銀行員が読む「ドリルを売るなら穴を売れ」

ドリルを売るなら穴を売れ

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「人がお金を借りる理由」を「時間の短縮」だと再定義してみると、金融業はまた変わった見え方をする。

それがこの『ドリルを売るなら穴を売れ』というマーケティングの名著を読んだ銀行員としての発見だ。

銀行員はあまりマーケティングに縁がないが、まさに視点をアップデートするために学ぶべきだ。

どの銀行も扱うのはお金という、モノとの交換に使う道具だ。利息が高い低いの差はあれど、お金自体に差はない。お願い営業や過去の取引地位等に頼らず、自分の銀行を選んでもらうにはどうしたらよいだろう。

この本では、そもそもマーケティングとは、"顧客が得る価値>顧客が払う対価 この不等号を維持・拡大するすべての活動がマーケティング"とされており、左辺を大きくするか、右辺を小さくするかの2つが行動となる。

では、銀行員にとって、"顧客が得る価値"とは?例えば、融資(お金を貸す)のとき、何が価値となるだろう?お金は道具であって、何かと交換して初めて価値がでる。とすると、何か欲しいものを見つけてあげようと考えるのが妥当だ。

しかし、もう一歩考えを進めたい。たいていの人はお金を稼いでいる。借りなくても、貯めたり節約したり時間をかければお金は手に入る。

であれば、お金を貸す価値は、"時間の短縮"だということが一つ言える。だとしたら、急ぐ理由を説明してあげることが本来の価値を売るやり方だ。

視点をアップデートするために、マーケティングを学んでみよう。日々の退屈な業務が変わって見えるはずだ。

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