

映像をHDMIとSDIで出力し、HDMIは「Micro Converter BiDirectional」を経由、SDIはそのままスイッチャーへ入力します。

その映像を映したマルチビューを録画して、動画編集ソフトでズレを確認します。

遅延は起きなかった

結果的に、認知できるレベルの遅延は起きていないことが分かりました。

今回は音ズレを確認するためのYouTube動画を流してみましたが、実際のマルチビューの画面がこちらです。

左がコンバーター経由、右がSDIで直接入力したもの。全く同じカウントですね。これなら気にしなくて良さそうです。


以上の検証で、SDI変換の有り無しを混在しても、配信としては問題ないことが確認できました。これで安心して今度の配信に臨むことができそうです。

元々は起きても気にならないレベルだと予想していましたが、まさか実質遅延がないようなものだったことに驚きました。

私自身はこういった検証が初めてだったので比較対象は無いのですが、映像スイッチャーを経由するとフレーム同期でズレが起きると聞くことはありました。今回のような変換だとそんなに処理なのかもしれませんね。

マニアックな内容ではありますが、ご参考になれば幸いです!

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