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コロナショックで通販を始めようと思っている方へ

今まで市場出荷や契約栽培、直売所などでの販売をしていたものの、コロナの影響で出荷先がなくなり(減り)、急遽ネット通販を始めようと考えている農家の方もいるかと思います。
また、農家以外の食品事業者などでも、今までの卸販売以外に、ネット通販を検討している方もいるかと思います。

そんな方に、細々とですが通販歴30年、ネット通販も12年ほどの経験からのコツをまとめてみました
(逆に言えば、ガンガン広告出して、どんどん売るんだ!みたいなネット通販はしたことないので、そのような販売を目指している方にはあまり参考にならないと思います。)

なお、この記事は、今までは個人向けのネット通販はしていない、と言う農家(事業者)の方を想定して書いています。

ネット通販にこだわらない

ネット通販のコツ書くよ、と言いながら申し訳ありませんが、今まで個人向けのネット販売を行っていないなら、まずはネット通販以外の方法を探った方がいいです。

理由としては、受注・梱包・出荷・請求・顧客対応・クレーム対応など、今までに経験していない慣れない業務が多く発生するからです。

慣れない中でその業務量を抱えると、出荷業務に丸一日かかることになりかねませんし、また慣れない顧客対応で精神的にも疲れてしまうことが容易に想像できます。

ですので、今まで個人向けの直接販売をしたことがないのであれば、お店に買い取ってもらう、スーパーの直売コーナーに置いてもらう、業務用で出荷できる先を探す、直接販売なら無人販売などで接客の手間を減らす、など、まずはできるだけ販売に手間をかけない方法を模索する方がいいと思います。

それを検討しても「やはりネット通販しかない」と言うならできる限り効率的にしつつ頑張るしかありませんので、この先の記事を参考にして頂ければと思います。

極意:オペレーションをできる限り簡素化する

もし急遽ネット通販を始めるなら、散々書いてますがネット通販ではやることが多く、しかも慣れない仕事になります。

通信販売をするうえでは、商品のパッケージや量目、商品の独自性、値決め、写真の見せ方、宣伝方法だとか色々と大切な要素はあると思いますが、新型肺炎対策で緊急で販路開拓をするという意味では、今までやったことない業務を、日々フルに行っている農作業と並行して行うことになるので、「オペレーションをできる限り簡素化する」ことが一番大切です

そのための具体的な方法は以下の通りです。

-商品アイテム数を絞る

お客さんの家族構成にあわせてS/M/Lの3種類、もしくはお客さんのためを思って好きな野菜の詰め合わせができます!とやりたくなる気持ちもわかります。

でも、できるなら商品は1種類が望ましいです(通販のオペレーションに慣れてなくて、且つ緊急での販売という前提であれば)。

色々な商品の組み合わせがあると、受注確認をして注文が確定してからしか梱包作業に入れません。
でも、商品が1種類であれば、大体30人ぐらいから注文来てるなーとわかれば、奥さんが事務作業で受注の取りまとめや入金確認、伝票作成などを行いながら、現場の旦那さんはそれを待たず並行して、ひとまず25個ぐらい商品を先に梱包することが可能です。
日持ちするものなら余裕のあるうちに梱包を完全に終わらせて、あとは伝票を貼るだけ、という状態にすることだって可能です。

また、商品アイテム数を増やせば、箱の種類もいくつも用意しなければいけなくなりますし、納品書やピッキングリストなどを別途用意する必要も出てきます。さらに受注ミスや納品書の入れ間違いなどの出荷のミスも起こりやすくなります。

ですから、できる限り商品アイテム数は少なくするのが理想です。

もしネット通販を継続するのであれば、慣れてきてから商品数を増やせばいいです。

-価格・送料の設定はシンプルに

ショッピングカートを使って、金額が自動計算されるとかであればいいですが、そうでなければ、金額は税込3,000円、5,000円など振込金額がわかりやすい設定にするのがいいと思います。

そうしないと、合計の送金額がいくらでしょうか?外税だと、送料だけは10%ですか?みたいな面倒な問い合わせ対応をしなければいけなくなります。

通常なら3980円の方が安く感じる、とか色々値付けのテクニックはあると思いますが、慣れないなら、まずはわかりやすい方がいいと思います。

送料も、可能であれば送料込みで分かりやすい方がいいと思いますが、それが難しいようなら、運送会社の運賃計算に準じて地域、重量ごとに細かくするよりは、東北~東海・北陸は1,000円、関西以西は2,000円などとざっくりした運賃にしてしまった方がわかりやすいです。
(運賃を設定する際は、実際の支払運賃の平均で損も得もしない程度にするのがいいと思います)

