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【昇格、それは】2023ジェフユナイテッド千葉選手別最終報告アタッカー&監督&GM編【愛】

さあ、後半です。小林監督の留任も決定し、継続路線が確定しましたね。まあほぼ確定ではあったと思いますが、「よし、これでベースはできたから次はクラモフスキーで!」と絶対にやらないとは言い切れないため、ともかく決まってよかったです。それも踏まえた上で、来年を考えていきましょう。

ところで、このnoteは「ジェフ千葉 Advent Calendar 2023」というイベントの先陣を切る記事です。「ジェフ千葉 Advent Calendar」は毎年12月に開かれていて、1か月間毎日ジェフ千葉の記事が読める夢の企画です。他の記事も面白い(たぶん)ので、ぜひ読んでみてくださいな。どうですか、クラクラする面子でしょう。

前編はこちら!


攻撃的MF

風間宏矢

ミスターリンクマンはシーズンを通して重要なピースとして攻撃を組み立て続けました。攻撃時には特に右インサイドハーフ的な位置で、田中和樹とコンビネーションを確立。圧倒的なスピードを持つ田中を飼い犬のごとく走らせて、相手左サイドの裏を取らせ続けました。また、小森が裏を狙うことで空いたバイタルでのボール受けを得意としているので、そこからのミドルシュートがけっこう入って4得点。そんなに点とれるんだ、とびっくりしました。守備もそれほど得意ではないはずですが、なんとか役割をこなしていて、アップテンポのゲームに埋没せずに機能しましたね。ハイプレと風間家とかめちゃくちゃ相性悪そうな気がしましたが、そうでもなかったです。ただ、よくも悪くもチーム状況に大きくパフォーマンスが左右するタイプなので、プレーオフみたいな舞台でソリッドなチームに消されるとなかなかいいところは出ないですな。ここにもう1人クオリティの高い外国籍選手が来ると、さらにチームは強くなりそう。ただ、そんなバルミューダの上位機種みたいなのも取ってこれそうにないので、来年も残る感じがします。

全体的にあふれるいい奴感。

田中和樹

開幕戦で謎の足裏タックル一発退場(たぶん雨で滑った)をして、私の頭の中を?マークでいっぱいにしてくれましたが、最終的にはチームの縦への推進力を一手に担う暴走機関車へと成長しました。とにかく足が速くても序盤はその活かし方をイマイチ誰もわからなかったのですが、途中から「とにかく裏に走らせとけば勝つ」「イーブンでも前に出しとけば先に追いつく」「犬にフリスビーを投げる要領で」というのがわかってきてからは、パフォーマンスが一気に向上。せーので上げるクロスも、合わせる方がなんとかするという感じで攻撃の大きな武器に成長しました。もちろんハイプレスも戻りの守備にもそのスピードを大活用。サイドハーフとして平均75分から80分の間、ひたすら鬼のように走り回るのはハイプレスのチームとしては非常に助かりました。ただ、もちろんまだまだ足りないところは多く、クロスももうちょいなんとかならんかだし、ロングスローはゆるふわすぎるし、あと金髪が地方のヤンキーすぎるという欠点もあります。また、シュートが絶妙に下手で、チャンスの割には得点がたった2点と抜群のぬか喜びストライカーの素質を見せており、そこが入ってくると相手にとっては手の付けられない選手になる可能性もありますが、まあ入らないんだよなこれが。京都からのレンタルなので来年いるかどうかは全く不明ですし、やれることなら本人もJ1でやりたいことでしょう。でもただ走ってるだけでなんか面白いので、残ってくれたらいいなあ。

