見出し画像

とにかく全員悪いスーパーヒーロードラマ『THE BOYS』登場人物紹介

Amzon primeでシーズン2まで放送されている『THE BOYS』をもう見たでしょうか?

基本的なストーリーとしてはアメリカを守る「セブン」というスーパーヒーロー集団がいるのですが、それが全然聖人じゃなくて私利私欲にまみれた悪い奴らばかり。そのセブンを憎む者たちで構成されたただの人間集団「ボーイズ」VSセブンという構図の物語です。

このドラマの何が面白いってひどすぎることですね。スーパーヒーローなので常人離れした能力がある。普通のスーパーヒーローものだったら正義のために悪との戦いにそれを使うわけなんですが、めちゃくちゃ自分の欲望に使いまくってるわけですよ。「もしスーパーヒーローがその能力を悪いことに使ったら?」と、誰でも一度は考えることを映像化したのがこの『ザ・ボーイズ』なんです。その意味でアンチ・スーパーヒーロードラマであり、逆に言えばスーパーヒーローという存在自体をここまで考え抜いたスーパーヒーロー大好き映画でもあるでしょう。

そんなひどい作品をぜひみんなに見てほしい!そう思いまして、主要人物の紹介をしたいと思います。シーズン2までで、見始めたら最後まで一気見してしまうんではないでしょうか。ただ、グロ描写は多数あるので、そこらへんはご自身でご判断ください。では、多少ネタバレありでいってみましょう!

ホームランダー

画像12

もう間違いなくスーパーマンをモチーフにしているセブンの中心人物。マントとかそのままやんけ。この物語の悪役であり、もう1人の主人公です。目からビーム出したり空を飛んだりと、さすがに能力が強めです。しかし、特筆すべきはその底意地の悪さ。「うざいから」くらいの理由で見えないところで普通の人を殺したり、セブンの仲間を脅迫したり、スーパーヒーロー養成ドラッグのコンパウンドVを横流ししたり、飛行機の乗客を見殺しにしたりします。とにかく自分の欲のためには他人を冷徹に犠牲にしていくのですが、頭が悪くないのでボロを出さない。どうですか、この貼り付けたような笑顔。オフィシャルな場では爽やかに笑い、陰ではどす黒く笑うという現代アメリカの建前と本音を背負う象徴のようなスーパーヒーローです。ただ、完璧超人としてのアメリカに陰りが見えてることがホームランダーの苦悩に反映されているようにも見えて、一概には嫌いにはなれません。あと、ママンの愛情に飢えていることで、母乳をちゅぱちゅぱ飲みまくって、その姿がハチャメチャにキモいのでオススメです。演じているアントニー・スターという俳優の方、全然知らなかったのだけど、神経質で独善的なホームランダーを演じるのにぴったりという感じです。

画像4

いい笑顔しますなー

スターライト

画像2

シーズン1当初にセブンに加入した若手女性能力者。元ネタはだれなんでしょうか?アホみたいな衣装を着せられて、お色気担当をさせられています。加入当初にセブンの先輩であるディープに「なあ、セブンでうまくやりたいんならわかってるんだろ?」とフェラさせられるというひどい演出をされることで、このドラマがどういうものであるかを一発で我々にわからせてくれました。自分が生まれながらの能力者ではなく、コンパウンドVという強化薬を投与されて能力者になったことを知り、セブン内の矛盾や腐敗への反抗勢力となっていきます。まさにセブンと物語にライトを与えていくような存在で、シーズンを通してのヒロインっぽい位置づけ。ただ、能力的には電気を操ったり光を出したりする感じで、強いのか弱いのか微妙です。腕力はすごい。ボーイズのヒューイと付き合うことになるが、セックス中にイキそうになると目が光るのは笑った。演じているエリン・モリアーティという女優さん、これまた初見。

