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新型コロナの正しい予防法②うがい・マスク編〜飛沫って何?〜

うがい薬はウイルスに効くか

うがいに関しては、うがい薬自体に殺菌成分が含まれるものがあり、たとえば有名うがい薬「イソジン」に含まれるポビドンヨードには、新型コロナウイルス(SARSーCoV-2)の姉妹ウイルスであるSARSウイルス(SARSーCoV)にも効果があるとされているため、新型コロナにも有効である可能性があります。
(情報元:ムンディファーマ株式会社

ただし、新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)およびSARSは、うがいをするノドよりさらに奥の「上気道(気道の上の方)」に感染する病気なので、すべてのウイルスのブロックができるとは言えず、効果は限定的と言えます。

そういった意味で、「このうがい薬だからウイルスが防げる!」と過度な期待をしてはいけません。また、合う合わないがありますので、そこは慎重にお選びください。

それでも、うがいはやらないよりやった方が圧倒的にいいです。口の中(口腔内)の洗浄ができるからです。

マスクが飛沫予防に…飛沫ってなに?

口の中にウイルスが入るのを防ぐのは、マスクです。

よく知られるようになりましたが、マスクはあくまでもくしゃみやツバを飛ばすことでの「飛沫させる方」の予防です。

でも、よく言われる飛沫(ひまつ)ってなんのことでしょう?.

飛沫は、口から出てくるウイルスの入った水滴です

目に見えるツバどころか、ほとんど見えないスギ花粉より30~50マイクロメートル(0.03~0.05mm)より1ケタ小さい、3~5マイクロメートル(0.003~0.005mm)くらいの大きさで、さらにその中に、0.1マイクロメートル(0.0001mm)の大きさのウイルスが含まれています。

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そういう意味で、叫びまくる人の多いライブ会場で感染が増えたといっても不思議ではありません。マスクなんてつけていられなくなりますしね。

逆に、人が密集していても、普通に呼吸している分には飛んでこないので、満員電車で感染しにくい理由とも言われています。

3/9の専門家会議でようやく、そのことが「近距離での会話や発声」という文言として盛り込まれていましたね。

これは、これまでほとんどの「飛沫」の説明が「くしゃみや咳の時」となっていたので、大きな変化かなと思いますが、若干手遅れな部分もあるような気もします。

飛沫はどうやって防ぐのか

➡飛沫ってホントに怖いの?と心配な方はこちら

さて肝心の、飛沫の飛ぶ距離ですが、1〜2メートルほどしかありませんので、障害物がなければすぐ地面に落ちていきますが、壁や手すりなどに付着することもあります(ただし、時間の経過とともにウイルスは死滅します)。

そういう意味で、風で舞い散りやすい屋外で感染する可能性はきわめて低いと言われています。

また、飛沫を通さない一般的な不織布マスクを使ったり、肘などで物理的に飛び散らないようにすればブロックできます(せきエチケット)。

不織布マスクの編み目は、公表されていませんが、どうも色々調べて見ると飛沫と同じくらいの編み目のようですが、何層も様々なフィルターがあるので、飛沫感染をブロックできる・・・という作りになっているようです。

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ただし、マスク側でブロックしていても、肌との間にすきまがあったら台無しです。

古いデータではありますが、ほとんどのマスクが「漏れ率40%」という数字だったそうで、調査でも「フィルターの捕集効率が高いものでも、顔との隙間からの漏れがあるため、ウイルス等の微粒子を完全に遮断することはできない」と記されています。
*国民生活センター「ウイルス対策をうたったマスク」

逆に漏れ率を1%以下のように極限まで減らしたN95マスクは、息苦しくて30分が限度という話もありますし、花粉を99%カットできるとうたうマスクなのに花粉を感じるのは、その、漏れ率の関係です。人間の顔が立体な以上、日常生活を送る以上、漏れ率がある程度ないとツラい。

だから、自分が出す方の飛沫はマスクでブロックできますが、あくまでも外部からの感染予防にはならない、というのはこういう所もあるようです。限度があるということです。

実際、全国マスク工業会では、加盟社にの市販するマスクに下の写真のような表記を義務づけています。

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そういう点で見ると、やはり、確実な防御というのは期待しちゃいけないのかな、という感じです。

さらに、マスクを正しくつけていないと、せっかく高機能のマスクを使っていても「防御」としてはまったく役に立たないそうなので、正しいマスクのつけ方が大事になります。

正しいマスクの使い方

マスクが効果があるのは、あくまでも飛沫を出す側の拡散ブロックです。

とくに不織布で作られたマスクを正しくつけて清潔に保てば、ウイルスを口から外に出すこともありません。

また、不織布マスクの網目は、外部からの飛沫もブロックでき、飛沫にウイルスがついていたとしても侵入することはないようです。

しかし、それも「正しいつけ方」をすればこそです。意外と(鼻の形に合わせる)ということをしない方が多いそうなので、要注意です。

裏表はどっち?

