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瀬戸市小旅行記

日曜日の6時に目が覚めた。

思ったよりもはやく目が覚めてしまったので、
とりあえずカーテンを開けて、
昨日図書館で借りた本を読みながら30分ほどベッドに転がっていた。

昨夜、調べて乗る予定にしてた電車よりも30分早いのに乗れそうだったので、
それに乗ることを決めて布団から出た。

昨日の夜に予約して炊けているお米をかきおこし、
気分が良くなる。


朝ごはんにと軽くよそって、食べた。
豆乳も飲んだ。

身支度を整えたあと、
ベランダの2つの鉢に水をやり電気を消して、
家を出た。


土日はカンカンに晴れて暑いと聞いていた。

たしかに、前日の土曜日は図書館に行く少しの時間だけで陽射しの強さにやられそうだった。

でも、今日は空は薄い雲が一面に張っている感じで、
日差しは刺さらず、ちょうど過ごしやすい気温だった。


今日の目的地である“愛知県陶磁美術館”までは、思ったよりも乗り換えが多かった。


久しぶりに乗ったリニモ。
4年振りくらいだろうか。

美術館の最寄り駅。
僕が降車した駅で降りたのは僕しかいなかった。

それもそのはず、まだ開館より30分以上も前だったから。


でも、駅をおりてから本館までは結構歩くと思っていたから早めの電車でも大丈夫だと思ったのだ。

駅の改札を出る前に、駅のチラシコーナー置き場みたいなところにパンフレットが置かれていて、
通常の街に置かれているそれとは異なり、
20%割引になると書かれた赤いハンコが押されていた。

ラッキーと思って1枚手に取ってから無人の改札を出た。

ここは今日6/18で休館前最終日となる。
2025年3月31日まで。

ここから約2年間の工事が始まるみたいで、
別のイベント等に出張展示などはするらしいが、
長いことこの場所で見られなくなってしまう。

ということで、今回来た。

かねてより読んでいた焼き物の本に、
写真の出典場所でよく、この資料館の名前を目にしていたから、いつか本物をみたいと思っていたのだ。


到着してからは結構1kmほど歩いた。

いきなり怖い看板があった。

いのししさんや、もし会っても仲良くしような。


午前中の森の静けさがあり、
側道を歩くとそばにある草がカサッと音を立てる。

静かに歩いて葉の先を見つめると、キリギリスが休んでいた。

静かな茂みを朝から足音で驚かせてしまってごめんよ。

虫苦手な人もいると思うので遠目な写真で。
真ん中にいるの。かわいい。


途中こんなのも置かれていた。
ここでは普通のカラーコーンの代わりにこれが置かれているみたい。

「立入禁止!」ではなく
「ここより先はお立ち入りなされませぬよう…」という口調なんだとか。(館の人曰く…笑)

