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鬼滅の刃で中学英語#57~鬼滅英単語⑨鬼用語その②珠世編~

こんにちは、「雷の呼吸」「獣の呼吸」を差し置いて、なんで「血鬼術」が先なんだと言われないかとヒヤヒヤしているタナカキヨトです。皆様いかがお過ごしでしょうか?

そんなことを言っておきながら今回もやはり「血鬼術」の続きです笑。

血鬼術「視覚夢幻の香」

珠世さんは血鬼術を使いますが、基本戦闘要員ではないので、どちらかというとまさに「術」という感じの血鬼術を使います。

最初の登場は、炭治郎が鬼舞辻と遭遇し、鬼舞辻が一般市民を鬼にして大騒動になったシーンです。

惑血

Scent of illusory blood, visual dream!
惑血・視覚夢幻の香
※scent=香り、いい匂い(発音
※illusory=人を惑わせる、という形容詞(発音

「scent of=~の香り」
「illusory blood=人を惑わせる血⇒惑血」
「visual dream=視覚夢⇒視覚夢幻」

という意味になりますが、つなげ方がポイントですね。

普通に前から考えると「scent of illusory blood」でカンマの前で切っちゃいたくなりますが、そうすると「惑血・香」となってしまいますので、あくまでも「scent of」が対象としているのは、「illusory blood, visual dream=惑血・視覚夢幻」というひとかたまりです。

つまり、ここの「,(カンマ)」は、後ろから前に情報を追加するための「,」というわけですね。

それにしても、「visual=視覚」「dream=夢幻」なんて、なんか中学生が辞書で調べたような感じですが、元々の日本語も確かにまんまなので、その雰囲気を踏襲していると思えば、とてもいい訳ですね!

ちなみに「illusory」は、よくマジックショーで使われる「illusion(イリュージョン)」とよく似ていますね。

もちろん関係があって、「illusory」が形容詞で後ろに名詞が来て、「幻惑する○○」みたいになりますが、「illusion」は名詞そのものなので、「○○な幻影」みたいな感じで使うなど、使い時が違いますので要注意です。

血鬼術「白日の魔香」

次も珠世さんの血鬼術。

こちらは自白剤のような催眠効果のある香りで脳を刺激する血鬼術です。

無惨には効かないのでしょうか?

効かないでしょうね。

さてそれではこれがどういう風に翻訳されているか見てみましょう。

白日の魔香

Magical aroma of daylight...
白日の魔香

「マジカルアロマ」!!

昔あった超人気クイズ番組内で生まれたクイズゲーム「マジカルバナナ」みたいですね。

・・・若い人がわからないネタですみません。

「魔香」を「magical=魔法の」「aroma=アロマ、芳香」とそのまま訳したようですが、なぜ「香」で先ほど使った「scent」を使わなかったのか?

「aroma」も「scent」も両方とも名詞ではあるのですが、「aroma」は我々が思う「アロマ」とか「芳香剤」の「芳香」つまり、いい香りがする物を指します。

「scent」はいいにおい(香り)全般のことです。

おそらくですが、「白日の魔香」が、蹴鞠の鬼・朱紗丸が香りを嗅いでいることに気がつかないような優しい香りだったので、感じるような香りではなく、かすかに香る感じのする「aroma」としたのかもしれませんね。

なお、「scent」「aroma」他にも「smell」など、色々な「におい」を表す言葉がありますので、興味があれば調べてみましょう。

・・・で終わっちゃいけないんだった。

「白日の魔香」の「白日の」の部分をやっていなかったですね。

「白日」には当然、「白日の下にさらす=すべてを明らかにする」という意味が含まれているわけですが、では英語でそれをどう表現するか?ですね。

ここでは「daylight」が選ばれていました。

この語はまんま、「day=日」+「light=光」で「日光」という意味もありますが、どちらかというと「日中、昼間」という意味で使われることの多い単語です。

ただそれだけじゃなくて、ウィズダム英和辞典(第4版)によると、

daylight
①昼の光、日光、自然光、日中、昼、昼間
②夜明け
あからさま、公然
 bring A into the daylight. A〈秘密など〉を白日の下にさらす

と、日本語の「白日」と同じ意味が書いてある上、白日の例文まで付いているんですね。

実際には「白日の下にさらす」という英文は「daylight」よりも「light」とか「light of day」が使われることが多いようですが、「白日」という言葉の雰囲気を一言で伝えるには「daylight」だった、というわけでしょう。

日本語と英語はまったく違う所から生まれた言葉ですが、こうやって、同じ意味になる比喩が存在しているというのは、やはり「太陽=正しさ」の証なのかもしれませんね。

そういう意味で、「日輪刀」「日の呼吸」などの鬼滅の世界観が、世界でもスムーズに受け入れられるのかもね、という気がしました。

おまけ:愈史郎

やっぱり珠世さんを取り上げたら、愈史郎をセットにしないと愈史郎が怒りますよね。

なので、愈史郎も登場。

愈史郎も珠世同様、戦闘系ではない上、名前が付いた血鬼術はないものの、一応血鬼「術」を使うのでご紹介。

目くらましの術

We're under a concealment spell, so there's no way you could trace us.
目くらましの術をかけている場所にいるんだ 辿れるものか
※concealment=隠匿する、隠蔽する(発音

「目くらましの術」は、「concealment spell」となっていました。

「concealment=隠蔽(いんぺい)する」というような、お硬い表現で、英検1級クラスの単語ということで、なかなかお目にかかることがないかもです。

その後の「spell」は「つづる」という動詞の意味もありますが、この場合は「呪文」という名詞ですね。

なんで「concealment」という難しい単語をチョイスしたかはわかりませんが、日本語の「目くらまし」に相当する「一語」がなかったからかもしれませんね。


その「目くらましの術」の逆バージョン、「見えるようにする術」もありましたね(同巻)。

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Here, I'll lend you my sense of sight!!
俺の視覚を貸してやる!!
※lend=貸す
※sense=感覚、反応、センス
※sight=視覚、視力

「my sense of sight=俺の視覚の感覚」という意味になりますが、前置詞「of」の働きとして、「全体の中の部分」を表しますから、数ある「my sense」の中の「sight=視覚」の部分だけ貸してやる、という意味で、前置詞は「of」を採用しています。

「of」は「~の」という意味ですが、必ずしもそう訳すとは限らないので、そういった、どんな働きをするのか、というのも大事です。


ちなみに無限城編はまだ英語化されておりませんので、愈史郎の活躍シーンは現状ここまでです。

本日のまとめ
・技名は辞書で調べたまんまのこともある
・でも、日本語と共通していることはその語を選ぶ
・珠世さんは今日も美しい


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