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失敗する事について考えてみた

これは「Agile Japan 2021アドカレ! Advent Calendar 2021」11日目の記事です。

Agile Japan当日に参加者の皆様からいただいたコメントを見ながら、失敗する事について自分なりに考えたことを書きたいと思います。

閉塞感

最近、イノベーションを促進しようとしている企業が「失敗を恐れずにチャレンジしよう!」とか「失敗を許す文化を醸成しよう!」とか、こんなスローガンを掲げているのを目にするのですが、実際に新しいことにチャレンジしている様子は残念ながらあまり感じられないなぁ、と思っていました。

ビジネスの現場だと、どうしても年度目標の達成が評価に大きく影響しますし、マネジメント層であれば自分だけでなくメンバーの評価にも影響してしまうので、失敗するかも知れないことにチャレンジする心の余裕なんてないのが実情だと思います。
評価者としても客観的に評価しようとすれば、
「成功した」>「失敗しなかった」>「失敗した」で順位付けをした方が、合理的ですし周囲の納得も得られやすいでしょう。
経営陣からすれば、売上や利益がなければ当然ビジネスを継続できないので、いつ成功するかも分からないものに投資するのは勇気が要りますし、結果が出ていないものを評価できないという意見も正しいと思います。

また、スクラムをやっていれば小さな失敗を繰り返して改善につなげる事はありますが、変革を起こすような大きなチャレンジにはなかなか踏み込出せていない現実も感じています。

では、チャレンジをどう促せば良いのだろうか?
チャレンジしたことも評価軸に入れれば良さそうに見えますが、どうしても成功/失敗の比重が大きいので、成功しやすい物事にしかチャレンジしない(そもそもそれをチャレンジと言うのか疑問ですが)文化が自然と出来上がってしまう。
そんな状況が閉塞感を生んでいるのではないかと感じていました。

失敗は避けられないもの

「失敗しても安全であると感じられる文化を作る」というのが理想だと分かっていてもなかなか現実が着いてこない。
そんなモヤモヤを抱えていたのですが、安田さんのキーノートを拝聴した後で Joy,Inc.を読み返してみて、ふと一文が目に止まり気づきました。

失敗を避けられないものとして新しい文化を作るようになる。

出典:Joy,Inc.

あぁ、そうか。
成功↔︎失敗とか安心↔︎恐怖の二項対立で考えるのではなく、避けられないなら失敗もプロセスに組み込めば良いのか。と

失敗→→→発見

有名な話なのでご存知の方も多いかも知れませんが、エジソンの逸話にこんなものがあります。
エジソンは1万回とも2万回とも言われる回数の失敗を重ねて電球を発明したそうですが、
ある記者に「1万回も失敗したのになぜ諦めなかったのか」と聞かれた時に
「失敗ではない。うまくいかない方法を1万通り発見したのだ。」と答えたそうです。

この言葉がただの理想論ではなく、現実解を示した言葉だったと今更ながら気づきました。

Agile Japanでは他にも多くの学びがあったのですが、この「失敗はプロセス一部」という気づきのきっかけになっただけでも、自分にとってはモヤモヤから確実に一歩前進する素晴らしい経験になったと思います。

まだ完全に解決法が見つかった訳ではありませんが、本当の意味でチャレンジできる環境を作るようにこれからも取り組んで行きたいと思います。


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