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こういう時ならではの「特別な学び方」

一斉休校が決まって一週間が経ちました。

自治体によりますが、一斉休校に合わせて図書館を閉めるところも多いですね。

ここ名古屋市でも、寺子屋をやらせてもらっているコミュニティセンターはなぜかやってるのに、図書館は全館休館です(3/16まで)。長期休暇と図書館は切っても切れない関係ですが、今回は利用できないわけです。

しかし、図書館スタッフは「それじゃいかん!」と思ったのでしょう、ご丁寧に、「自宅で出来ることを集めたリンク集」を作ってくれました。

科学技術広報研究会の動画アーカイブなんてのはなかなかいいリンクですが、どうしても科学に興味がある子向けですね。海上保安庁の巡視船のペーパークラフトなども公開していますが、ちょいコンテンツとしては物足りないです。

というかですね、

そうじゃないぞ!

と言いたいですね。

ネットにはこのたくさんの時間を埋めるための暇つぶしネタ(ペーパークラフト)とかに溢れてはいますが、大切なのは、この休み期間に「何をするか?」ということなのです

「どう時間をつぶすか?」ではないのです。

そこで大切になるのは、テーマを決めることです

テーマを決めないと、何でもかんでも良くなってしまいます。それこそエンタメ感たっぷりのヒカキンTVを見てても、子どもからしたら「勉強してんだよ!」、ってことになります。

ヒカキンもいいんですが、突発的にできた休校なので、前向きに考えれば、せっかく長い時間が取れるのですから、大きなテーマを持って(持たせて)、この長期休暇を乗り切らせたいところです。

もちろん、学校の勉強の遅れをなくす、もいいのですが(それはまた別途ご紹介します)、せっかくなので、学びのテーマを決めて1カ月取り組ませたいですね。

「読み放題サービス」で何冊読めるか?

図書館が休みだと、毎回本を買わなければなりません。

昔から、家にある本の数と子どもの学力はある程度相関関係があると言われておりますが、たとえば図鑑を二十冊そろえるとなると、現実問題結構値が張るものです。

しかし、今や「サブスク(サブスクリプション、継続課金制)」の時代です。

本の読み放題サービスなんてものもあるので、そちらを利用してみてはどうでしょう?

一番本が多いのは、アマゾンのKindle Unlimitedです。

最近は取り扱う本の数もかなり増え、ハリー・ポッターや図鑑、科学読本もあります。

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欠点はとにかく本が探しづらいところですが、アマゾンでキーワード検索して、「Kindle Unlimited」のマークがある本はすべて読めますので、始める前に検索してみてもいいでしょう。

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月額料金(980円)が必要ではありますが、この手のサービスにあるあるな「初回30日無料」がありますので、春休みが終わるまで試してみて、「やっぱやーめた」もできるので、気軽に始められるのもポイント。

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読み放題の本は10冊まで同時にストック(ダウンロード)できますので、家族で使ってもケンカにならないのが良いところです

スマホやタブレットのアプリ(無料)、パソコンの他、Amazon独自の格安タブレットFire HD、電子書籍リーダーKindleなどで楽しめます。

欠点は、普通のマンガ(割と昔の)も結構あるところです。ただ、ダウンロード履歴は確認できるので、「ダメ」と言っておけば大丈夫かな、と。
歴史マンガ、文学名作マンガもあったりしますので、こういうのから入ってもいいかもしれません。

「この休み期間に10冊読む!」

と目標を決めるとゲーム感覚で読めるかなと思います(有料でも元は取れます笑)。

電子書籍の欠点は、「読み込む」のにあまり向かないメディア性質がありますが、読み終わった感想や学んだことを100文字くらいでレポートさせたりすることで、そこから何かを学び取ろうとする意識が働きますので、そういった工夫もアリです。

キッズ向けのアマゾン独自タブレット「FireHD」だと、キッズ向け電子書籍やキッズ向けアプリなどが1年間使い放題になるものもありますので、タブレットがない方はそういう選択肢もありでしょう(解約後は普通のタブレットに出来るそうです)。