クイーン・メイブ

画像3

ワンダー・ウーマンが元ネタですかね。残虐行為はしない、私利私欲に走らない、ということで、セブンの中の常識人。なのだが、まあ普通にお行儀は悪くて中指とか立てますね。強いのだが、能力は驚異的な身体能力だけ?ということで、特殊能力はない感じ。かつては正義感に燃えていたのだが、今ではセブンの腐敗を見て見ぬふりをしてホームランダーに好き放題させています。実はレズビアンなのですが、ホームランダーに普通に番組でバラされてしまいます。だいたいホームランダーはひどいのですが、これに関してはめちゃくちゃ現代社会っぽくてさらにひどいですね。演じているドミニク・マケリゴットさん、『月に囚われた男』に出ていたらしいのだけれどまったく記憶にない。

ディープ

画像5

本作のお笑い担当。モチーフはアクアマンですかね。スターライトにフェラを強要したことがバレてMe Tooされ、セブンをクビになります。能力としては特に身体能力が強いということもなく、世界中の魚と意思疎通をして操れるというもの。自分でも「少数民族枠」だと言ってるとおり、能力がショボいです。まあ本家のアクアマンの能力も微妙だし、ジェイソン・モモアの身体能力でなんとかヒーローぽくしてるところもありますしね。セブンに復帰するために共同教会に入信したりとか色々画策するのですけれど、それがまた空振りばかりで面白い。だいたい魚を利用してとんでもない目にあって、そのたびに爆笑してしまいます。この脚本家はボケとオチをしっかりわかっていますね。顔がイチローにそっくりなので、だんだんイチローがめちゃくちゃ変なことをしているという錯覚に陥ります。ただ、イチローも言動がおかしかったりするので、ここはもうしょうがないのではないでしょうか。

Aトレイン

画像6

スピードスター枠。フラッシュとかクイックシルバーがモデルですかね。とんでもない速さなのだが、その速さゆえに主人公ヒューイの元カノを手だけ残して爆殺四散させてしまいます。その後の謝罪も適当な態度で、周囲に殺したことを笑いながら愚痴ったりする、シンプルにムカつくヒーローです。当然ヒューイを激怒させ、ボーイズ加入を招くという物語の発端のような役回りを担う存在。ただ、スーパーヒーロー強化薬のコンパウンドV濫用で心臓が弱っていて、それをホームランダーに見抜かれてセブンを首にされてしまうという展開もあり、なかなか素直に憎めないところも。悪い奴なのだけれどどこか抜けている面も多々あり、人間味はかなりあるクズです。

ブラック・ノワール

画像7

お前ダースベイダーだろ。喋ることはなく、ひたすらセブン(というかホームランダー)に忠実で、裏切り者を追い詰めていきます。暗器を使って相手を攻撃するスタイルで、けっこう強めです。セブンに反抗することもないので、ホームランダーからの信頼が一番厚いのではないでしょうか。ただ、ブッチャーに簡単に騙されたりと、知力は低めのスタイルだし、シーズン2ではその最大の弱点までわかってしまいます。シーズン3では正体とか出てくるんでしょうか。別にそんなに気になりません。

トランスルーセント

画像8

透明人間です。その能力を使って女子トイレを普通に覗いたりしている、シンプルなゲス野郎です。皮膚が硬質化して透明になるという能力を持っているため、めちゃくちゃ打撃にも強くチェーンソーでも何も歯が立ちません。あれ?これって最強能力なのでは?と思いますが、上記の通り、ケツの穴にプラスチック爆弾を叩き込まれて爆殺されます。劇中でいろんな人物があっさりと死んでいきますが、その中でも死に方としては屈指の酷さではないでしょうか。私はこの殺し方を見て、このドラマについていこうと決めました。

ストームフロント

画像9

シーズン2から登場してセブンに加入した女傑です。歯に衣着せぬ発言で民衆を煽り、ホームランダーに対してもその地位を脅かすように挑発的な態度を取り続けます。雷が武器で強キャラ。シーズン2のストーリーの鍵を握る人物ですね。途中でホームランダーとセックスをするのですが、我々がひそかに持っていた「スーパーヒーロー同士がセックスをするとどういうことになるのか」という疑問をまるっと解決してくれます。ホームランダーの飛行能力を生かした空中駅弁ファックは必見!

