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現代のタンパク質摂取量は1950年代と同じ ! その理由をわかってないとヤバいかも

 昨日公開した記事中の「現代のタンパク質摂取量は1950年代と同水準」には驚かれた方も多いのではないでしょうか。

 実際に1995年以降、急激に減少しているのがわかります。

 この飽食時代になぜタンパク質が不足してしまうのか、その原因と対策について解説します。

1995年以降、何が起こったのか

 上の2つのグラフを見て分かるように、日本人のタンパク質摂取量は、1970年頃から30年前後は好ましい水準にありました。
 ところが、1995年あたりから急激な下降線を辿って、驚くことに現在では(グラフは2013年で切れていますが2020年もほぼ同じです)1950年代と同レベルになってしまいました。

 1950年代といえば(私はもちろん生まれていませんが)、まだ戦後の食糧難を引きづっていた時代です。
 その時代と現在のタンパク質摂取量が同じ水準というのには驚かされます。

 日本は今でも平均寿命が伸び続いていますが、これは戦後の食糧難を脱出して、栄養状態が著しく改善したこと、とくにタンパク質の摂取量が増えたことが一つの大きな要因だと言われています。

 けれどもグラフを見る限り、平均寿命も近々ピークアウトしてそのうち下がっていくのではないかと、私は危惧しています。
 もっとも、重要なことは平均寿命ではなくて、この記事をご覧になっている皆さん一人一人が健康でいられるかということです。

 では、今の飽食の時代にどうしてタンパク質不足になってしまうのか、考えられる原因を4点、列挙していきます。

1.ダイエットブーム

 ダイエット自体を否定しているわけではありませんが、やり方が重要です。摂取カロリー全体を減らすのに合わせて、タンパク質まで減らしてはいけません。減らすのはおもに炭水化物(糖質)です。

 そういう意味では、一時期流行った糖質制限ダイエットの考え方は理解できます。
 けれども糖質制限ダイエットは、しっかり勉強をせずに、見よう見まねで自己流でやってしまうと、健康を害して危険なこともありますので、注意が必要です。

 まずは、緩やかに糖質を減らす(従来の7割〜8割)ことから始めてください。
 タンパク質は極力減らさないでください。

2.朝食抜き

 今のダイエットと一部重なりますが、朝食を抜く人って結構多いようです。
 その理由は、いくつかのパターンに分かれる。ダイエットの一環として行う、ダイエットとは関係なく朝食抜きの方が健康に良いという考えに基づいて行う、単に朝の時間がなくて抜いてしまう、などです。

 朝食は食べた方がよいのかどうかという議論は、長い記事になってしまうので、ここではしません。そもそも簡単に結論は出ません。

 ただ一つ言えることは、どんな理由の朝食抜きであっても、3食のうち1食を抜いてしまうと、タンパク質を十分に満たすことは、それだけで難しくなります。

 また、朝食を摂るとは言っても、3分とか5分とか超短時間で済ませてしまう場合は、タンパク質はほとんど摂れていないような気がします。
 牛乳やヨーグルトを除いて、タンパク食品はそれなりに食べるのに時間がかかるからです。

 結局、解決策は早起きして朝食の時間をしっかり確保して、お魚や豆腐、納豆、卵などを食べることです。

3.魚を食べなくなった 

 下は、魚の消費量のグラフです。

 著しく減少しているのが一目瞭然でわかります。
 その理由はよくわかりません。

 骨を取るのが面倒くさい? 骨が刺さったのがトラウマになった?
 ただ最近は、骨を取り除いた魚もスーパーに並んでいます。

 魚は比較的消化がよい良質なタンパク源なので、ぜひ食卓に並べてください。

「魚の消費量は減っているけど、肉の消費量は増えているはずだから、タンパク質の摂取量は減っていないのではないか」という疑問が浮かぶかもしれません。

 確かに肉の消費量は増えています。

 問題は、肉に含まれるタンパク質の量です。
 肉といえばタンパク質の固まりのようなイメージがありますが、部位によって相当違います。

 牛肉の場合、モモ肉であれば比較的タンパク質が多いですが、牛丼などで使うバラ肉はグッと少なくなります。ほとんどが油と言っても言い過ぎではありません。
 しかも、ここに書いてあるのはバラ肉は和牛であって、アメリカ産バラ肉はもっとタンパク質が少ないはずです。

