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【ベスト4敗退国】曖昧な記憶で振り返るカタールW杯2022

ついにここまできた!

ベスト8はこちら!!

クロアチア

前回大会で決勝まで進んだクロアチアですが、今回はベスト4で力尽きました。それでも、持ってる力にしては最大限の結果だったんじゃないでしょうか。一言で表現すると「のらりくらり」。グループリーグではカナダをボコった以外はモロッコ&ベルギーにスコアレスドロー。ベスト16では日本に先制されるも平然と試合を進めて同点に追いつき、そのまま膠着させてPK決着。ブラジル相手にも圧倒的に攻められながらも平然と試合を進めて、いったんはネイマールに延長で先制点を許すもよく説明しがたいカウンターから同点、そしてPK戦を制しました。GKリバコビッチはPK止めまくっててすごかったです。アルゼンチン戦でも先制されるまでは本当にずっとシャドーボクシングみたいなサッカーをやっていましたが、先制されて2点目を取られると崩壊。ほぼほぼ同じスタメンでずっと来てたので、跳ね返す体力もなく、メッシにスーペルアシストをされて終了しました。なんというか、得体の知れないチームでしたね。確かにモドリッチ大尉、奇人ブロゾビッチ、舎弟コバチッチの中盤は最高クラスでいくらでもボールを保持できるのですが、危ないなと思ったら平気でボールを捨てる潔さもありました。それができるのもグバルディオルと5Gを受信しているロブレンという強力な対人CBがいるからこそなのですが、それにしても割り切りがすごいですよね。前線に電柱がいるわけでもないのでロングボール蹴ったらたいてい跳ね返されるんですが、適当に蹴ってくるわけですよ。それでもこぼれ球をモドリッチが拾ったり、コバチッチとブロゾビッチがうやむやのうちにボールを奪ったりして、試合がそれなりに成立するんですよね。攻撃もまともな攻撃なんてペリシッチとユラノビッチのサイドアタックくらいしかないんですけど、これがけっこう効く。たぶん欧州的なセオリーから行ったら「弱いチーム」になるんでしょうけど、欧州セオリーから外れてる分、他のチームのやり方に対応できたんじゃないかという気がします。サッカーチームというよりも、どちらかというと反政府ゲリラに近い。損耗率50%を超えても進軍を指示するモドリッチ大尉。留守をペリシッチに任せたらすぐ裏切られます。ただ、それを成立させていた要因として、エスパー並のこぼれ球予測能力を持つモドリッチのゲーム支配力にかなり依存していたわけで、随所にスーパーな能力を見せたものの、さすがに今大会ではそれも多少の衰えは感じました。モドリッチはおそらくこれが最後のW杯となるだろうし、ダリッチ監督はアイデアのあるタイプでもないっぽいんで、ビッグな大会で上位を狙うのは、しばらくは中々難しくなってくるかもしれませんね。

・気になった選手 ヨシュコ・グバルディオル
昨年のEUROでは左SBとして躍動していましたが、今大会は紛れもない守備の中心としてCBに君臨しました。強い、速い、上手いの3拍子に加えて、油断がないという4拍子揃いの20歳で、本当に恐ろしい選手です。日本戦では後半途中から出場した浅野がたびたびタイマンを挑んでいましたが、ぐうの音も出ないほど毎回完璧に抑え込まれて、全敗を喫していました。今のグバルディオルなら、モドリッチの老化さえも止められるんじゃないでしょうか。守備だけでなく、自慢の3センターがマークされるとするすると持ち上がり、前線に綺麗なパスも出して、攻撃面でもかなり有能。こりゃあ、ジェフユナイテッド千葉で夢を叶えて欲しいと思いましたが、現在の移籍金は130億円だそうで、そっと私はライプツィヒ宛ての手紙をごみ箱に捨てました。そんなグバルディオルですが、ベスト4ではメッシに見事に抜き去られて、失点の原因となりました。史上最高の選手によるレッスンは、料金は高かったですが、いい勉強になったんではないでしょうか。ただ、世界トップ5に入るのは時間の問題でしょうね。ライプツィヒからは早々にいなくなると思うのですが、バイエルンあたりなんですかね。シティあたりに行って「これなら1人で守れるんじゃね?」ってグアルディオラ監督が狂って、1バックシステムとかやらされて欲しいです。