ヒューイ

画像10

いい笑顔です。ザ・普通の人であり、本作の主人公でもあります。Aトレインに恋人ロビンを爆発四散させられ、ボーイズに加入します。ただ、本当に普通の人なのでブッチャーやセブンの面々の無茶苦茶さに巻き込まれて、だいたいひどい目に合うという役回り。スターライトの恋人という地位は手に入れるのですが、さすがに毎回のように血まみれになったり鯨の中でピノキオさせられたりしてるのは同情します。ただ、その普通な彼が主人公をやってることで、どんどんエスカレートしていくセブンとボーイズの酷さがどんどん強調されていくという構造なのは非常にうまいですね。そんな彼が徐々に状況に適応していき、割ととんでもないことやり始めるのもこの物語の一つの面白さです。あと、なぜかヒューイの父親役をサイモン・ペッグがやっていて、普通にシーズン2で降板しています。なんだったの。

ブッチャー

画像11

ボーイズ側のホームランダーとでもいうべきリーダー。特に能力があるわけではないですが、ホームランダーに妻ベッカをレイプされて殺されたことによりセブン絶対殺すマンと化した元FBI捜査官です。ホームランダーたちを倒すためには手段を選ばず、周囲を巻き込んで被害を負わせても反省なし、仲間になったスターライトも全く信用せず、ヒューイやその他仲間を捨て駒にしようとする鬼畜リーダー。そりゃホームランダーは悪いけど、お前もたいして変わりないじゃないかという印象を視聴者に植え付け、善と悪とは何かということを考えさせてくれます。裏主人公的な側面があり、特にシーズン1のラストの衝撃場面は必見。演じているカール・アーバンはなんか見たことある人だと思ってたら『ロード・オブ・ザ・リング』に出ていたのね。あと、『マイティ・ソー』にも出ているらしくて、そこはなんか笑えます。

フレンチー

画像12

ボーイズのメンバーで武器調達担当。ヤク中ですが、ボーイズの中では相対的にマトモに見えてしまういい奴。ブッチャーの暴走を止めようとしたり(止められないのですが)、ヒューイを慰めたりとボーイズの良心のような存在です。後述の暴走モンスターキミコとなんとか心を通わせようとするシーンはこの作品の数少ない癒しでもあります。ただ、そうは言ってもボーイズなので、トランスルーセントのケツに爆薬を突っ込むのは彼の仕事です。ひどい。

マザーズ・ミルク(MM)

画像13

ブッチャーの昔の仲間で、巻き込まれるようにボーイズに加入。非行少年の保護と更生を仕事にしていることもあり、ボーイズの中では最もちゃんとしてるのではないでしょうか。ただ、それゆえに存在感は薄く、終始縁の下の力持ちという感じであります。妻子の下に帰れないのをずっと嘆いてるのだが、妻との電話を切る際のキス音がひどいです。フレンチーと仲が悪いという当初の設定だったのですが、途中で割とどうでもよくなった感じ。

キミコ

画像14

ボーイズに加入した異常な戦闘能力を持つ能力者。コンパウンドVを投与されたことで能力が覚醒しています。テロリストに監禁されていた弟を救うために戦う弟思いの姉。なのですが、喋れないという設定の彼女はともかくとして、弟がめちゃくちゃ適当な日本語で喋っているので、聴くたびに非常に「ワオ!サムラーイ!」という気持ちになります。微妙日本語コレクターとしてはここ最近聞いたことがないほどのレベルなので、ぜひ皆さんにも聞いていただきたいです。演じている福原かれんさんは『スーサイド・スクワッド』で映画デビュー。身体能力もあるし、これからアジア系俳優としてハリウッドで重宝されるんじゃないでしょうか。


さて、シーズン3の制作も早々に決まったそうで、これ以降も目が離せません。少しでも気になるところがあったらぜひ1話だけでも見てください!そして、『ザ・ボーイズ』の話をしましょう!私はAmazon Primeの回し者ではありません!

https://www.amazon.co.jp/dp/B08BYZX7YF






この記事が参加している募集

おすすめ名作ドラマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?