原告記(仮)#60 「20190415*第1回期日㈡」

つづいて、
Eさんとりょーすけさん2人の意見陳述が行われた。

さすがのりょーすけさんも、このときばかりは、数日前から緊張していたはず。
弁護団のK先生からは、目安の文字数と、それをゆっくりめに話して5分程度に収まるイメージでと聞いていた。緊張すると人は早口になるので、とアドバイスがあった。

まずはEさんの意見陳述。
冒頭から、EさんCさん2人の日常の風景がゆったり丁寧に語られた。その臨場感はラジオドラマさながら、まるで春の小川のせせらぎの如し…ちょうどいいスピード感の声とともにあった、、、やっぱり。

じつはEさん、過去にアナウンサーの学校に行ってたとか?、そんな経歴があるらしいという話をりょーすけさんから聞いていた(正確なところは不明)。
「これは、お前も頑張らないと!」
りょーすけさんにそう言っていた…別に勝ち負けではないけれども、笑。

記憶では穏やかな印象だったEさんの意見陳述。2人の"ありふれた"毎日のエピソードがリアルだったからだろうか。
Eさんの陳述のなかで、この"ありふれた"という言葉が何度も繰り返されている。
同性愛者だからといって特別なことは何もないのだ。

3年経ったいま、Eさんのこの当時の陳述書を文面で見返してみると少し印象がちがった。おもいのほか、つよかった。
はじめから、確固たる思いで裁判に向き合っていたのがわかる。
ここが自分とは大違いで、心許ないままスタートして、裁判の過程でわかったことがたくさんある。

Eさんの意見陳述が終わって次、
スーツ姿のりょーすけさんが法廷に立つ。
このときの私は、参観日に子供を見守る親のような気持ちだった。

つづく

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