ロブレンから陰謀論を聞くよりも100倍勉強になった実地研修

モロッコ

今大会最大のサプライズチームは、ベスト4で勇敢に散っていきました。モロッコといえば性転換、と一定年齢以上のおっさんたちには刷り込まれているのですが、性転換以上のサプライズを起こしましたね。グループリーグでベルギー、カナダを屠って首位通過もサプライズでしたが、そこから先はまさに快進撃。スペインをPK戦で撃破し、ユセフ・エン・”フライング・モロッコマン”・ネシリのヘッドを叩き込んでポルトガルを90分で仕留めました。フランス相手にはさすがに力負けしましたが、それでもあわやのチャンスを何度も作っていて、多少の運があったにせよ、確かな実力を持ったベスト4に相応しいチームでしたね。チームの快進撃を支えたのは堅固な守備。キャプテンのCBサイスを中心に、ほとんどのケースで1対1で負けることはなく、スター選手であるツィエクやハキミ、マズラウィも必死で守備をすることで穴を一切作らせませんでした。キーパーのボノも素晴らしい反応を連発。大会前にハリルが仕込んだ守備が生きたと思うのですが、そのままハリルでいってここまでうまくいったとは思えないので、難しいもんですな。ハリルで締めて、後任で緩める、というハリルギプス・メソッドの有効例がまた1つ積み上がってしまいました。ただ、直前での監督交代を受けて就任した、めっちゃ見た目をグアルディオラに寄せてるレグラギ監督はいい仕事をしたと思います。また、守備だけでなく、個々人の技術もしっかりしていて、奪った後に普通に繋げるのがいいですよね。その中心にいるソフィアン・危ないところに・アムラバトはほんとにうまいし、兄貴のノルディン・アムラバトにそっくりなんですが、相棒のウナイも普通にうまくて、どこに所属してるんだろうと思ったらフランスのアンジェでした。早々にステップアップしそうですが、いったんジェフユナイテッド千葉で夢を叶えるという選択肢を忘れてほしくはないですね。普通に次も強いと思います。堅固な守備、圧倒的ではないけど威力のある攻撃ということで、日本はモロッコを目指すべきだというような話もちょろっと目にしましたが、どうなんですかね、これ真似できるんですかね。やはりアムラバトのポジションが肝だと思うので、まずは遠藤が頭を剃り上げてスキンヘッドにするところから始めてはどうでしょうか。それか前田大然をボランチにするという手もあります。まずは内容よりも見た目からです。新監督もしくは森保さんもモロッコのグアルディオラに寄せていきましょう。

・気になった選手 アシュラフ・ハキミ
いやー、めっちゃいい選手ですね。今さらですけど。とにかくいるだけで右サイドを制圧できるのは大きいです。活動量が多くて馬力があるので、カバーできる範囲が非常に広く、頻繁に攻撃に絡んでいけます。特にフランス戦では対面のエムバペが守備免除なので、ツィエクと組んでがんがんに右サイドを攻め立て、さすがに危ないと思ったデシャンがエムバペを真ん中に戻してテュラム息子をサイドに入れるまでは完全に右サイドをぶっ壊していました。攻めは前の選手にお任せで行けるPSGで機能してるのかどうかは定かではありませんが、こういうスペシャルな選手が1人サイドにいると、チームの幅がぐっと広がりますよね。ポルトガル戦でカンセロとマッチアップしたらどうなるのかを見てみたかったですし、オランダで逆サイドですけど同系統のドゥムフリースと延々と機動モビルスーツ対決をして欲しかったです。あと、顔もめちゃくちゃいいですね。柔道部顔。袖釣り込み腰顔。天理大学の次鋒とかで出てきそうです。そういえば、今年PSGが来日した際には柔道体験をしたはずですが、ハキミは参加していませんでした。ぜひ次に日本に来た際には武道館で跳び関節を体得していただき、ここぞという時に繰り出してアルゼンチンのパレデスから1本を取ってもらいたいものです。たぶんマテウ・ラオス主審ならレッドは出ないと思います。

本家に寄せてるなー!!!

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