一発で決めないぬか喜びストライカーの宿命

ドゥドゥ

こんなに活躍するとは、鈴木GMでさえも思ってなかったんではないでしょか。「ブラジル人がいない」「ブラジル人が欲しい」「陽気なサンバでライドンタイム」としきりに言われ続けたのか知りませんが、急に今治から来ました。長年Jリーグに所属していますが、33歳ということもあって順調にカテゴリーを落としてる感もあって、大丈夫かよとみなが思ったことでしょう。まさかこのチームのラストピースになるとは思いませんでした。ブラジル人らしいボールタッチと、一目でおっちょこちょいだなとわかるトンチキドリブルで相手をひきつけて周りを生かすクレバーさ、守備に走り回る献身性などの特徴は、イマイチ定まらなかった左サイドにピンポイントでどハマり。それに加えて16試合で7得点という素晴らしい結果も残し、近年稀に見る大成功途中補強と言えるでしょう。去年、怪我上がりのリカルド・ロペスを買ってきてひたすらリハビリさせてたのと同じ人が獲得したとは思えません。あと、キャラもいいですね。近年「お前ほんとにブラジル人かよ?練馬生まれだろ?」みたいな真面目系が増えましたが、ドゥドゥはとにかく陽キャですし、ちょっと接触があったらゴロゴロ転がるし、模範的ブラジル人してて最高です。死んで幽霊として出てきても、たぶん陽気にリフティングしてると思います。ただいかんせん来年34歳になり、今年もガス欠の時間帯が早かったこともあり、同じように活躍できるかどうかはわかりません。ドゥドゥは残しても、さらなる助っ人補強が望まれますね。超絶ブラジル人なんかなぼあってもええですからね。

水戸の安藤瑞季謎の退場についてドゥドゥが水戸の選手に説明して納得させてるのめちゃおもろい

椿直起

シーズン半ばまでは左サイドのレギュラーかと思いましたが、ドゥドゥの加入と同時期にポジションを失い、そのまま後半はベンチ外生活となりました。最終盤には戻ってきてジョーカーになりましたが。怪我だったんでしょうか? しかし、たとえ健康でも、同じドリブルタコ踊り属性だったら、適度なところでボールを離すドゥドゥの方が、オールナイトダンシング椿よりも優先されるのは仕方ありません。最終盤でジョーカー投入されたときもドリブラー特有の「目的地が見えない」症候群に罹患している感もあり、カオスは起こせても点にならんというパルプンテ要員っぽくもありました。ドリブルでの推進力は一騎駆けできるし、とにかく一人は外せるので、ぜひゴールという目的地を見失わずにがんばってただきたいものです。このままでは「目の前の敵全部抜く」というドリブル地獄道に陥ってしまいます。しかし、左サイドでひたすらドリブルジャンキーしてるのもそれはそれで見ていて楽しいので、1試合のうちに何度かはそれをやって相手を愚弄した上で削られてください。ボールの上に乗るとか、オススメです。

今セルビアリーグで大活躍して二桁得点ってマジなのかよ、サウダーニャ!!

米倉恒貴

終盤に出てきて決定的な仕事をするという最終決戦兵器彼女に謎の進化を遂げた米倉ですが、シーズンを通してダイナイマイト・ガイとして投入をされ、結果を出しました。ほぼ途中出場のみで5点は立派。プレーオフ前に怪我をして、戻ってはきましたが、さすがにちょっと体のキレがなさそうでした。終盤に投入されたらなんでも起こせそうな「代打の神様」的な雰囲気がありますし、実際に結果を出しているので、今後もよろしくお願いします。来年あたりには、敵の捕虜になっても独力で逃げ出して本部を爆破し、途中で敵司令官の首も取ってきてくれると思います。しかし、米倉も来年は36歳ですか。米倉が現役のうちになんとかしたいものですな。佐藤勇人のときも同じことを言っていたような気がしますが。

来年の米倉予想図(下は西久保)

末吉塁

あんまり出番ないけど後半期待!とか言ってたら、岡山に移籍しました。岡山では主力で使われてたようでなにより。たぶん片道ですな。がんばっていただきたい。

福満隆貴

こちらもあまり出番がなかったのですが、終盤には貴重なジョーカーとして活躍。バーサーカー気味にイケイケどんどんで前掛かりする面子の中で、冷静にポジショニングを取って攻撃に絡む姿は印象的でした。プレーオフでも小森の得点を絶妙のパスでアシストして、千葉での仕事はコンプリートというところでしょう。千葉からの退団は決定しているのですが、WBをやったり、いろんな役割をしてくれてありがとうございました。次でもがんばって。

