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対話を大切にするといろいろうまくいく

私たちのチームでは、デザイナーがリーダーシップを持ってプロジェクトに深く関与するのを大切にしています。個人の目標やデザイナーとしてのキャリア設計支援もこの考えにもとづいています。このあたりは以前、詳細を記事にしました。

ここでいうリーダーシップとは個人でできる以上の大きな成果を想像できて、それを実現するために必要なメンバーを巻き込む力を指しています。自分自身が実現したいことに魅力を感じてもらえるようなプレゼンテーション力。メンバーの目標や強み、大切にしていることの理解。全員をリソースとして進めるファシリテーション力が必要です。プロジェクトや組織への関与を深めるひとつのかたちだと思います。私を含めチームみんなでめざしている姿のひとつです。

相手の意図をとらえながら聴く

私はリーダーシップを持つために「対話」を大切に考えて、実践しています。そもそも私は話したり、聴いたりが苦手なので教えてもらったり、調べたりして実践と失敗を繰り返しながら少しずつ学んでいます。対話できているのはどんな状態かをかんたんに言うと「お互いが相手の話を相手の意図をとらえながら聴けている状態」だと思います。

それぞれの意見そのもの、意見を伝えるために選択していることばや声のトーン、話しているときの表情などは、やりとりの表面にあらわれている「見える部分」です。その「見える部分」をどのように表現するかを選択しているのは本人で、その選択は自分がこれまでどんな経験をしてきて、どんな感情を持ち結果持っている「価値観」といった、やりとりの表面にあらわれていない「見えない部分」が前提となっています。この「見える部分 (サーフェス)」と「見えない部分 (エクスペリエンス)」の関係は、デザインにとても似ているな…、と考えています。

相手の意図をとらえながら聴くというのは、相手の意見を聴きつつも次のような視点を持って相手にまなざしを向けた状態だと思います。

  • 相手はなにを大切にしたいと思っているんだろう

  • それは過去にどんな経験をして、どんな感情をもったからなのかな

  • 結果どんな価値観を大切にしているのかな

合わせて相手の意見を聴いて自分自身がどんな反応をしているのかも、同じ構造で内省しながら聴くということなのだと思います。

対話できている状態を分解して実践してみると、時間に余裕があるときは相手の意図、自分の反応をとらえながら話を聴こうと意識できるようになってきたと感じます。しかし 1on1 やミーティングでも時間を気にしだしたら、うまくできなくなってしまいます。結果、相手の話を聞きながら次に自分が話したいことを考えてしまって話を聞けていなかったり、相手の意見をつど自分の価値観で評価してしまっています。難しい…。

自分が相手の話しを聴けているなと感じているときは、返答もひと息おいて落ち着いてできている気がします。同じ意見を伝えるとしても相手が大切にしていることを意識して、自分の価値観も大切にしながら伝えられるというか…。やりとりで不快に感じるのは、不快に感じたのは自分の内側の理想と自分の外で起きている出来事にギャップがあったからだと思います。なので自分がなぜ不快に感じたのか、相手はなぜその伝え方を選択したのかを考えると、反射的に感情をぶつけなくて良くなります。

対話ができていると相手も自分も「聴いてもらえている」と感じられます。そう感じられるのはとても大切で「承認」のひとつだと思います。コミュニケーションがよくなって、自分も相手も自分の意思をはっきり持てるようになったり、よいアイデアの交換ができたりするのがわかります。相手の価値観から学ぶ機会も多いです。チームのメンバーや、いっしょにプロジェクトに関わるメンバーはから学べていると感じるときはとても嬉しいです。

ユーザがバカにされたと感じないように

ちょっと話が飛んでしまいますが、意見のやりとりと同じようなシーンは UI デザインにもあります。UI デザインにおいてユーザとサービス、プロダクトとの「やりとり」をデザインするシーンです。ユーザのゴールを重要視し、ユーザが必要な情報の読み取りに時間がかかったり、ミスしやすい状態のままにしておいたり、できると思ったことを裏切ったり、退屈にさせない「やりとり」のデザインはデザイナーにとって必要な技術だと思います。この話はまたまとめたいです。


今回は社内の LT (ライトニングトーク) 会で話した内容をもとに、デザイナーに限らず大切にしたい「対話」や「聴くこと」について書きました。プロジェクトはひとりで取り組めるものではないし、人はそれぞれの価値観があってそれが集まるからおもしろいものづくりができると思っています。LT 会で話したのはもう 1 年ほど前ですが、同じテーマをメンバーとの 1on1 でも話す機会が多いです。

チームで大きな成果を生み出すために「対話」や「聴く」技術は必要だと思います。なのでより理解したいと学んでいると、デザインにすごく似ているなと感じられておもしろかったです。

私たち Da Vinci Studio ではデザイナー、エンジニアともに積極採用中です。どうぞよろしくお願いします!

この記事も含まれている「カケルデザインマガジン」は、私たち Da Vinci Studio のデザイン部にはどんなメンバーがいるのかを知ってもらおう。と考えて運営しているマガジンです。自分が読みたいものを書こうとテーマを設定して、日々の発見や考え、気づきなどを肩肘張らず発信しています。ぜひチェックしてみてください!

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