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【負の連鎖を断ち切れ】Jリーグ第21節 清水エスパルスvs.大分トリニータ

絶対に負けられない戦いだった。清水とは、ともに降格圏内を争うチームで、勝ち点3は持ち帰ることはできなくても勝ち点1でも死ぬ気でとらなければならなかった。だが、セットプレーでの失点が勝敗を分け、勝ち点1でもおとせない状況の中でおとしてしまった事実は重くのしかかり、チームは崖っぷちの状況だ。

試合結果

清水エスパルス1−0大分トリニータ
【得点者】
67‘原
【選手交代】
清水エスパルス
65‘カルリーニョス→西澤
84‘鈴木→ディサロ
89‘チアゴサンタナ→指宿

大分トリニータ
68‘小林成→渡邊
77‘刀根→伊佐
77‘上夷
88‘長谷川→ペレイラ

スタメン

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スタメンは上図の通り。
清水は前節から、2人入れ替え。3バックではなく4-4-2。チアゴサンタナとカルリーニョスの強力なタレントが並んだ。
対する大分は、3人入れ替え。出場停止の三竿にかわって入るのは上夷、そして、下田が怪我から復帰した。

拮抗

両者立ち上がりから堅い展開となった。
互いに相手の出方をうかがいながら、睨み合いの時間が続く。それは、片野坂監督にとっては、苦手とするロティーナ監督だからだろう。清水エスパルスも前半戦は大分に敗れ、ホームでは絶対に負けられないということもあって、ロティーナ監督は、入念に大分対策をおこなっていたように思える。

特に、守備時は片山を最終回ラインまで下げて5枚にする形を採用していたが、そこは臨機応変に対応していて、片山の出るでらないの判断が抜群で。大分が押し込んだ時は5枚にして、大分が自陣で、ビルドアップする時にはプレスをかけていて、流石はロティーナの申し子。サッカーIQ高すぎ君。

また、積極的に前からプレスは行わず、基本は5-3-2のような形で構える形。大分が、ボールを保持する時間は長かったが、ラストの部分はやはり崩せない、ロティーナ監督らしさ全開だった。

互いに、サイド攻撃からチャンスを生み出していて、ここ3試合得点のない大分にも、得点の匂いを微かに感じた。大分は、下田を最終ラインに下ろしながら、ビルドアップする形を採用。ここ最近のゲームでは、ボランチはおろさない形が多かったが、ビルドアップ能力に長けた三竿、坂不在ということを考えてのことかもしれない。

また、大分は、井上のクロスにも磨きがかかっていて。足の速さだけではなく、ピンポイントクロスまで習得すれば、大きなストロングポイントになり、シンプルに長沢をターゲットにはやい段階からクロスは狙っているように思えた。小林成には、身体のキレがあり、左足での惜しいシュートもあったが、権田のスーパーなセーブに阻まれてしまったが、あと少しでどこか覚醒しそうな予感すらある。

ただ、時折掴んだカウンターの局面では、相変わらずにスピードアップできずに、相手にセットされてしまうといういつもの光景。これは、意識の差なのか、監督の指示なのかどちらなのかは分からないが個人的には後者かなと。奪った時に、全体が全速力で押し上げるようなシーンはみられず、いつも前線の選手のみで完結させようとしていて。そこら辺は、おそらくリスクマネージメントのところでリスクをかけずに最小限の人数で得点を奪うという指示があるのかなと。

勿論、勝つためには人数かけてリスクをかけていくことも大事ではあるが、今のチームの状況をみれば、カウンターで奪われて失点というのは避けたいのだろうなと。当然、人数かけてリスクをとってでも、得点を奪いにいってほしいなとは個人的にみてて思うが、勝ち点1でもおとせない状況を考えれば仕方のないことかもしれないなと。

清水もサイドから起点にチアゴサンタナという強力なタレントにボールを集めてて。大分の守備は、今節はプレスは全くプレスをおこなわずに、5-4-1で構える形が基本形。中々攻めあぐねてはいたが、右サイドが強力で。
右サイドの片山、原のコンビが抜群で、大分は何度も崩されてしまう。片山がインサイドにポジションをとり、原が大外で上下動を繰り返す。原は東京五輪には選出されなかったが、サイドにダイナミズムをもたらし、大分を何度も危険な目に合わせたあのピンポイントなクロスはとても脅威だったなと。なぜ代表にえらばらなかったのが、疑問に思えるほど高いパフォーマンスを発揮していて、これからが益々楽しみな選手だなと。

また、左サイドのカルリーニョスは怪我から復帰したばかりということもあって、まだまだ本調子ではなかったように思える。奥井もどちらかというと守備の選手なので、清水は右サイドから起点を作る形が多かった。

前半は、互いに睨みあいながらも、サイドを起点に決定機をつくっていてたが、両者献身的な守備が光り、スコアレスドローで折り返したものの、セットプレーから先制を奪われてしまった大分。
ロティーナ監督のチームに先制されると塩漬けにされてしまうのは痛いほどわかっている。大分は、同点に追いつくべく、伊佐と長沢の2枚を並べ、4-4-2へと変更した。大分は、2トップにボールを集め、パワープレーで押し切ろうとするも、追いつく事なく試合終了の笛はなった。

やはり、後半終盤での伊佐の投入はチームを活性化させるなと。あとは、結果がほしい。

終わりに

3試合勝ちなしと負の連鎖が続く中で、次節は好調の浦和との対戦だ。
柏レイソルから呉屋の獲得を発表し、待望のストライカーがきた。起用ができるのは、7月16日以降とはなるが、降格圏に沈むチームにきっと大きなパワーを与えてくれるだろう。

厳しい戦いが続くが、大分トリニータはこの負の連鎖を断ち切れることができるのだろうか。

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