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神話

片栗粉なんて存在しないし、

太陽だってカタカナでもっと長い名前が貰えてたかもしれないし、

記憶の整理のために帰る家はここじゃないかもしれない。

雅俗ともに通ずるていをもち、
なめらかに生きる君は、

そうやって思い悩む彼のことを笑うのだろう。

でも、例え話だけど、

自分の鉛筆をわざと机から落としてしまうなら、
それは個人的領域すら超えたもの、

つまり世界への威圧/反逆になっていると思う。

だから皮肉にも。かもしれないが、

どうかこれからも言葉を使って捉えれば嘘になってしまうような神話のことを言葉を使って伝える、
哀れなことをし続けて欲しい。

人間は生まれてしまった以上、
それがことわりに従った結果らしいのだから。
しっかりと鉛筆を握っていてほしい。

これも例え話。
そう、この星の「自然」なんてものは、

人間が自分の意志で決めたことに対して責任を取らなくても済むように、
人間の心が作り出した空想の産物であって、

「自然」の声は、それ自体人間の声なんだ。

「人工」の対義語は「自然」じゃない。
人間活動の結果が逆説的に、
「手の触れていない“とされる”もの」を人工的に作ったんだ。

ほんとはこの星に「自然」なんて捉え方どこにもなかったはずだろう。

言葉でできたもの。みんなそうだ。
言葉のせいで全部神話になってしまうんだ。


だけど、そのおかげで僕は生きるのが楽しいんだ。




語りえぬものは沈黙し背くか、
嘘を語り尽くすことで従うか。

どっちがいい。

まん丸いこの場所に、
「地球の反対側」なんてもの、あると思う?

あるとしてもそれは、
君自身だと思うんだ。

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