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MY STORY NO.6

【親とこどもの捉え方はいつも一緒?】

児童発達支援管理責任者の研修会の中でこんな言葉が何度も目に飛び込んできた。

リフレーミング(reframing):視点を変えること

ストレングス(strength):強みを見つけること

エンパワメント(empowerment):もともともっているその人の生きる力を信じる、強めること

児童発達支援や放課後デイサービスなど発達領域で、日々こどもたちとのセッションをこなし、お母さんたちともこどもたちの家や園、学校での様子についてお話させていただいていると、この3つのkeywordの重要性をまざまざと感じさせられる。

リフレーミングは、ついつい問題点(できないこと)に目が向きがちなお母さんたちの視点をこどもたちのGift(強み)のようなポジティブな部分に焦点が当たるように療育者が情報提供し、視点を変化させる種を蒔くこと。

ストレングスは、こどもたちの得意なこと、興味関心があること、価値をおくことを見つけだしあらゆるツールを使って見える化すること。

エンパワメントは、ストレングスにさらに磨きがかかるように、環境を整えたり、経験の機会を与えたり、習慣化したりして、自己肯定感自己効力感を高めること。

とりわけ、ひとつ目のリフレーミング重要だ。

親の視点を変えることは、ストレングスエンパワメントするためには、必須条件だからだ。

療育でもよくあることだが、親と子どもとの物ごとの感じ方や捉え方のギャップがあまりにおおきく、修復し難い深い溝になっており、それが子どもたちの発達を妨げていることが往々にしてある。

つまり、親たちはこどもと自分の考え方や物ごとのとらえかたはいつも一緒で、それは間違いないという勘違いに陥っているのである。

哲学的にいうと共通了解可能性※を欠いている状況だ。

ざっくり言うと、「人の考え方や捉え方はたとえ自分の子どもであっても、少なからず皆ちがうことを前提として対話していない」ということだ。

こういったケースに対して、リフレーミングを行なうと、凍りついていたお母さんと子どもの心が一気にとけだし、少しずつ溝が埋まっていく。双方向のコミュニケーションがスムーズに進み、お母さんとの距離が近づくとこどもの発達が促進され、その人らしさが輝きだすことが往々にしてある。

ここをいかに変化させられるかいつも苦労する。

作業療法士の京極真先生(医療者のための信念解明アプローチ著)は、相手の立場になって考えるは簡単なことではない。

他人の立場にたって考えられるようになるためには、一度徹底的に相対化したほうがよい。

心の底からいろんな考え方があると味わっていないと、たぶん価値観の異なった人たちが共通了解に立つことはできないと述べられている。https://www.kyougokumakoto.com/2016/11/blog-post_32-4.html

一親としての立場と療育者の立場、両者の視点を持つものは、自分の子どもであるがゆえに盲目になることも理解できるし、視点を変えることが重要なことも痛いほどわかる。

しかしながら、

療育は誰のためのなのか?

何のためにやっているのか?

こどもにどう育ってほしいのか?

こどもにどう生きてほしいのか?

をつきつめれば、親は自ずとこどもへの捉え方がポジティブになるのではないかと私は思う。

そこに問いを立てて突き詰めるのが自分たちの社会的役割である。

今一度、親たちは自分たちの捉え方はどうだったか?を振り返ってみても良いかもしれない。

#Art &Science , #Occupational Justice

※共通了解

参考

https://www.kyougokumakoto.com/2016/11/blog-post_32-4.html

https://www.kyougokumakoto.com/2016/10/blog-post_94-5.html

http://www.phenomenology-japan.com/jittengenri.htm

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