重たそう。

ようやく建物が見えてきた。

傍の芝地に目が行く。
大きな甕がならんでいた。

すっぽり入れちゃうくらい。


開館はまだだが、どうやら今日は外のエリアでも、
紙芝居など子ども向け(?)のイベントがやってるらしくその準備もしていた。

テントとかがたくさん立っていた。

のどかな日曜日の始まりを感じさせる。


さて、あと15分ほどで開く。
それまでの間、建物の周りをウロウロしていた。

こんな張り切って開館前から待ってるやつは見渡しても僕しかいなかったから、ちょっと恥ずかしかった。

そんな張り切るような場所じゃなかったのかな(?)、と。


ようやく開いて中に入れてもらい受付を済ませ、
入場券をもらった。
560円。

パートナーシップ結んでる大学なら無料だったらしいが、どうやらうちは違ったみたい。

少し前まで瀬戸にもキャンパスあったらしいんだから、繋がっててくれよぅ…と心の中で嘆いた。


誰もいない朝イチの館内で、ゆっくりと見た。

館内は基本写真撮影OKだったので、
要所要所ここに貼っていくが、見たものが多すぎて大変なことになりそうなので、
かなり割愛しながら文字で説明する。

館内のこの1Fのフロアでは、愛知県の主要な焼き物、
瀬戸焼、常滑焼。高浜焼。
そして名古屋絵付という技法についての特別展示がされていた。

それぞれの焼き物についての特徴は、本などで以前から学んでいたが、
現物を見たり、さらに細かい情報を得られるので資料館はやっぱり楽しい。


大好きな織部もたくさん置かれていた。

織部の緑釉にはいつみても惹き込まれる。

続いて見つけた、こういう作陶過程の説明も好きだ。
窯入れをするとあんなにも色が変化するのだ。

ある陶芸家の人が、「窯は“ワープ”だ」と言っていたのを思い出す。
出てくる時に想像を超えた変身をしてくるらしい。

窯変といって、
火とさまざまな成分が織り成す人の触れることのできない自然の変化が、
いくつか技法としても確立されているくらいだ。


この入れ子組鉢なんかもすごい。
緻密に大きさや、形、絵付にこだわっていることが伺える

あとこれも焼き物だ。
人形。なぜかこれを5分ほどしゃがんで眺めてた。

はじめは、部位一つ一つを作りそれらを接合していることに驚き、
その後はこの彼らの表情や服の質感の繊細さに魅入っていた。

瀬戸の磁器製人形、ノベルティ

これも感動した。
三郷陶器株式会社が過去につくっていた、
高級食器シリーズだ。

白く美しい素地に金彩模様が映える。
さらにこれは近くで見ると実に手の込んだものであるかが伺える。

葉脈部分はフッ化水素を使って表面を腐食させる
金蝕きんくさらせ」の技法で立体的に表現しているのだ。

あと、名古屋絵付の伝統技法についても見た。

名古屋絵付については、ほとんど知らなかったためここで勉強になった。

ここでの技法、
「たたき」と聞くと、激しめな技法のように聞こえるが、実際この説明を知って感じたのは、

「どんッどんッ」よりも、
やさしく「ぽんぽん」というニュアンスだった。
優しい技法だ。

あまり広くはないが階段を登って2階にも見に行った。

上がってすぐ目に入った、この文章に深く頷いた。


こんなものも展示されていて、面白かった。
それは、子どもたちの授業での鑑賞記録だ。

自分が小学生のころだったらめんどくさそうに書いてただろうなぁと小学生の頃を思い出す。

でも彼らの、なんだかんだ書いてみる、
作品の表現の仕方は純粋そのもので見ていて気持ちがいい。

さて、こんな感じでこの建物のものはすべて見た。

てっきり僕はこの建物が本館でまだ少しほかの建物にも展示があるだろうが、これがメインだと思って見ていた。

ただ、(なんとなく自分でもここまで上げている写真の量を抑えてきているのを感じるが)、
メインの建物はここではなかったのだ。

そうここは本館ではなく南館だった。

危うく帰路に着くところだった。

駅から歩いてはじめに出会う建物がこの南館なだけで、さらに奥に本館があったみたいだ。
(車で来てたらスムーズにそこに行けたと思う。)


