若者の音楽
はじめに
#2000字のドラマ 書いてみます。私のことを知ってる人は、恥ずかしいので読まないでください。
あらすじ
平日の夕方、高一の加奈子(15才)は学校から家に帰って、母親(40才)と祖父(70才)と一緒に夕食を食べ始めた。2020年代(今)、1990年代、1960年代、それぞれ10代のときの音楽の聴き方について話す。
本文
母「今日、学校でなんかあった?」
加奈子「んー、特にないかな。友達おすすめの曲を教えてもらったとか、それくらいかな。」
母「へー、誰の曲?」
加奈子「米津玄師。知ってる? あとでユーチューブで聞いてみる。」
母「あー、去年、紅白出てた人ね。まぁでも、最近はスマホで簡単に音楽聴けるからいいわね。」
加奈子「うん。お母さんが高校生の時って、どうやって音楽聴いてたの? CD?」
母「もちろんCDだよ。」
娘「友達とCDの貸し借りとかしてたの?」
母「してたよ。CDショップで新しいアルバムを買って、友達に貸したりとか、逆に貸してもらったりとか。ジュディマリとか友達から借りてハマったなぁ。 多分、『そばかす』は加奈子も聴いたことあると思うんだけど。ない?JUDY AND MARY、ジュディマリ。」
加奈子「わかんない(笑)」
母「ああいう、学校でのCDの貸し借りって、今思うと青春だったわ〜。20代くらいだとMDっていうのが出てきて、バックの中がかさばらなくなったんだよね。」
加奈子「何それ・・・」
母「もう今売ってるの見た事ないけど、4センチくらいのカードみたいやつ。専用の機械使えば、CDからMDに音楽をコピーできるんだよ。だからレンタルショップでCD借りて、MDに入れて、MDウォークマンで歩きながら聴くっていう感じ。」
加奈子「(ウォークマン???)」
母「CDより小さいから、貸し借りも楽だったんだよね。好きな曲だけ入れたMD作ったりしたなぁ。JUDY AND MARY マイベストとか。」
加奈子「そういうのいいね。」
母「バレンタインデイの時に、チョコと一緒にラブソング入ったMDも送ったことあるわよ。」
加奈子「やば(笑)。成功したの?」
母「その相手がお父さんなんだよ(笑)。大学の時の話。あとでお父さんが帰ってきたら聞いてみたら?恥ずかしがると思うけど(笑)」
加奈子「絶対聞く(笑)。」
加奈子「おじいちゃんが若い時は、音楽ってあったの?」
母「そりゃあるわよ(笑)」
祖父「10代のときはまだCDがなかったから、レコード買ってたね。」
加奈子「レコードって何??」
祖父「黒い円盤みたいなやつで、針を落として聴くんだよ。」
加奈子「あ、それ、深夜のテレビでみたことあるかも。あれって専用の機械が必要なの?」
祖父「そうだよ。レコードプレーヤー って言うんだ。アンプとスピーカーも必要だけどね。」
加奈子「レコード聴く機械って、みんな持ってたの?」
祖父「俺は親から買ってもらったけど、周りの友達で持ってる人は少なかったなぁ。だから、家によく友達が来て、一緒に聞いてたよ。」
加奈子「その時は何をよく聞いてたの?」
祖父「美空ひばりとか石原裕次郎とか言っても、お母さんには通じると思うけど、加奈子にはなぁ... でも、ビートルズとか聴いたことあるんじゃない? 」
加奈子「ビートルズわかる! 音楽の授業で歌ったことあるよ。アイセイハロー、ユーセイハロー、みたいな。」
母「美空ひばりは子供の時に確か亡くなったよね。」
祖父「おじいちゃんの自慢は、ビートルズが日本に来た時に、それを見に行ったことだよ。」
娘「え、それすごい!」
母「(その話、子供の時に耳にタコができるくらい聞いたわ)」
祖父「ライブには、亡くなったお婆ちゃんと一緒に行ったんだよ。武道館。そのときの演奏は今でも鮮明に覚えてるなぁ。20才くらいで解散したから、ビートルズは本当に10代の青春だったよ。」
母「(話長くなるから、話題戻さなきゃ。次、ビートルズのコピーバンド作った話になる。)そういうのをレコードで聞いてたの? お爺ちゃんは。」
祖父「そうだよ。貸し借りはあまり自分の場合はしなかったかな。レコードは傷つきやすいし、友達に貸したくなかったんだよ。レコード高かったしね。」
母「そういうトラブルは自分もあったなぁ。CDに傷が入って返ってきたときの気持ち。。。文句も言えないし。。。」
加奈子「そういうの聞くと、今の時代は便利でいいよね。簡単にネットで聴けるし。YouTubeとかTikTokで流行の曲、すぐに知ることができるよ。」
母「そりゃそうだけど、当時は当時で楽しかったわよ。友達から借りたときの思い出とか、いま振り返ってもいいもんだよ。それで仲良くなった友達もいたよ。」
祖父「あとは、一枚のアルバムを時間をかけて聴いてたから、思い入れは今より強いかもね。」
加奈子「確かにそれはそうかも。思い出のアルバムって言われても、自分の場合ないなぁ。」
母「若者の音楽離れっていうしね。まぁちょっと話すのはそこそこにして、夕飯を食べましょう!」
加奈子「はーい。」
祖父「うむ。(もっと話したかった。)」
おわりに
ソニー・ミュージックとTikTokがプロジェクトに関わってるということで、共通項である音楽をテーマに脚本を作ってみました。三世代の「音楽の日常」、つまり3つの時代(今、1990年代、1960年代)で若者が音楽をどのように聞いてきたのかについて焦点を当てることで、今の音楽のあり方に問いを与えようと思いました。
また、配慮(というより忖度)として、ソニーミュージック所属のJUDY AND MARYを選びました。
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