高木俊幸

怪我から復帰して後半はちょいちょい出ていましたが、今年はがっつりサブポジションという感じになりました。連勝期間中はクローザー気味の仕事を全うしましたが、0得点でちょっとインパクトを残せませんでしたね。いつの間にか離婚して再婚してたことがめちゃくちゃ印象に残った一年でした。

新明龍太

今年中盤には何度か先発するなど、着実に進歩している感じが見受けられました。わちゃわちゃと前へ推進していくのが見ていてちょっと楽しいです。初ゴールも決めたし、来年はもっとブレイクしたいですな。

西堂久俊

育成型期限付き移籍でFC東京から来た選手ですが、終盤に4試合途中出場。初出場した東京V戦で2-0からの大逆転劇を食らって、華々しいプロの洗礼を浴びました。やられたのが東京Vってのも、FC東京所属としては奇遇ですな。実力が測れるほどの時間も見てないので、なんともかんとも。来年戻るのでしょうけど、がんばっていただきたい。

FW

小森飛絢

今年の新加入にして大エースとなった、近年稀に見る当たり新人となりました。33試合13得点は大卒新人としてはこれ以上望むべくもない記録で、間違いなくエースと呼べるでしょう。ゴール前での冷静さが光りますよね。プレーオフの東京V戦でも、唐突に来たチャンスボールをいきなり撃つのではなく、キックフェイントで抜いてからシュートを決めていて、これは並大抵のシュートフィーリングじゃできないよな、と。ただ、小森の素晴らしいところは得点だけではないところ。まずフィジカル能力が高い。強いし、速い。それだけでなく、一番いいのはアバウトなボールでもなんとなくDFと競りながらボールをキープしてしまう技術があること。球離れも非常によい。これによって周りがどれだけ助かっていることでしょうか。守備にも献身的に走り回るし、文句のつけようがありません。これだけやってくれれば、多少後輩を裸で逆立ちさせていても許しそうになってしまいますが、安心でも楽しくもないのでダメです。リーグ戦終盤には呉屋で疲れさせて小森でトドメを刺すというタンデム方式を採用していましたが、これだけのエースであれば正攻法で頭から行った方がよかったような気もします。さて、ここまでべた褒めですが、そうなるともうJ1の魔の手が迫ってくるんですよね。何バ大阪とか、浦和何ッズとか横浜何マリノスなんかは手ぐすねを引いて狙っているかと思いますが、こちらとしてはもうそれを止める術はありません。大卒新人には上を目指すにはグズグズしている時間が残されていないですしね。残って欲しいのはやまやまですが、自分にとってベストな選択をして欲しいものです。何トトロイデンでも、何ユナイテッド・千葉でもいいと思います。

この冷静さは”暗殺者”

呉屋大翔

乗り切れないままシーズンが終わってしまいました。「実家に落とし穴」「真夏に鍋焼きうどん」「公務員だった兄がYoutuberに」並の脈絡のないゴールを叩き込んできた呉屋でしたが、今シーズンは5ゴールと不発。序盤戦で鬼のように訪れたチャンスを全部外したのが、調子を狂わせる原因だったかもしれません。プレーオフで訪れた絶好機も完全にGKマテウスにシュートコースを消されていたとは言え、全盛期の脈絡のなさであればマテウスごとゴールに蹴り込んでいたはず。ただ、今年はゴール以外での仕事が前よりもずいぶんできるようになった印象です。小森ほどの確度は期待できないですが、ポストプレーもやりますし、前線からの守備も頑張りました。その結果5枚もイエロー貰ってますが、まあ仕方ないでしょう。長崎のフアンマは11枚もらってますし、許容範囲内です。来年こそは、脈絡のないゴールを30点くらい叩き込んでほしいものです。世界脈絡ないストライカー協会会長としては、切に願っております。世界脈絡ないストライカー協会の現所属選手は、浅野拓磨、ヴェグホルスト、ホセ・カンテなどです。

