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対話で世界は変わるのか?ビジネスの手法で世界は変わるのか?その統合アプローチ

対話で世界は変わるのか?ビジネスの手法で世界は変わるのか?
どうしたら世の中を変えるインパクトが出せるのか?

ここ数年、企業での活動と、非営利組織・ボランタリーな組織での活動、この両方に取り組んできて、足元から心を込めてやっていくアプローチが重要なことがとても分かった。特にシステム思考を学んで強くそう思うようになった。一方で、大きくスケールさせることも必要だと思う。
しかし、よいかたちで両立できないなぁ、、。現実、あっちを立てれば、こっちが立たずだと思っていました。

それを、SSIR日本版の発起人のいのさん(井上英之)が
『SSIR(スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー)ベストセレクション これからの「社会の変え方」を探しに行こう。』(2021年8月)の
「05 Creating High-Impact Nonprofits 大きなインパクトの生み出し方」を切り口に、分かりやすく話されていました。

お風呂の中で聞いていた僕は聞き入りました。
コレクティブ・インパクトやシステム・リーダーシップに繋がるお話。

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とっても重要だと思ったので、メモを共有します。

以下、お話は、井上英之さん(「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版」共同発起人)。

各事業単位でインパクトを出しても世の中は変わらない。

スケールを大きくしていってもインパクトは足りない。
必要としているにはまだまだたりない。そういう問題がありますよね。

このやり方では限界があるから、インパクトを出すには、ハイパフォーマンス・ノンプロフィットの研究がある。
それが、『SSIR(スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー)ベストセレクション これからの「社会の変え方」を探しに行こう。』(2021年8月)
「05 Creating High-Impact Nonprofits 大きなインパクトの生み出し方」

パーフェクトマネジメントからはハイパフォーマンスにならない
それよりも外部と繋がっていく力が大きなインパクトを生み出す

ハイパフォーマンス・ノンプロフィットの特徴は、パーフェクトマネジメントをしていないんです。
つまり、完ぺきな経営管理ができている伝説があるんですが、そうではない。

いい経営をしているといい結果が出るわけではない。
それよりも自分たちのリソースを活かす周辺環境が重要で、
メディア、政府、企業などコラボレーションするのをデザイン、外部と繋がっていく力が大きなインパクトを生み出す。

これからの企業もそう。単独でできることは限られている。
そうなると経営管理ではうまくいかない。

コラボレーションの鍵は「私」という存在

そのとき問われるのは私という存在。
例えば学校の先生である私は、どんな気持ちで、どんなスケジュール、どんな山や谷があるのか。
コラボレーションする周りは自分の事情を知らない。また一方相手のことも知らない。お互いのことを知らない。

どんなコラボレーションも自己理解と他者理解が必要

自分が何を前提としているのか気づかなきゃいけない。
それが、マインドフルネスとかいわゆるセルフアフェアネス。
自分自身に気づいて受け入れること。
「たいへんじゃないです、頑張ります」ではなく、「この時間は大変で、こっちはこうで」と。
たいへんな自分を理解できると、同じようなことがパートナーにもあるんじゃないかと。
リーダーが自分自身がわかると自分が分かると、他の人の視野に想像が及ぶようになる。

自分の寂しさを否定したら、他人の寂しさに気づけない

よく社会課題の分野で、私自身のさびしさを自分自身が否定していることがある。
「寂しくないっす、頑張ってますし、みんなそんなこと言っておらず仕事しましょうよ。」
そういうと、人のさびしさが理解できず、どんどん寂しくなる。自分自身の寂しさを否定していると。
自分自身の寂しさに理解できるようになると、他者の寂しさに気づける。
そして、会話ができる。システムの扉が開く。

私が何者でどこにいきたいのか?

コラボレーションするためには、
私は何者で、どこに行きたくてという方向性がないと人と組みようがない。
多様な生き方、あり方が必要となっていく中で、私自身を理解し、私の意図を理解する、やりながら変わるもの。
その私の意図を共有し合うことでしか、違う誰かと繋がって何かをつくるという今超必要な課題がクリアできない。

私、仕事、世の中のアライメント

一見、つながりが見えなかった私の中心としたマインドが変わり行動が変わっていく変容の世界と、組織的なインパクトを規模として出していくことを大切に技術を磨いてきた仕事やビジネスの世界が、
いよいよこれだけの環境変化がある中で、新しい世界を生み出さないと地球も人類もやばくないっていうときに、
私、仕事、世の中のアライメントが成り立っていないと、どうもうまくいかない。
だからパーパスという言葉でそれをまとめようとしたりとかしている作業中だと思うんですね。いろんなノウハウが生まれ始めている。

以上、Human Potential Lab の無料ウェビナー『「個人のウェルビーイング」 と「ソーシャルイノベーション」の統合へ』(2022年1月)の20分過ぎくらいより。

興味持たれたらこちらをどうぞ。SSIRベストセレクションの巻頭が読めます。

世界は今、新しい「社会の変え方」を必要としています。
(中略)
何とかすることは、できるのでしょうか?

