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情シス立ち上げマニュアル - 戦略作り(ルール、業務基盤)

数年前にQiitaに記載した記事のアップデート版です。

全部で4つの記事に別れています。
- 採用、マネジメント
- 戦略づくり(ルール、業務基盤)→ この記事はコレ
- 戦略づくり(セキュリティ)
- 戦略づくり(BPR / 業務改善)→ ※内容薄すぎた場合作成しない

●想定読者
 - 情シスがいない企業で情シス立ち上げを行おうとする人
 - 1人目の情シスとして入社して、これから立ち上げを行っていく人

さて、今回はルール、業務基盤周りのお話です。

経営に明確な課題や指示がない限り、1人目の情シスとしてはまずはこの分野に手をつけることになると思います。よってルール、業務基盤(インフラ、ヘルプデスク)の戦略を作っていきます。

逆に明確な課題や指示があれば、まずはその課題を解決してきましょう。(たとえば、営業会社などで営業の生産性向上のためにプロセス改善、SFA導入などがあれば、そっちを解決します)

今回のお話は、この赤枠の中の戦略(何をやり、逆になにをやらないのか)を作っていきます。(社内セキュリティも範囲になってしまってますが、これはこの記事の範囲外で次のnoteに含みます)

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戦略を作る前に

はい、本題に入る前に

1人目の情シスとして入社して、これから立ち上げを行っていく人

向けにこのセクションを作りました。
それは、全部門の人とランチに行ってみては?という提案です。

入社したてで情シスポジションだと、信頼関係が成立していません。
そのため、まずは顔を売るという意味で全部門の人とランチに行くことをおすすめします。

私が管理職で、自分の部門に人が入ったら、1週間ぐらい続けて、いろんな部門の人ととのランチを組んでいました。

1度合ったことがあるかどうか、はそれなりに大きいですし、そこから関係構築ができればもっと良いです。

ルール整備、業務基盤(インフラ、ヘルプデスク)の戦略を作る

1. 現状の確認

組織におけるITに関する現状を確認していきます。
システム規定、システムの全体像、システム(SaaS、クラウド、オンプレ)、デバイスの4つを確認します。

1. 現状、システム関連の規定やその下位にあたるマニュアルはあるか?
 あるならどういう内容か
2. 社内ツールカオスマップで現状システムを把握
3. 従業員デバイス(PC、スマホ、タブレットなど)の一覧はあるか
4. 現在の従業員数、組織構成、月平均の入社・退社の人数

2番はこの神noteを参考にして、現状システムの全体を把握していきます。


2. 経営の戦略、イベントを確認

経営もしくは上長と今後の経営戦略やイベントについて確認します

1. 今後、会社としてどういう方向に進むのか
2. 1から3年後の組織の規模や採用計画はどうなっているか
3. 1から3年後の経営イベントはどいういうものがあるか(IPO、M&A、新規事業、移転、拠点追加など)

3. ゴール決め

ゴールを作っていくのですが、基本的に2でヒアリングした組織の規模や採用計画がベースになります。例えば3年後に従業員200名、国内3拠点、1ヶ月10名入社、IPO予定ということになっていれば、その規模、成長に耐えうる業務基盤、ITガバナンス体制づくりをゴールとします。

変化が激しく、3年が長いのであれば、2年でも1年でも構いません。

4. ゴールに沿って、全体システム構成を考える

ゴールは決まりましたが、それをシステムに落とし込んでいきます。

想像力をフルに使って何が必要かを考えてください
基本的には従業員が増えたら増えるモノをどう管理していくのか、という視点で考えると考えやすいです。

従業員が増えたらシステム(SaaS、クラウド、オンプレ)、アカウント、従業員デバイス、ネットワークトラフィック、データ、拠点などが増えていきます。また統制を取るためにルールも必要でしょう。20人のときはなんとなくで通用しましたが、200人だとなんとなくではうまく回りません。

これらがゴール設定した規模になってもコントロールできる、拡張しやすいシステムを考えていきます。

ここで例を元に考えてみます。
従業員数が50名→200名
月の入社数が1名→10名
月の退社数が0名→2名

従業員数が増えるので下記のようなものが増えて、それらのルールを整備したり、スケールできる体制にしたりすることが求められます。

- 従業員デバイスのルール整備、デバイス管理体制(デバイス増加)
- アカウントのルール整備、アカウント管理体制(アカウント増加)
- SaaS選定時のルール整備、SaaS管理体制(使用するSaaSが増加)
- ネットワークの見直し(トラフィック増加)
- データのルール整備、データ管理体制(データ増加)
- ヘルプデスク体制づくり(問い合わせ増加)
- 移転、増床(従業員増加)
- 人事データ管理(従業員増加)

