驚異のミネラル［セレン］。ですが、闇雲に摂れば危険を伴います。

昨日の記事で、セレンというミネラルが、ガン予防をはじめ多くの重要な役割を持つことを記しました。

ただし、セレンは重要なミネラルである反面、中毒性のあるミネラルであるという一面も持ちます。

サプリメントで闇雲に摂取してしまうと、非常に危険です。

したがって、セレンの適正な摂取量、摂り過ぎが疑われる摂取量を知っておくことは大切です。

今回は、セレンの適正摂取量、上限量について解説します。
（記事の文末に動画を貼っています）

おさらい

セレンが不足した場合に起こりやすい症状として、以下のようなものが挙げられます。

心筋症、筋力低下、筋萎縮、爪の白色化、
高血圧、乳がん、前立腺がん、肺がん、
大腸がん、関節炎、多発性硬化症、
肉体疲労、過労、精神の減退、更年期症状
甲状腺腫、甲状腺機能低下、クレチン症、
精子減少、流産。

これを見るだけでも、セレンが大切なミネラルであることは理解できると思います。

具体的にセレンの数ある役割の中で代表的なもの４つに絞ると、

①強力な抗酸化作用
②甲状腺機能の正常化
③水銀、カドミウム、鉛、ヒソなど重金属の解毒と排出を促す
④ガン予防

が挙げられます。

セレンの必要摂取量は

セレンの必要摂取量です。
厚労省が定める成人１日当たりの推奨量は、25〜30μgです。

この量は、それを大きく下回ると不足状態だという量です。
先ほど述べた、さまざまな症状が出やすくなる可能性があります。

ですから、厚生労働省の推奨量は、“最低”必要摂取量と言ってもよいかと思います。

セレンの重要な仕事である、
強力な抗酸化作用、
甲状腺機能の正常化、
ガン予防、
重金属の解毒と排出
を十分に果たせる量は・・・

大幅に増やして、100〜150μgくらいは摂っていただきたい、と私は考えます。

日本人の現状は

日本人のセレン摂取量はどうでしょうか。
十分に摂れている人と、相当不足している人にハッキリ分かれます。

その理由は、セレンが多く含まれる食品を知れば分かります。

（概ね多い順番）
毛がに、ズワイがに、ホヤ、
カツオ、ウナギ、イワシ、
カレイ、さわら、マグロ、
あじ、サバ、あんこうの肝
たらこ、すじこ、帆立貝、
牡蠣、さんま、タコ、ホタルイカ、
ししゃも、卵、レバー、豚肉

セレンは圧倒的に魚介類、甲殻類に多く含まれます。
日頃から魚介類を多く食べる人は、セレンをかなり摂れています（多分100〜150μg）。

逆に、魚介類をほとんど食べない人は、セレンがかなり不足している可能性があります（多分50μg以下）。

日本人全般の傾向で言えば、お魚を食べる人は確実に減っています。

理由はよく分かりません。
（骨を取るのが面倒くさい？）

最近はスーパーでも、骨を取り除いたお魚が並んでいます。
まずは、お魚や貝類を食べましょう。

お魚以外では、日常的な食品として玉子でしょうか。
玉子１個食べると、16〜17μgセレンが摂れます。

セレンの過剰症

ここからはセレンの摂り過ぎに関する話です。

お魚も玉子もほとんど食べないので、サプリメントで補給したいという人。
食べ物からもそこそこ摂取できているが、もっともっと摂りたいという人。

その場合は、過剰摂取に注意してください。

セレンの過剰摂取でどのような症状が出やすいのか、列挙してみます。

悪心、吐き気、胃腸障害、神経障害、
心筋梗塞、呼吸困難、腎不全、下痢、
食欲不振、頭痛、免疫抑制、
高比重リポ蛋白 (HDL) 減少、脱毛、
下痢、爪の変形、関節痛

セレンの上限量

過剰摂取の目安です。
もう一度、先ほどの表です。

厚労省が定めた成人の耐用上限量は350〜450μgです。
普通にサプリを飲んでも、これを超えることは通常はありません。

ただ近年の研究で、200μgを大幅に超える量を摂り続けると、糖尿病の発症率が上がる、という報告があります。

いきなり350〜450μgは、やめた方がいいかもしれません。
200μgくらいから始めて（サプリで100〜150μg）、血糖値（HbA1c）の推移をチェックしながら、少しずつ増やしてください。

私の摂取量は

最後に、私の例をお話しします。
食事からの摂取量は、玉子や魚介類を中心に、多分100μgは摂っているはずです。

サプリメントは、マルチビタミンミネラルに含まれる分だけです。
私が飲んでいるマルチビタミンミネラルには、１日当たり200μgセレンが含まれます。

食事分と合わせると、300μg前後摂っています。

血糖値（HbA1c）は正常です。

抗酸化作用もガン予防も、セレンだけではありません。
他の栄養素も十分に摂っているので、セレンはこのレベルにとどめています。

最終的に、上限量は自己判断でお願いします。

まとめ

セレンの役割の中で、代表的なもの４つに絞ると、

①強力な抗酸化作用
②甲状腺機能の正常化
③ガン予防
④水銀、カドミウム、鉛、ヒソなど重金属の解毒と排出を促す
が挙げられます。

厚労省が定めるセレンの推奨量は、25〜30μgです。

これは、不足はしていないという量で、セレンの仕事を十分に果たすには、100〜150μgくらいは必要です。

セレンは圧倒的に魚介類、甲殻類に多く含まれます。
日頃から魚介類を多く食べる人は、100〜150μgは摂れていると思います。

が、魚介類をほとんど食べない人は、セレンがかなり不足している可能性があります。
多分、50μg以下ではないでしょうか。

サプリメントで補給したい、食事プラスαをサプリで摂りたいという人は、過剰摂取に注意してください。
セレンにはさまざまな過剰症があります。

厚労省が定めた成人上限量（過剰摂取の目安）は350〜450μgです。

ただ近年の研究で、200μgを大幅に超える量を摂り続けると、糖尿病の発症率が上がるという報告もあります。

いきなり350〜450μgというのは避けた方がいいでしょう。
200μgくらいから始めて（サプリで100〜150μg）、血糖値（HbA1c）の推移をチェックしながら、少しずつ増やしていってください。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。