プログラミングでゲームを作る

この4月から、小学校の学習指導要領が新しくなり(=教科書が変わり)プログラミングの必修可が始まります。

といっても、Pythonなどの難しいプログラミング言語を学ぶなんてことはするはずもなく、パズル感覚でコマンドを組み合わせる「Scratch(スクラッチ)」を使うと言われています。

プラグラミングは自由度の高いものですから、基本的なやり方を学べば、あとはネットにある情報や、同じツールを使う人のコミュニティで情報交換したりして腕を磨いていく、ということが(プロでも)行われています。

また、コミュニティで会話する時に、正しい言葉遣いや礼儀の大切さも学べますので、最初は親御さんがコミュニケーションのサポートしながらやるのもよいでしょう。

とくに、ゲームが好きなお子さんであればハマる可能性はありますので、Scratchのような簡単なプラグラミングソフトを入れてみて、この春休み期間中に一つ二つ、人に遊ばせられるようなゲームを作ることを目標にさせてもいいでしょう。

理系の世界最高峰MITの開発したScratchは、日本語完全対応、無料で使えるのも◎

欠点は、学校でプログラミング必修化といっても教科化ではないので、そこまで授業時間をかけられません。そのため、学校のプログラミングの時間が物足りなく感じることでしょうか?

小学生向けのプログラミングコンテストなどもありますので、そういうのを目標にしてもよいでしょう。

プログラミングに近いものとして、「マインクラフト(マイクラ)」で、何か建造物を作るのもアリだと思います。

ただ、マイクラの方が3Dを使う関係で、プログラミングソフトよりも高いパソコンのスペックを要求しますので、その辺を考えた上で選択しましょう。

コンテスト応募作品を作る

長期休暇の定番ですね。

春休みは対象となるコンクールがあまりないのですが、今回の休校を受けて期間を伸ばすところもあります。

モリタの「未来の消防車アイデアコンテスト」は、3月9日締め切りが4月23日になりました。ライバルは増えるかもしれませんが、せっかくなので色々調べてチャレンジしてみるのもよいでしょう。

4月6日シロアリの日を啓発するポスターです。なかなかシロアリを描きたいという子は少ないかもしれませんが、逆にチャンスかもしれません。最優秀賞には図書カード1万円と、小学生向けにしてはなかなか魅力的なコンテストです。

料理が好きな子であれば持続性のある、地球にも人にも優しいレシピコンテストもあります。高校生のやってる団体なので景品は期待してはいけませんが、「持続可能な発展」をテーマに、地球環境や社会の問題などを学ばせるいいキッカケにもなります。

マンガを描ける子はストーリーマンガを仕上げてもいいでしょう。上記はいずれも少女マンガで月末締め切りのコンテストです。レベルが高いものが描ける自負があれば普通のマンガ雑誌に持ち込める作品を作ってもいいでしょう。

賞金が圧倒的に高いのは、ゲームです。U18なのでライバルも多くハードルは高いですが、今年からScratchも対応したとのことなので、独創性のあるゲームを作れば…?

1人でもチームでもOKというプログラミング らしいコンテストで、東京ゲームショウにも参加できるので、ゲーム好きには夢のような舞台?

大作を作る

オススメはダンボールを使っての大型工作です。

トイレットペーパー騒動のあおりでトイレットペーパーやティッシュの段ボール箱が大量入荷されると思いますので、大きな段ボールを使っての工作もアリです。

制作過程を写真や動画に撮って、YouTubeなどにアップしたりも面白いですね!

夏休み明けにはダンボール工作のコンテストもありますので、そこに向けて予行練習で作っても良いと思います。

ドローンに挑戦する

習得に時間のかかるドローンの練習はいかがでしょう?

室内は障害物だらけですが、家に誰もいない時ほど練習のしがいがあります!

複雑な家の中で自由自在に操作できれば、屋外で150km/hも出せる本格的なドローンに挑戦し、いつかドローンレースに出て、数十万円単位の賞金をもらえるようになるかも??

ドローンのトップレーサーはなんと小学生ですので、夢ではないかもしれませんよ?