などが考えられます。

また毎月の入退社数が増えるので、

- 入社プロセスの整備、効率化
- 退社プロセスの整備、効率化

なども必要になってきます。

当たり前ですが、この時点ですべてを見通す必要はありません。
途中で変わってもよいです。

5. どういう順番でいつやるのか計画に落とす

ゴールとする全体システム構成が描けたら、現状との差分として、いつまでに何が達成していればよいのか、を考えていきます。

このあたりはいくつかやり方があると思いますが、私はGISTプランニングという方法でやっています。

- 最低でも1年分(年度内)の計画をつくる
- 1プロジェクトは長くても3ヶ月でやりきれる大きさに(理想は1-2ヶ月)
- システム導入をすれば、その運用も必要になり、プロジェクト(課題解決)に使える時間が減ることもある程度考慮しておく
- 計画をつくってみて、明らかに人員が足りないなら増員を検討

作成したら、経営に見せて説明して、合意をとっておきましょう

6. ヘルプデスク体制づくり

ヘルプデスク(問い合わせ対応)のメンバーが自分1人でも問い合わせ窓口の一本化や、サービス要求管理(作業依頼系)とインシデント管理(トラブル)ができるようにしておくとよいと思います。

2人目が入ったタイミングでもよいのですが、2人目が中々入らないということもあるので、早めに整えておくとルーティンに追われなくて済みます。

使うツールはありもの、で構いません。単純に問い合わせ用のチャンネルを作り、そこから問い合わせてもらうなり、GoogleフォームとTrelloを組み合わせるなり、簡易な仕組みでよいです。

またまた神noteを載せておきますので、参考にしてみてください

※2022年現在ではSlackを使っているならシステムはhalpで代替可能です。

7. 作成した計画に沿ってプロジェクトを実行

あとは実行フェーズです。プロジェクトごとに粛々と進めていきましょう。

8. 週ごとに見直す

課題や優先順位は日々変わります。それこそ、このnoteが対象としているような数十名、数百名規模の企業であれば、変化やスピードは早いです。

そこで毎週月曜日の朝など、週1回1時間でよいので、改めて課題や優先順位を考える時間を考えるのをおすすめします。

なぜか?情シスは目の前にタスクに追われやすいポジションだからです。
タスク(主にルーティン)が多くなってくると、まともに考える時間がなくなります。そのため、今から(すでに忙しいかも、だけど)考える時間を週1時間取っておくと自分のメンタル安定にもよいし、短期目線だけでなく、中長期で全体を調整することができます。

- 今の経営の目標はなにか、そこから考えて今の自分のプロジェクトの優先順位は適切か?また他に課題はないか?

- 自分の上長の目標はなにか、そこから考えて今の自分のプロジェクトの優先順位は適切か?また他に課題はないか?

9. Qごとプロジェクト終了ごとに見直す

Q(3ヶ月)ごと、もしくはプロジェクトが終わるごとに1年分(年度内)の計画を見直していきます。プロジェクトが遅延して、時期をずらす必要があるかもしれませんし、別の課題が発生し、割り込みのプロジェクトが必要になるかもしれません。

最初に立てた計画にこだわらずに、柔軟に変えていきます。

また経営からも最新の情報を得ておき、経営方針やイベント、優先順位が変わるのであれば、それらに合わせて計画も変えていきます。

ここはQごとに経営と会話できるように定期イベントとして入れてもよいと思います。

おわりに

経営に、より具体的な課題がない限り、1人目として最初にやっていくのはこの分野からになると思います。IPO準備のためにちゃんと統制したいとか、そういう形で求められるケースです。

人によってはなんでこんなことを、と思われるかもしれませんが、情シスは範囲が広いがゆえ、人が少ないがゆえに目の前のタスクに追われがちです。

そんな中で中長期の視点を持ってこのような資料を作成しておくと全体を見渡しやすいですし、上長や経営と会話しやすいというメリットがあります。

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