誰しも、悪意があるわけではありません。あるとき生活習慣病になってしまった人でも、毎日の生活のなかで、病気になりたいという意図があったわけではありません。環境問題だって、地球環境の破壊を日々の目標にしている人なんて、まずいません。

だからこそ、今、私たちは、何かのやり方を変えないといけない。これからの人生や、より多くの人たちや、次の世代にとっての明るい未来のためにも。

では、何のやり方を変えるのでしょうか? それは自分の生活習慣かもしれません。会社での働き方や意思決定の進め方、学校での学び方かもしれません。さらには、家族のあり方や人生の優先順位かもしれません。こういう1つひとつのやり方が重なり、それぞれの足元から世の中が変わっていく。ひとりの偉大なリーダーが皆を引っ張って起こす変革や、政府の政策の転換にとどまらない、こうした小さなことの積み重ねが、今必要な「社会の変え方」のひとつなんだと、私は考えています。

『これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。――スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー ベストセレクション10』

そう足元から。それをどう大きなインパクトに変えるのか?

「わたし」を取り戻すことで分断を超える
「コレクティブ・インパクト」をはじめとした、ここに収録した多くの論文で共通するテーマは、互いにどう「協働」していくのか、というものです。これは、社会課題に関する話ばかりでなく、どんな分野でも重要なテーマでしょう。社内にいる別部門の人たち、あるいは社外の組織やグループなど、立場の違う誰かとの協働によって、より大きな目標を実現しようとする場面が、私たちの社会で増えていると思います。
中略
「わたし」のさまざまな側面に目を向けられると、同じように他者の中にもある多様さに気づきます。注意の向け方が変わります。それによって、いつの間にか固まっていた「わたし」や他者の新しい役割が見えてくる。そう、「集団」を単位としていたときとは違うかたちで、社会を捉えられるようになると思うんです。それが見えてきたとき、「わたし」たちがほしい未来に近づいていくための選択肢が、以前よりずっとたくさんあると気づくはずです。

『これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。――スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー ベストセレクション10』

巻頭の全文は以下です。

そして、2022年1月出ました。ベストセレクションに続き、創刊号です。
『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 01 ソーシャルイノベーションの始め方』

創刊号のテーマは「主語を『わたし』に戻す」。社会の不正義や不平等、不合理や不便を解決するためのソーシャルイノベーションは、個人で実現することはとてつもなく困難です。でも、どんな取り組みも一人の「わたし」から始まります。「国」「自治体」「学校」「会社」「あの人たち」という主語から「わたし」という主語に戻すことから、新しい選択肢を見つけていきましょう。

興味湧きますよね。こちらからどうぞ。

ときどき、SSIRの読書会(アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD))を開催しています。ぜひご参加ください。
そう、この2022年春にまた開催(全2回)します。とっても重要なベスト盤の02 「システムリーダーシップの夜明け」(『学習する組織』のピーター・センゲ)です。

https://ssir-j.org/system-leadership/

「社会が変わる」と言っても、どれか1つの解決策では実現できず、複雑なシステム全体を変化させる必要がある。それは、ビジョンや解決策を示して先頭に立つ、英雄的なリーダーが解決に挑むのでは限界がある。問題に関わる多くの人々を支援し、「自分も変わるべきシステムの一部なのだ」と気づかせ、それぞれが変化を起こせるように導く存在―すなわち、システムリーダーが必要だ。システムリーダーシップの本質とは何か? どうすればシステムリーダーになれるのだろうか? 現在さまざまな場所で生まれつつある、これからの時代に欠かせないリーダーのあり方に迫る。

以下のシステムリーダーシップの学びと実践のコミュニティメンバーと一緒に読みます! 募集は僕のFacebookに投稿する予定です。おそらく隔週の火曜日夜での開催(2回セット)。

単発での学びは毎月こちらにありますよ。

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https://www.facebook.com/tomohiro.kimura/


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