メンテナンス、測量や災害など、ドローンの操作スキルを持つ人は今後増えていきますので、今のうちに適正を見ておくのもアリでしょう。

楽器に挑戦する

時間があることを利用して、時間がかかるものに挑戦することがよいということで、ピアノなどの楽器に挑戦するのもよいでしょう。

というと「ピアノ教室は密室だから心配」といった声が上がるかもしれませんが、キーボードが光って教えてくれる電子ピアノ「光ナビゲーションキーボード」なんてどうでしょうか?

デフォルトで入ってる『パプリカ』などでは物足りない場合、アプリ内で(有料ですが)最新ヒット曲を購入してキーボードに入れることもできます。春休み明けに鬼滅の刃のテーマ曲『紅蓮華』が弾けたらカッコいいですね!

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ただし、アプリで曲が追加できるのは、LK-512のみですので注意!

決して安いものではありませんが、ピアノは大人も使えますし、ピアノがあればやる、という子もいるでしょう。

本物のピアノは本物のピアノで音が違いますし、ピアノ教室はピアノ教室で1人では学べないことも学べますが、遊びながら学ぶことが好きになるコツなので、楽器を遊び道具として始めるのもオススメです。

最近は独学で音楽を学んだというユーチューバーや、演奏方法を教えてくれるユーチューバーもよくいますが、YouTubeで音楽を聴くばかりの子に、弾いてみる、演者側の楽しさや満足感を味合わせる方がよっぽど教育的なので、お子さんに音楽に興味があればチャレンジするのもありでしょう。

ピアノ以外でも、電子ドラムにも本格的なものから、1万円を切るものもあったりとかなり選択の幅はありますので、この機会にチャレンジしてもいいでしょうね。

とくに最初はうまく弾けないと思いますが、平日の昼間なら思いっきり練習できますので(ヘッドホンにも対応はしています)、この1ヶ月やり込めば、それなりに聴ける腕にはなるかも??

テーマを持って調べ物をする

社会や理科が好きな子が主になるかと思いますが、テーマを持って調べさせる、自由研究させるのもいいでしょう。

図書館が使えない分は親御さんが協力して、インターネットや電子書籍でカバーしながら、ネットリテラシーを身につけさせることもできます。

今ならまさに「ウイルス」について調べてもいいでしょうし、リモートワークなどからITのことを調べてもいいでしょう。もはや体験したことのない子が多くなった、「東日本大震災」で調べてもいいでしょう。

テーマはいくらでも転がっています。お子さんがずっと気になっていることがあるなら、それを調べる「指令」を出してもいいでしょう。

「学校で発表する機会がない」

と思われるかもしれませんが、ネットで発表してもいいですし(制作過程を写真に撮るのがいいです)、学校の先生は基本的に子どもが自主的に学ぶことを嫌がる人はほとんどいない(ハズな)ので、「こんなことやったよ!」と先生に見せてもいいでしょう。

なによりも、こんな大人の事情で起きた突然の事態に対して、受け身に過ごすのではなく、前向きに捉えられるお子さんになってほしいと思いませんか?


そういう意味で、「テーマ」を持ってこの1ヶ月を過ごさせるだけで、もの凄く教育的な効果が得られますよ。


あくまでここに紹介したのは一例ですが、何事も、「何かを取得するにはそれ相応の時間と努力が必要」ということを学び、その結果として、他の人に「いいなー」とか「凄いなー」と言われるようになることなんだという成功体験をつかんでもらうことが大切です。

とくに世の中、学年が上がれば上がるほど、勉強ができる子と比較して「自分は何もない」と卑屈になる子も多いので、この機会を、自分になにがしらの自信を身に付けるキッカケにしてもらうのがよいかなと思います!

そしてそれは、あくまでもその子が興味を持ったもの、憧れの誰かに近づけるもの、というのが一番いいです。

今成功している人たちだって、ほとんどの人は憧れの人がいたからやってこれたので、なんでもいいのですが、リスペクトできる人を見つけ、少しでも近づけるよう努力することが大切だと学んでくれれば一番有意義な過ごし方になります!



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