僕の妻は慢性疲労症候群

僕の妻は慢性疲労症候群という難病だ。

それに加えて、繊維筋痛症という病気も併発している。

杖を使って立っていられるのが、最高でおよそ5分。

そのあとは地面にへたり込んでしまう。

主な移動手段は電動車椅子。

その運転でさえ疲れてしまい、帰ってきたらベッドに直行である。

30歳を前にして発症したから、キャリアも捨てざるを得なかった。

僕の妻は慢性疲労症候群。

彼女の1日はベッドの上。

かろうじてトイレに這いつくばるようにして行くだけだ。

彼女の寝顔に、時に笑顔があらわれる。

そんな笑顔の後、起きるとこう言う。

「夢の中で歩きながらデートしたよ」

そして、涙ながらに僕に語りかける。

「なんでこんな身体になっちゃたのかな?」

僕の妻は慢性疲労症候群。

今は治療法も治療薬もない。

今も彼女は天井を見上げている。

さらに厄介なことに繊維筋痛症という病気も患っている。

全身に痛みが走る。

ガン患者と同じ痛み止め用の麻薬を使用している。

真夜中に彼女は訴える。

「痛くて痛くて眠れない」

僕にできるのは手を握ってあげることだけ。

彼女は慢性疲労症候群で、繊維筋痛症。

僕には助けてあげることができない。

ただ、側に居るだけ。

本人が一番苦しいのに、僕まで苦しくなってくる。

正直、逃げ出したい気持ちが溢れてくることもある。

それでも、ベッドの上で寝ている妻を置いてはいけない。

メリークリスマス、サンタさん。

彼女を病気から解き放っておくれ。

最高のプレゼントだよ。

みんなも健康でいてね。

あなたの健康が周りの人を幸せにするんだ。

サンタさん、いなくても良い。

ただ、外に出られない彼女にメリークリスマスと言っておくれ。

彼女の生きる勇気になるから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?