ARデバイスの星(だった)Magic LeapのMagicが消えかかっている?
現実にデジタルな物体などを重ねて表示し、その物体が現実にあるかのように感じられるデバイスをつくり、そして空間を創造するというMagic Leap。ステルスのまま、すごいバリュエーションがついていて、クジラのARイメージ図が有名でしたが、大変なことに。。
ちなみに何がすごいかって出資元のみなさま。
テック系:グーグル、クアルコム
メディア系:ワーナー・ブラザーズ、ディズニー
ベンチャーキャピタル系:アンドリーセン・ホロウィッツ、クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ
金融系:JPモルガン、フィデリティ
通信系:AT&T;、NTTドコモ
EC系:アリババ
まさにグローバルにドリームチームです。輝きすぎている。。これらのみなさまがおよそ26億ドル(約2800億円)を調達済み。ちなみにAT&Tが出資した2018年7月でバリュエーションは63億ドルでした。
Magic Leapが売却を検討中という記事がでている
2020年3月12日のBloombergの記事「Augmented-Reality Startup Magic Leap Is Said to Weigh a Sale」によると相当Magic Leapが苦戦している模様。
*Magic Leapが売却を検討している
*販売加速には100億ドルが必要との試算がある
*昨年から5億ドルを調達に動いているが、まだクローズしていない
そして昨日、Magic Leapの身売り時の希望額が出てきました。その額、100億ドル(1兆円超)!ただ、買い手探しにむけた戦略的なリークと見る向きもあるよう。
ここ1年の流れ:ドコモが投資したばかりなのに…
【2019年4月】
NTTドコモのスマートライフビジネス本部が主導して312億円出資。この出資は日本での販売権を獲得するためだったようです。10年どころか100年の計というようなコメントをしている。さすがドコモさんです。
しかし、すぐにTech Crunchに「Magic Leapは失敗したとき、調達能力の高さをほめられる会社になる」「ツケを払うのは、今回はドコモだ」とくそみそに書かれています。記者からすると、すでに予兆はあったんでしょうか?
Why are people still giving Magic Leap money? - Tech Crunch
【2019年8月】
特許すべてを担保にJPモルガンチェースからお金を借りた?返せなくなったら全部特許持っていかれるのでしょうか?そうすると会社は本当に無価値になっちゃうんでしょうか??
Magic Leap Patents Signed Over to JPMorgan Chase as Collateral Just Months After Major Funding Push
【2019年12月】
1st verはリリース前に100万個売ると言っていたが、リリース時に10万個と目標を下げた。が、結局6カ月で6,000個しか売れなかったらしい、その後リストラもした、というリーク記事
Dented Reality: Magic Leap Sees Slow Sales, Steep Losses — The Information
【2020年2月】
開示はできないけどリークされた販売数は間違っている、とCEOが自ら否定してます。
【1万字インタビュー】史上最大のARスタートアップMagic Leapが目指す未来への道筋 | Mogura VR
【2020年3月】
2016年にApple,Google,Facebookが買収検討も見送っていたという裏話が明かされています。
Desperate to exit, a $10B price tag for Magic Leap is crazy
そして今回の売却検討中というニュースにつながります。
自分でまだデバイスを作ってなくて、長期的に投資ができる誰かって誰だろう
誰かが買収しないと、、という感じになっているけれど、Facebookは自分で進めているし、GoogleはDaydreamしたりやめたりでよくわからないですね。
ただ、色々見ている限り、当初はすばらしい先進性があったものの、機能面では競合製品にもう追いつかれていて、差はほとんどないようですね。
ドコモさんならできるでしょうか。でも1兆円はさすがに…救済買収したら面白いですが…
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