※沖縄など離島は別途お見積りでいいと思います。(別途お見積りがわかりにくいとも思われますが、該当地域の方はその対応に慣れてるもんみたいです)

-注文受付はメールフォームやカートを使用

注文はDM(ダイレクトメッセージ)で!みたいな方法もありますが、DMだとだと注文に必要な情報(電話番号、数量、サイズ、お届け日)に不足が生じることもあり、確認のやり取りに手間がかかります

ネット通販のショッピングカートを使うのが理想ですが、費用もさることながら、設定などに一定の知識が必要だったり手間がかかると思うので、最低限、Googleフォームなどのメールフォームで、必要事項を必ず入力してもらえるようにするのがおススメです。

もし、それも難しいようであれば、商品注文案内のページにDMで送ってもらうための注文用フォーマット(郵便番号、住所、名前、電話番号、商品名、数量、サイズ、お届け希望日などの必要事項の一覧)は最低限書くようにしてください。

なお、ショッピングカートのシステムを使うと、メールが自動で送られたり、見栄えがキレイ、カード決済なども使えるというのもありますが、それ以上に、そのまま受注データを宅配便の伝票印刷のデータに出力できたりする、納品書を発行する、入金管理ができる、など、事務作業の軽減にもつながります。

有償になりますし、設定などに手間はかかりますが、事務コスト・手間の面も考えると、ある程度継続して通販を行う予定であればショッピングカートを使うメリットがあるかもしれません。

-できないこと、お客さんが疑問に感じそうなことは書いておく

注文の商品案内と一緒に、下にあるようなお客さんが気になることをまとめて書いてしまうことで、問い合わせを減らして農作業などに集中できますし、お客さんの不安を払しょくできます。

-商品代金・出荷について
送料は含むのか、税込か、支払方法は、注文(入金確認)後どれだけで出荷されるのか、日時指定は可能なのか、代引きはできるのか、ギフト発送は可能なのか、冷凍か冷蔵か常温か、運送会社はどこか

-商品について
小分け包装されているのか、賞味期限や家庭での保存ははどうなっているのか、(珍しい商品なら)どのように食べるのか、どれぐらいのサイズなのか(何人前か)

-できないこと
領収書は振込明細で代用しているので発行しない、納品書は同梱しない、代引きだけなのでギフト発送はできない、日時指定はできない、出荷連絡で伝票番号をメールしない、注文フォームから連絡が来ても農作業が忙しいのですぐに個別のメール返信はできない

特に3つ目のできないこと、を書くことが重要です

できないことに関しては、できればお客さんの満足度が上がることは間違いありませんが、一方で個別対応はとても作業負担が増します。

ですので、申し訳ないけど緊急事態でイレギュラーな販売であり、日々の農作業と並行しての慣れない出荷なので、できないことはできません!とはっきり書いてしまった方がお客さんに納得してもらえます。(納得できず買わない人もいるでしょうが、後からもめて手間と時間を取られるよりはマシだと思ってください)

自分が日頃使っているネットショップがやっているような当たり前のサービスで自分ができないことははっきりと書いてください。

まとめ:余裕があれば期待を上回る対応を

コロナの影響で大変だと思いますが、だからこそ大変な事業者や農家を応援しよう、と思ってくれる方もたくさんいます。

しかし、せっかく応援するために買おうと思ってくれたのに、その対応や届いた商品に不手際があっては、本当に申し訳ないことになってしまいます。

そんな時、「大変な中で慣れない通販をやってるから、しょうがないよね」と思ってくれる心優しい方も多くいると思いますが、一方で「せっかく応援しようと善意で買ったのに…」と、応援しようと思ってくれたからこそがっかり感や怒りが増してしまう可能性だって大いにあります。

だから、まずは応援してくれる人に申し訳ないかもしれないけれど、日々の農作業と並行してできる範囲を明確にして、その範囲で応援してもらえるようにするのがいいと思います。

その上で、もしオペレーションをできる限り簡素化した結果、余裕が出たのであれば、メールの返信を丁寧に行う、手書きのお礼状を同封する、などできる範囲で、応援に応えるようにするのがいいと思います。

ひとまず思いついたことをつらつらと書いてみました。

せっかく応援してくれる人に応えられるように頑張りましょう!

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