しばらくまた歩くとようやくさっきの建物よりもさらに大きな建物が見えてきた。

これだ。

はじめに見てた南館では、
最終日なのにあまりにも人が少ないと思ってみていたらそういうことか。

みんなこっちをメインで見に来てるんだ。

こっちにはさっきの場所よりも多少は人はいた。

そして、南館の受付の方が入場券を渡してくれた時に、本館の展示を見る際にも提示くださいと言っていた意味がやっと理解できた。

張り切って早く来たのに、勘違いしてることが多かった。


さて、ここからがさらに長いと思うので覚悟して欲しい。

今回この本館では、
「未来へ繋ぐ陶芸 伝統工芸のチカラ」というテーマで、180点ほど個人作品が展示されている。

入ってすぐは狛犬たちがお出迎えしてくれていた。

作家さんたちにお願いをし、
それぞれ異なる技法を用いて制作されたみたい。


さて、改めてチケットを提示し奥へ進む。

これまで日用品を楽しく見れる程度のいろいろな焼き物の基本的な知識は徐々に学んでいたが、
個人作品の鑑賞は疎く、ハードルの高さを感じていた。

でも、今回見て見て感じたのは、個人作品においては今まで学んだ基本的な作陶/絵付/焼成/装飾技法が、ハイレベルに施されていているものだということ。

まさしく、基本が応用に適応したということだった。
だから見ていて理解できる部分も多くなっていて嬉しかった。

ここでは多すぎて、紹介しきれないがその中でも特に僕が好きだと感じたものについていくつか話そう。

まずはこれ

『炎彩花器』

岡田裕さんの『炎彩えんさい花器』という作品。
萩焼の作品だが、萩焼の作品は釉薬で魅せる、
あるいは釉薬と土の相乗効果を見所にした仕事が多い。

なので、本作のような土の質感が全面に出たものは新しい。

この彩色や模様は作者がかつてシルクロードを旅した時に目にした朝陽に感化され生まれた表現だという。

そういうのすてきだと思う。

横から覗くと白い素地とのコントラスにも惹き込まれる。

続いてはこちら。

『耀彩鉢 創生』

第一印象は“恐竜の目”だった。
本作は三代 徳田八十吉さんの作品で、
『耀彩鉢 創生』という九谷焼(石川県)の作品。

伝統的な九谷の色絵の影響を受けた作風ではあるが、
この繊細なグラデーション、
釉薬の中間色の美しさまで生かしたものは現代的な魅力も感じる。
ちょっと撫でて触りたくもなっちゃう。

続いてはこちら。

『紅染大鉢「燦々」』

こちらは、庄村健さんの『紅染大鉢「燦々」』という作品。
中心から吹き上がる柔らかな炎のような赤が美しい。
幻想的な雰囲気だ。

マスキングという技法を用いてつくる赤のグラデーションと、
薄く釉薬をかけることでトーンを落とし、温かみのある太陽の光を表現しているみたいだ。

焼成後これが窯から出てくるのを想像するだけで感動する。
だって窯入れ前はまったくこんな色ではないと思うから。


続いてはこちら。

濁手竹文八角皿

この朱い色とても好きだと思った。

あと、これを見た瞬間に柿右衛門様式の作品だと判断できたのは我ながら嬉しかった。

こちらは十五代 酒井田柿右衛門さんの『濁手竹文八角皿』という作品だ。

この赤い色調はとても落ち着く赤をしている。
一方で竹の青青とした表現とも表裏でマッチして美しい。

さらに、この白い素地の余白がまた紅白の対比を綺麗に作り出している。
口縁部が少し立ち上がり錆釉が施されているのも、
縁から全体の形を引き締めたような美しさ感じさせる。


あと少しだけ紹介させて欲しい。
続いてはこちら。

『緋彩長方皿「彗Ⅱ」』

神崎秀策さんの『緋彩長方皿「彗Ⅱ」』という作品。

まずは造形に目が惹かれる。
この土のテクスチャーや緋色の景色はいかにも信楽らしい造形だが、
緋色のグラデーションの間にスっと流れ落ちる「彗星」のような白い抜けが斬新さを感じる。


続いてはこちら、

『無妙異鉢』


伊藤栄傑さんの『無妙異鉢』という作品。
波打つフォルムから“花”を感じる。
無妙異焼の伝統を踏まえつつ、新しい感覚の作品だと思った。

あとふたつだけ。。

『染付瓶「朝顔」』

きっと頭に思い浮かんだタイトルは正解していると思う。

こちらは、小形こず恵さんの『染付瓶「朝顔」』という作品。

花弁はマスキングを用いながら、呉須を重ね合わせその柔らかさと繊細な生命感を演出しているらしい。

器形も腰の部分で一度すぼまり、
そこから胴部にかけて徐々に膨らみながら立ち上がり、

口縁部にかけて一気に広がることで大輪の花びらが表現されているように感じる。

少し花弁の部分に水滴を落とし、
朝露滴る花に見立てたくなるなぁと想像して眺めていた。


最後にこちら。

『鉢「紅白鮮斜陽-1907」』

こちらは増原嘉央理さんの『鉢「紅白鮮斜陽-1907」』という作品。

口縁内より見込みに向けて撮影してみた。

こちら技法としては、生乾きの状態のまま針で掻き落として模様とし、
焼成後その細かな掻き落としに赤い絵付を施しているという。

無数の線と美しく立ち上がった造形が相まって強い存在感をはなっていた。


さて、これで8選まで絞った結果だ。
作品自体はまだまだたくさんある。

本当に見ていて楽しかった。


この後に家でも見た作品をゆっくり鑑賞したいと思い、当展示会の図録をお土産として購入した。

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この後の予定だが、せっかくなら瀬戸の街に器を見に行きたいと思っていた。