 同じく豚肉もバラ肉の場合、タンパク質はそれほど多くありません。
 豚肉であれば、やはりモモ肉、または(少し値段が上がりますが)ロース肉がお薦めです。

 鳥肉ではササミのタンパク質が多く、しかも安いのでお薦めです。
 我が家は愛犬がいるので、ササミをよく購入します。犬は、カロリーの多い油を与えてしまうと太ってしまうからです。

愛犬チョコ

 ササミはお薦めですが、唐揚げでよく使われるモモ肉は、油が多くタンパク質が多くはありません。

 もっとも、レシピによって使う部位はある程度決まりますが、多少は意識してタンパク質が多い部位(レシピ)を選んでください

4.炭水化物食が多すぎる

 私は、これがタンパク質が不足する最大の原因だと思っています。
 何と言っても炭水化物食は美味しいものばかりです。

まずは麺類。うどん、そば、ラーメン、パスタ。私も沖縄に住んでいるので沖縄そば、沖縄の前は福岡に住んでいたので豚骨ラーメンをしばしば食べていました。

 次にパン。香ばしい匂いが漂ってくる焼き立てパン。どれも本当に美味しいです。
 最近は高級食パンが人気のようですね。一斤千円とか、私はとても手が出ませんけれど、セブンイレブンの「黄金の食パン」なんか、やっぱり美味しいと感じます。

 そして、ご飯レシピ。チャーハン、チキンライス、タコライス、ハヤシライス etc.  少しは肉が入っているかもしれませんが、ほとんど炭水化物です。
  カレーライスも、意識して具を入れないと炭水化物ばかりになってしまいます。

 世の中おいしい炭水化物食で溢れています。カロリーはしっかり取れるしお腹いっぱいにもなります。
 けれども、そこにタンパク質はほとんど含まれません。
 まず、そこに気がつきましょう。

 あらためて、タンパク質が多く含まれる5大食品はこちらです。

 肉、魚、卵、大豆食品、(牛乳)乳製品。ご飯、パン、麺類にも少しはタンパク質は含まれますが、そればかりでは間違いなくタンパク質が不足します。

 炭水化物食に走ってタンパク質が不足するというのは、飽食美食時代の負の部分かもしれません。

まとめ

 日本人のタンパク質摂取量は、1995年あたりから急激な下降線を辿って、現在では1950年代の食糧難の時代と同レベルになっています。

その理由として考えられるのは、

①ダイエットブーム 
 ダイエット自体を否定してはいないが、減らすのは炭水化物、糖質。タンパク質を減らしてはいけません。

②朝食抜き
 3食のうち1食を抜いてしまうと、タンパク質を十分に満たすことは、それだけで難しくなります。解決策は早起きして朝食の時間をしっかり確保することに限ります。

③魚を食べなくなった 
 魚は肉と比較しても消化がよい良質なタンパク源です。骨を取るのを面倒くさがらずに、もちろん骨を取り除いた魚でもいいので、ぜひ食卓に加えてください。

④炭水化物食が多すぎる 
 麺類、パン、ご飯もの、たしかに美味しいですね。カロリーはしっかり取れるしお腹いっぱいにもなります。けれども、そこにタンパク質はほとんど含まれません。

 まず、タンパク質が多く含まれる5大食品。肉、魚、卵、大豆食品、(牛乳)乳製品。を意識して食べることから始めてください。
(付け加えるとしたら)お肉を食べる場合には、できる限りタンパク質が多い部位を選んでください。

この記事の内容は動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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