マスクによっては「fitty」のように、文字が読める方を表にするマスクもありますが、文字もマークも何もないマスクも少なくありません(特に箱入りのもの)。

基本的にはマスクの外箱に「どっちが表」ということを記載していますが、メーカーにより異なりますので必ず読みましょう。

ただ、一般的には、多くの人が思っている(私もそう思っていた)、「ゴムがついている方が内側」ではなく、「ゴムがついている方が外側」にするのが正解なようです。ゴムの力でマスクを顔におさえつけるためですね!

なお、捨てるときに表面を触るとウイルスが付着していると危険ですので、正しい付け方だけでなく、捨て方も大事と警視庁が言ってます。捨てたあとは流水で手を洗うことも忘れずに。警察はなかなか大変な現場に遭遇することもあるんでしょうね。

手作りマスクの効果のほどは?

ちなみに、サージカルマスクの在庫が足りず、生産量もどう考えても足らず、政府が買い上げることになったため、今後のマスク不足を考え、手作りマスクが流行っています。

しかし、不織布マスクですら飛沫とほぼ同じ網目の大きさなので、それより絶対に目が荒くなる手作りマスクは飛沫感染予防としてはやめた方がいいと医療関係者は言っています。

ただ、マスクをすることで目や鼻の粘膜に直接触れなくなるので*、そういった点で自作であってもマスクをすることでの二次的な予防が考えられますが、唾が貫通するような薄い手作りマスクでは飛沫予防にはなりませんのである程度の厚みが必要になるでしょう。
*口からの感染ばかり気にしていますが、目や鼻からの危険性もあります

ちなみに花粉はウイルスよりはるかに粒子が大きいので、ガーゼマスクでもある程度効果が見込めるかもしれません(ただ、不織布マスクにある静電フィルター効果はありません)。


なお、SNSでは、警視庁の、マスクでメガネが曇る人用の対策法、キッチンペーパーマスクの作り方が拡散されています。

メガネ曇り防止は私も②な方法をやらせてもらっていますが、キッチンペーパーマスクはあくまで災害用の防塵マスクといった装いなので、これなら手作りマスクの方が良さそうな気がします。


また、マスクは喉の乾燥を防ぐため、そういった意味での予防効果はあると言えるでしょう。

いずれにしろ、完璧にやればキリがありません。

そもそも、マスクは「お守り」感覚で使っている方が多いようですが、おそらくそれが正しい考え方だと思います。

特にツバをよく飛ばすような人と接する時はつけたいですね(それは生理的にもつけたいか??)。

咳がある人、花粉症でくしゃみをする人は必ずしましょう。

おまけ:エアロゾル感染とは?

飛沫より小さい状態で一定時間空気中をただよう「エアロゾル感染」、使ったり使われなかったりでよくわからない、本当にそうなのかどうかわからないと思う方もおられるかもしれませんが、医学界で正式に定まった用語ではないため、使ったり使われなかったりするそうです。

ただし、コロナウイルスは姉妹ウイルスのSARSの時にも、まったく接触していなかったホテルの同階の人間だけが感染したことから、当時アメリカのCDCでSARS研究をしていた人が、当時から「エアロゾル感染」の可能性も指摘されております。

また、医療従事者に対して、患者の治療中にエアロゾル感染を予防するために、N95マスクをするようにする必要性が叫ばれています。

ただ、一般の生活レベルでのエアロゾル感染は、マスクでは予防不可能なので、十分な換気をするくらいしかできないでしょう。

空間除菌剤や、空気清浄機の除菌機能は、あくまでも「成分」を使ったテストだけをしているケースがほとんどで、人々が期待できる機能を発揮できる「保証」はありません。

実際メーカーも、「新型コロナウイルスに効く」と試験しているわけでもありませんので。

そういう意味でやはり、マスクはあくまでもちょっとだけ感染を防ぐ効果をあげるもの、と考えた方がいいかもしれません。

口以外でも、目から侵入することもありますし。

花粉症の人ならわかると思いますが、花粉ガードメガネですら花粉をすべて防げません。

花粉よりさらに小さい飛沫を、そう簡単にブロックできるハズはないですよね

➡新型コロナの正しい予防法③消毒編につづく

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