この陶磁美術館からはバスで“記念橋”というところまで運んでもらうのが最適みたいだった。

この場所からのバスは2時間に1本ほどで13時半のには乗りたいと思っていた。

正直なところあと1展示室だけ見られていない部屋があったのでそこだけ見られなかったのがとても惜しい。
でももう行くしか無かった。

バス停に行くまでの道のりでは、
少し遠回りをして窯を見に行った。

南山9号窯
復元古窯
復元古窯。登り窯だ。

この美術館を9時半からノンストップで見始めて13時半まで、
のべ4時間立ちっぱなしで見続けたのでここで足の疲れを改めて感じた。


改めて愛知県民としてこんなすてきな美術館があったことがほんとうに誇らしい。

また2年後進化した姿と出会えることを楽しみに待っていようと思う。

さて、
バスに揺られること15分ほどで瀬戸の街へは到着した。

焼き物の街だとひと目でわかると同時に街をあげて盛り上げていたものがあった。

将棋だ。

棋士、藤井聡太さんの出身の街でもあり、
祝福があちこちで見られた。

郵便局のポストが将棋柄、
これ反対側に詰将棋の問題が書いてあった。
なんと銀行の中にもブースが設けられていた。

ついてすぐこんな瀬戸の街の雰囲気が好きだと感じた。


さて、
とりあえずはお腹がすいていたのでどこかしらで何かを食べたかった。

外は、家を出た時と同じく雲が薄く貼り続けていたから、
日差しには肌を刺されることもなく心地よかった。


ということで尾張瀬戸の駅近くにあった喫茶店に、
ランチメニューが頼める14時手前ギリギリに滑り込めた。


注文したのは瀬戸焼きそばのランチメニュー。

この1枚だけでも瀬戸が詰まりすぎている。
瀬戸焼きそばを、将棋型の、黄瀬戸の皿に…

あとはお味噌汁とごはんが付いていた。


とっても美味しかった。

ここで座っていられるうちにこのあとに行く陶器店をいくつかチェックしておいた。

コップの水を飲み干し、
リュックを背負い会計を済ませた。

どうやらこの尾張瀬戸駅周辺の大通りを歩いてるだけでも、
至るところに陶磁器店がある感じでこの辺りを散策してみることにした。

ちなみに今回この瀬戸でゲットしたかったのは、
ぐい呑み。

父の日ということもあって贈ろと思っていた。
父と祖父て酌を交わすときに使えたらと3つ選ぶ予定だ。

今回何件かお店を見て回ったが最終的に買ったものを紹介していく。


まずはそのお目当てのぐい呑み。

最終的に4つ買った。
左から黄瀬戸(貫入)、唐津流し、灰釉(貫入)、呉須。
全部土ものだ。

この中から3つを選んでもらい、今度実家に帰る時に美味しい日本酒も選んで贈ろうと思う。

1つは自分が家で晩酌する時に使いたいと思っている。

ぐい呑みという器の形自体も影響するが、
器の質感や色味も呑むときの風味の感じ方に影響をあたえる。

こういった部分にもこだわって楽しみたい。

あと幾つ買ったものがある。
このぐい呑みを買ったお店で他にもこんなものを。

香刺しだ。
淡い色味に惹かれた。

家で本を読むときにお香を焚きたいと思っていたので、いずれは買おうかと思っていた。
でもまだお香がひとつもないので、少し早とちりした感じだ。

おすすめの香りがあったら教えてほしい。

そしてこのお店でサービスでひとつコップを付けてくれた。

黄瀬戸で、実際に使ってみたが手に持った感覚が柔らかく、滑らか優しい土感を感じさせてくれる。


他にも雑貨屋さんに立ち寄った。
そこで買ったのがこちら。

VISION GLASSというグラス。
シンプルで、ストンと身を落とすようなフォルムと繊細なガラス面に惹かれた。

しかもこれ繊細なグラスに見えるが、
実は直火もOKと言われるほど強い。もちろん耐熱、オーブン/レンジ、食洗機もOKだ。

そういえば、家にグラスがひとつもないと思っていたので欲しかったのだ。


ちなみにこれを買った雑貨屋さんかなり好きな雰囲気のお店で、
お会計のときにその店員さんから、お召し物すてきですね、と言っていただいて照れた。


最後に買ったもの。

蒸し椀。
茶碗蒸しを作りたいと思っている。


作って食べさせたい人がいるので、
せっかくなら器からこだわりたいと思う。

ひかえめな織部の島と、粉引の素地が優しさを感じさせてくれる。

美味しい茶碗蒸しができるといいが。


さてここまでいろいろ購入したが、思ったよりも値は張っていない。

これは焼き物の一大産地ならではの懐の広さだと思う。愛知県に住んでいてよかったと心から思う。

