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廉価~ミッドレンジのアンプシミュレーターの音作り

0.前書き

 お久しぶりです、ラウドロックバンド、CRAZUSの作曲、ギター、コーラス、シャウト、ラップ、デザイン、ディレクション、マネージャーを担当している兼業バンドマンのTKsh(タケシ)と申します。
兼業バンドマンについては以前の記事をご参照くださいませ。

 昨今はMooerのGEシリーズをはじめ、HX Stomp、Nux、ZoomやBossから1万円台から10万以下の価格帯で様々なアンプシミュレーターが出揃っています。
かくいう私も以前はGE200、現在はGE250を核に構築してアンプを使わずにライブ~レコーディングをこなしております。

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 しかし、実機のアンプやKemperをはじめとするプロファイリングアンプと比べて『膜がある様に感じる』『音の広がりが違う』『奥行がない』と感じることもあると思います。
しかし、お金の問題や運搬の問題で中々上位機種に手を出せないのもまた事実。
そんな中、中価格帯のアンシュミに4年以上向き合って最近やっと完成したなと感じたので素人なりの努力を以下3項目にまとめさせていただきます。

1.どの順序で繋ぐのが一番生っぽいか確かめる
2.シミュレーターで潰れない様にする
3.信号を整理する

1.どの順序で繋ぐのが一番生っぽいか確かめる

 細かい話はさておき、アンシュミを使う場合の音の流れは以下のいずれかでしょう。
ギター⇒{アンプシミュレーター⇒キャビネットシミュレーター or IR⇒アウトプット}⇒DI⇒PA
ギター⇒{アンプシミュレーター⇒アウトプット}⇒アンプのリターン

 なるべく実機に近づけるとすると、アンシュミ⇒キャビシュミ or IR/アンシュミ⇒アウトプットを最短にした方がリアルなアンプの挙動に近い処理がされている気がします。
内部のプログラムはわかりませんが、試してきた結果そんな気がしています。笑
(単純なルーティングとみると、アンシュミを通った信号をエフェクトブロックに通してキャビシュミに回すことになるので、実機のSend/Returnとは違った挙動になっているのかもしれません。)
なので、空間系を掛けたいときは無理がない限りアンプブロックの前に置いたり、キャビシュミ/IRブロックの後ろに入れて調整しています。
※機種によって全然違うと思うので、こういう前提で試してみるとしっくりくるポジションがあるはずです。

 また、アンプのクリーンでも歪みでも音が薄いなと感じたら歪まない程度にODを掛けると気持ちリカバリーされたように感じますので、これも試してみてください。
ブーストしたい時はボリュームペダルで対応するか、別パッチで対応しましょう。

2.シミュレーターで潰れない様にする

 様々なYoutubeで原音重視のバッファを入れるとレベルが変わる!と言った動画を多々目にします。
確かに変わりました!が、これはデジタル特有のものに効いていると言うよりもギターの信号をリッチにした結果であって、いわゆるアンプの挙動らしさを加える/リアルっぽくするのとは少し違うアプローチに感じました。
(個人の感想です。)

 冒頭で出ていた『膜がある様に感じる』『音の広がりが違う』『奥行がない』の原因は、アンシュミを通ることでギターの信号にコンプ感が出る=平坦になってるんじゃないかと想像しました。
なので、アンプっぽい挙動をするプリアンプや、そこまで歪まずに音を厚くしてくれるブースターを嚙ませて解消できないか試した結果、効果抜群でした。

 主に試したのは以下4つです。
BANANANA effects:adtube(真空管プリアンプ)

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One Control:little green emphaser(トレブル/フルレンジブースター)

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One Control: Persian Green Screamer(TS系)

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Zahnrad:4000pre(プリアンプ/ブースター)

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 私は一番効果が一定だった(クリーン、クランチ、OD、DS、ハイゲインのどれでも使えた)4000preを採用して常時ONにしております。
OD/DSがメインならTS系、クリーンもバッチリ決めたい場合はadtubeの様に真空管搭載のプリアンプ/バッファ(Lee Custom AmplifierやBeyond等)が良いチョイスかと思います。

3.信号を整理する

 2ではアンシュミの前にエフェクターをかませましたが、逆に問題も発生します。
(チューナーでもワイヤレスでも、ギター直以外の場合に発生する問題です。)
アンシュミのインプットはハイインピーダンス入力が前提。
ギター直じゃない場合はインプットの段階で受けきれない情報量に増えてしまい、結果音の解像度が落ちるらしいです。

 そこで登場するのがインピーダンスコンバーターなるものです。
ザックリ言うと、ローインピーダンスの信号の情報量を保ったままハイインピーダンスにしてくれる機械です。仕組みはよくわかりません。
僕はコンバーター+位相も調整できるEVA電子の『HighGrade SoundStabilizerⅢ SSPH-HG2 30V Hi-Z』を使用しています。

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これを組み込むと馬鹿みたいに音が良くなります。
ここまでなるべく理論立ててきましたが、よくわかんないけどスゲー良い音になるんです。
金額的にはもう一つ安いアンシュミ買えちゃうんですけど、これを組んだ瞬間『もうKemperもAxeもいーらね。』ってなったので30万円弱節約したとも言えます。差額でギターが買えるので実質プラスです。

4.まとめ

1.どの順序で繋ぐのが一番生っぽいか確かめる
2.シミュレーターに入っても潰れない様に信号を厚くする/色を付ける
3.信号を整理して情報量を保持する
上記3手順で別物レベルに良い音が出せるようになりました。

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 時間もお金もかかりましたが、運搬が楽/箱に音を左右されない/実機より音色が多い。の3点を満足いく音質で担保できるのは最高です。

 素人の試行錯誤をここまで読んでくださった方に宣伝です。

僕が作曲とかギターとかを担当しているバンドのMV、良かったら観てください!
※こちらのレコーディング時は別システムで音を作っているので参考にはなりません。

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