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世の中に入門書は溢れている【1日1本エッセイ52本目】

世の中に入門書は溢れている。いや溢れすぎていると言っても過言ではない。昨日のエッセイでは「哲学は身近なところにある」といった内容で書いたが、どうやったら哲学の本と出会えるか。意外と難しい問題ではある。

そこで考えるのは、まず入門書から始めようと考える人が多いのではないだろうか。そして哲学書の入門書を探しに本屋へ行き、哲学入門と言う本を手に取ろうとするが、どの哲学入門の本をとればいいのかがわからない。

それもそのはず。私からすれば哲学入門と言う書物は溢れかえっているからだ。それを哲学を知らない人がどれがいいのかなと悩むのも無理も無い。そこで何冊か哲学入門にちょうどいい本を紹介してみたいと思う。

まずは千葉雅也の『現代思想入門」である。

えっ、いきなり現代思想?今までの哲学を知らなくてもいいの?そういうのって順番通りにやらなくちゃいけないんじゃないの?

そう思っているから哲学に入門できない。まず読みやすい本から入っていくというのが鉄則である。この千葉雅也の『現代思想入門』は、とても読みやすい。そしてわからないことをわからないでいいとはっきり明言している。文章もシンプルで中身もシンプルである。そういう入門書を選ぶのが哲学入門の一歩目である。

だまされたと思って読んでみて欲しい。哲学入門と哲学史を知る事は全く別の話である。そこを区別しないとどの本を選んでいいか、どこから手をつけていいかわからないまま諦めてしまうと言う形になるのだ。

次にお勧めしたいのがアンドレ・コント=スポンヴィルの『哲学はこんなふうに』と言う本である

アンドレ・コント=スポンヴィルと言う人は、フランスの哲学者で新聞にもコラムを書くような哲学者だ。内容としてはちょっと難しいかもしれない。でもちょっとだ。僕たちは難しい小説読むときに難しい漢字を知らず知らずのうちに飛ばしていることがある。それと同様に哲学書だって難しい言葉を飛ばして良いのある。

そんなの読書じゃない、そんなふうに思う人もいるかもしれない。そういう生真面目さが哲学を遠ざける理由でもあるのだ。そんなに真面目に哲学書を読む必要は無い。そんなに言ったって、わからないものはわからない。もしそのわからなさが気持ち悪いんだったら、もっと真面目に勉強してみればいいんだよ。簡単な話しだ。

そんな時にあると便利なのが哲学用語辞典。高い哲学用語辞典を買う必要は無い。オススメなのは小池陽慈の『現代評論キーワード講義』。

もしくは中村雄二郎の『述語集』である。中村 雄二郎の『述語集』は古本で売っている。何なら哲学の入門を中村雄二郎の『述語集』から入ったってもいい位だ。

まずはこの4冊をクリアしてみてはどうだろうか?そこから疑問に思ったもの読んでいく、原典にあたるなど勉強の仕方が変わっていくだろう。それは哲学に対する態度も変わっていくと言うことである。

とにかくみんな哲学に対して真面目すぎる。もっと気楽に哲学に対して接してみて欲しい。そうすれば、あーこんなことが書いてあるんだとか、自分の疑問はこんなところにもあったんだって言うふうに身近に感じられるだろう。

哲学は意外と楽しいもんですよ。あんまり真面目にやると疲れちゃうから、楽しくやってみてください。もしこんなことが知りたいんだと言う疑問が既にある人は、ちょっとインターネットで調べてみてから、原典に当たってみると良いでしょう。それだけで哲学はもっと楽しくなります。

ちなみに買っちゃいけない本があります。それだけを伝えて、今回のエッセイを終りにしたいと思います。それは広松渉の『哲学入門一歩前』と言う本です。

とにかく難しい。どこが哲学入門なんだろうと思う位に難しい。マルクスの話がわからないと全くわからない位に難しい。この本だけは避けて今回お伝えした入門書を読んでみると、哲学も楽しく身近なものとしてあなたの生活の1部となるでしょう。

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