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今回のお店散策でのエピソードをひとつ思い出した。

途中立寄ったお店のひとつは、
70歳くらいのおばあさんがお店をきりもりしていた。
かわいい猫がお店の真ん中で寝そべっていた。

棚に置いてある商品を一つ一つ眺めていると、
おばあさんが話しかけてくれた。

「陶芸やってるのかい」

いや、作るとかはしてないです笑、と返した。
そこから僕が焼き物が好きということは察したのか、

専門的な用語を使いながら、僕が見ていた商品についても説明し始めた。

猫が商店街へ散歩に出かけた。

作風についても言葉にしてくれるので聞いていておもしろかった。

その後僕が今日陶磁美術館に行ってきたと話したら、今どんなことやってるの、と聞いてくれた。

ちょうどお土産に買った図録があったので、
それをリュックから取り出してお渡して見せた。

一ページ、一ページめくりながら、どんな方の作品なのかというのをチェックしていた。

結構な頻度で
「あ、〇〇さんだ」と見つけて、嬉しそうだった。
故人の作品もあるなかで、その人のこと存命時代の様子も知っているみたいでお話を聞かせてもらったりもした。

かなりのページ数があったが、一通り全てのページをめくり終え、また暫し話をした。

今回お店では何も買わなくて申し訳なかったが、
退店の際、

「いえいえ、いいものを見せてくれてありがとう」

と微笑みながら言ってくれた。

ちょうどその時、
外から黒い毛玉が近づいてくるのが見えたので、

「猫ちゃん、帰ってきましたね」
と言って別れを告げた。

今度こそ瀬戸にきた時には、
お店に寄って買わせていただこうとと思った。


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16時をまわっていたのでこのまま帰ろうかと思ったが、
最後に立ち寄ったお店で、近くである展覧会がやってるというハガキが置いてあったので1枚貰っていった。

見ると今もやっていて割と近くにあったのでせっかくなら寄って見ようと思い向かった。

向かっている途中かなりそそられる外付け階段を見つけた。

さてそんなことはさておき、
到着。

向かったのはこの建物。
少し大通りから入っていったところにあるためあまり目立たない建物だ。

この新世紀瀬戸工芸館で行われているのがこちら。

中に入ってみると館内の方が2階に案内してくれた。
どうやら僕しか居ないみたいだ。

陶器やガラスの作品が1つの部屋に展示されていて、

これらの作品はこの建物の横に併設されている研修施設の研修生さんたちの作品を始め、
この場所から飛び立っていった作家さんたちの作品が置かれていた。

展示物は撮影できなかったので紹介できないが、
感じたのはガラス工芸にもハマりそうだということ。

今回グラスを買っているのもその兆候で、この頃ガラスにも惹かれはじめている。

そこにさらに手を引いてくれるほどすてきな作品が並んでいた。


見終わり、1階のフロアに戻るとコーヒーなどが飲める場所があるらしい。

そちらへ向かった。

ここでの仕組みは、ショーケースに入っているいくつかのカップから好きなものをひとつ選び、それに淹れてくれるというもの。

僕はいつかこれの日本酒ver.のお店を開いてみたいと思っているので、わくわくしながら選んでいた。

最終的に選んだものを店員さんへ伝え、窓際の席を選んで座った

選んだのはこちらのカップでのブレンドホットコーヒー。

薄く滑らかな口作りと、
陶胎に入った切れ込みをガラス質の透明釉で埋めている見た目に惹かれた。

この薄い口作りはやはり滑らかで、香りとともにまっすぐとコーヒーが流れてくる。

こうやって透けているのが見たかった。
窓際の席を選んだのも外の光を取り込んだらどうなるんだろうと思っていたから。

さて、そんなこんなで今回の旅は締めくくられる。

こうしてたくさんのすてきな作品と、
温かい人たちに巡り会える焼き物の旅は楽しい。


カップの隙間から青白磁のような薄い青く白い光が差し込んでくる。

コーヒーが浸っている部分とのグラデーションが夕空みたいで綺麗だった。

帰り道で足を止めて、
夕焼けを見て帰った気分だった。

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