マテウスうまいけど、これは決めてくれええええええ

ブワニカ啓太

小森不在時にドロドロの前線バトルをしておりましたが、水戸に期限付き移籍。30節から移籍したので、9試合出場はまずまずの記録と言うべきでしょうか。水戸に行ってから一度も映像を見てないのでどうなんでしょうか。テュラムの息子みたいな感じにパワーアップしてて欲しいものです。

監督

小林慶行

前半総括では成績も内容もかなり乏しかったため、けっこう厳しめの感想となりましたが、あそこからここまで盛り返せるとは一つも思っていませんでした。お見事というほかはありません。今年は、序盤ハイプレスで止まらぬ失点→いったんラインを下げて落ち着く→苦しみながらも守備と強度を整備していってゴリゴリハイプレスに回帰で爆連勝→最終的にプレーオフ突撃で爆死という流れでした。クビになってもおかしくなかった状況でも腹を括ってやろうとすることを貫いたのは、さすが李国秀門下といったところでしょうか。守備やビルドアップを丹念に積み上げていった根気強さもあり、ドゥドゥなどの新戦力の組み込み高橋や見木をコンバートした機転は、偶然もあったにせよハマりましたね。やってることはハイプレスなので、下手をすれば「和製エスナイデル」「白米があるエスナイデル」「遅れてきたエスナイデル」となりかねないところを、結果でねじ伏せました。サポ受けも上々です。契約も延長したということで、来年もがんばっていただきたいものです。ただ、懸念点はけっこうあります。まず、離脱者。昨今は平気でJ1のクラブが獲得するので、J2で1年積み上げたので次の年に勝負!というムーブが中々取りづらくなっています。先述しましたが、小森、見木、日高、佐々木(あとレンタルバックの田中)など明らかに狙われてる感のある中心選手が複数いるため、最悪1からのリスタートになることも考えられるでしょう。また、今回は勢いと理想のハイプレス90分1本勝負で行きましたが、最終盤には対策をされている状態でした。さすがにハイテンポ一本やりで昇格まで行けるとは考えづらいので、対策された際の手段(特に攻撃面)でどうするかというのは考えていかざるを得ないでしょう。それでも「ハイテンションで行く!新世界の神になる!!」と貫くのも一つの考え方ですが、かなりの強度を必要とするため、それがなくなるとエスナイデル一直線の可能性は高くなりますね。ともかく、今年は久々にプレーオフにも入れて、面白いシーズンを経験させてもらいました。2年目以降のほうが大変でしょうが、期待して見守りたいです。顔は日に日にイチロー成分が増しています。

GM

鈴木健仁

開幕外国籍FWゼロ!GM働かんかい!という流れだったのですが、先発に据えた小森が瞬く間にエースとして君臨。いわきから獲得した日高、京都からレンタルした田中が主力となり、そして途中獲得したドゥドゥが予想を覆す大活躍。今年は一時下位に低迷する状態になりながらも我慢強く小林監督を信頼し、それが終盤の連勝からのプレーオフ獲得に繋がりました。チェルシーだったら3回監督変わっていると思います。そこを我慢できた(動けなかった?)のは、非常によかったのではないでしょうか。久々のプレーオフという結果だけ見ればGM有能となるのですが、去年の謎リカルド・ロペスや謎サウダーニャのムーブを見ているといまいち釈然としない気持ちにもなります。開幕から明らかにCBの頭数が足りないのに補強できなかったこと、外国籍選手を開幕から用意できなかったことが、自動昇格に届かなかった要因の1つかもしれません。ただ、それがあったとしても、今年に関してはリカバリーを含めてすごくよかったと思いますね。そんな常に200点の仕事はできないわけですし。来年は主力が抜けることが予想されるので、それを見越して自動昇格を目指せるような陣容を用意してほしいものです。具体的に言えばハで始まってドで終わるFWとか、ベで始まってムで終わるイングランド人MFとかが欲しいですね。昔、鳥取とかにいたハメドとベッカムが来たら笑います。


それでは今年もお疲れさまでした!来年もジェフユナっていきましょう!!!

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