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ドルトムント22-23シーズン総括

はじめに

どうも僕です。
いやーサボったね。今シーズンも。
実際サクッと雑感書いていくだけなら全試合分書けたんですが、ウケ的にも良くなかったので、どうしようか悩んでいるうちにシーズン終わってました。
そんな感じですが、変わらず応援していただけたり、していただけなかったりしてあげてください。
それではシーズン総括やっていきます。

テルジッチ政権

悪夢の様な90と数分間の後に、ジグナル・イドゥナ・パルクに何が残ったのかは、チームのみぞ知るといった所でしょうか。
決して楽な道程では無かった今シーズンですが、それでも不思議な運命力とも言えるサムシングに吸い寄せられる様に、ドルトムントは33節終了時点で首位に登り詰める事に成功しました。
直近でも最低の優勝争いだと囁かれたものの、それでもシャーレを掲げたチームが全て、ドイツで最も強いチームなのだと、ひたすら言い続けた22-23シーズン最終戦。
しかしマイスターシャーレは、目の前あと数センチ先の指先から悪戯の様に消え去りました。
ホームで自力優勝を狙える、そんな出来すぎたシナリオの中、最後の最後にガラスの靴は無惨にも折れ砕け、差し伸べる手すら見えないまま、魔法が解けたシンデレラがあったならこんな感じなのかなと。
ポエムはここら辺にして、今シーズンは前述の通り、監督としてチームを率いて半年のテルジッチの就任に始まり、選手のメンタリティ的にも、戦術の練度的にも、優勝を争うチームとしてはあまりにもお粗末過ぎたのは事実です。
何度海外のアカウントからチクチク言葉を受けたのか覚えていませんが、それくらい奇跡のシーズンというか、不思議なシーズンだったなと思いました。

細部を見ていけばシーズン序盤採用した4-2-3-1〜3-1-6-1ですが、これは結局SBのポジショニング含めて、中々守備力を高い水準でキープする事が大変だった事もあり、尽く勝てない試合が続いたのが現実でした。
主な要因としては3バック化の際ダフードorエズジャンが最終ラインや最終ライン手前を守らないといけないという、アジリティ含めたフィジカル的なキツさと、ズーレのフィットの遅れが同時に招いた結果だったなと。

欧州コンペティションで見れば、基本的には格上や、ボール保持を好むチームとのマッチアップが続いたので、4-1-4-1で試合を殺しながら進めるというスタイルに舵を切りやすい分、怪我人や離脱者が出ても、安定感はあったのかなと思います。

その後エムレ・ジャンをアンカーに据えた、4-3-3から3-1-6-1に可変するシステムで、遂に正解を引き当てた事もあり、攻守に安定感が出てきたチームは勝利を重ねる事に成功し、折り返し後の公式戦10連勝へと繋がりました。
特にジャンとエズジャンのポジションを1つずつ下げた3バック+アンカーシステムは、機能面で見てもシーズン序盤のフォーメーションよりも穴が無く、見ていて面白い試みだなと思いましたし、ヴォルフの序列がまた1st チョイスへ戻ったタイミングもここでしたね。
中盤がポジションを上げる都合上、SBにはプレッシングを回避する能力が必要になるので、タッチライン側にプレーエリアが広いヴォルフは、ムニエ以上に適任だったと思います。
それにプラスして、高低でプレーの幅を狭めない彼の能力の高さが際立つチームになったのかなと。
WGと入れ替わってみたり、中央へドリブルで入って、ボールの循環を助けながら逆サイドを活かしたり、元々の出身であるSHでの経験を活かした大外での役割と、後半の鍵となったポジションが2つもある、珍しいシステムだったかなと思います。

それでも基盤はシーズン序盤試合を落としてきた3バック+アンカーシステムなので、やはりカウンター守備に脆さを見せた分継続は難しかったのか、エズジャンの代わりに、攻守にタスクを振る事が出来るブラントが、中盤のポジションを手にしました。
これにより4-3-3の色が強くはなったものの、カムバックを果たしたアレ+マレン+アデイェミの強力な3トップを、ダイレクトに活かす方針へ自然に移行出来たのは奇跡だったなと。

懸念点と言えば、終盤4-3-3へと移行した事もあり、両SBの使い方を更に詰めたくなったという事でしょうか。
元々既存のSBは揃って幅を出して何かする人達なので、マレンはそれなりに適応力はありますが、アデイェミやギッテンスなんかがそこまで器用にポジションをクルクルする事に適してない以上、手持ち無沙汰感は高まるのかなと。
巷では Inverted Full back なんかが流行っていますが、ドルトムントはこの波に乗る日がくるのだろうか。
でもそんな半端な事したくない!と、ゲレイロを中盤で使っちゃうチームだし、現状引き出しとしては無さそうですね。

まとめ

PSMから結局やりたい事は一貫してやろうとしてた所に、テルジッチの意志の強さのようなモノを感じますが、それが1シーズン安定して機能するかどうかは別だよねという現実。
それでもそんなチームを救ったのが、エムレ・ジャンというのはちょっと予想出来ませんでした。
ただ終盤のボーフム戦でDFライン+ジャンと、アタッカー達の階層をロングボールで殴られたりと、目に見える大事故を起こしていないだけで、怪しい部分はまだまだ多く残るのも現実です。
最近のゲレイロも、WGの後ろをフワフワしながら機を見て大外に攻め上がっては、WGっぽくはなれんよ...って感じで攻撃が停止していたりするので、攻撃面でも全体的に物足りないなと感じるのが現状です。
しかしゲレイロを再び中盤で使うというアクセントの付け方は、リエルソンの便利屋感が生み出した副産物だとは思いますが、それで勝った試合もありますし、ゲレイロにとっても良いリフレッシュ期間だったかなと。
そのお陰かは分からないですが、契約延長の話まで出ましたし、テルジッチの使えるコマを増やす意識と、それに短期で順応するゲレイロの姿勢は素直に評価したいなと思う部分です。
それと個人的にコーベルのシーズン40失点以下達成を、密かに期待したシーズンだったのですが、そこがお預けなのも、後半戦得点数が欧州でもトップクラスの成績だったのも、ドルトムントらしいなと思いました。

さいごに

ただただ悔しい。これに尽きます。
長ったらしい言葉なんて必要ありません。(以下長文)
どう考えても優勝出来ました。
それでも優勝を逃してしまうドルトムントの負け犬根性というか、2位力というか...。
トゥヘル初年度の78ポイント、ファブレ初年度の76ポイントこのどちらでも優勝出来なかったチームに、菓子折り付きでやっと回ってきた絶好のチャンスだったのですが、ドルトムントがこれを拒否したと言っても過言では無いのかなと。
戦力は歴史を遡っても中々無い程の高品質。
しかし蓋を開ければ71ポイントフィニッシュという現実に、まだまだ来年もあるから!で済ませるのは、さすがに2位に慣れ過ぎているなと感じました。
バイエルンが今シーズンと同じ様に取りこぼし続けるのか、ここを一切考慮されていないのが、個人的にうーんと思ったポイントですね。
あたかもドルトムントが自分たちで作った優勝争いの様な世間の風潮は非常に危ないなと。
まあでも拗ねたって明日は来ますし、拗ねたってシャーレは貰えません。
なので我々は前を向いて再びチームを応援する事しか出来ませんし、チームもその熱量を感じとって、更にチームを強くする努力をして、新シーズンに臨むしか無いのです。
非常に失望の多かったシーズンですが、この経験が良い方向にチームを進めてくれる事を祈りたいです。

                                      〜完〜

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