炭水化物に炭水化物?
この間テレビを見ていたらある芸能人夫婦の妻の方が出ていた。彼女は東京の人で夫は関西人。夫がお好み焼きが好きなのでよく作るという。その時夫はお好み焼きを白ごはんといっしょに食べたがるらしい。関西の人はお好み焼きをおかずのひとつとしてとらえているようだ。でも東京人の妻はお好み焼きを主食=炭水化物ととらえていて絶対に同じ炭水化物であるご飯を炊いてあげないのだそう。主食であるお好み焼きがあるのだから白いご飯なんていっしょに食べられないというのが彼女の考え。白ご飯を食べたがる夫に対して妻は頑としてそれを出してあげない。『お好み焼きは炭水化物、ご飯も炭水化物でしょ!』確かに奥さんにはお好み焼きに白ご飯は合わせられないという信念があるのでしょうけどそこまで頑なにならなくてもなと思う。旦那さんが食べたいというならご飯くらい炊いて出してあげればいいのに。東の価値観と西の価値観の激突ですね。軍配はいつも東の奥さんの方に上がるようだけど。
ずっと前に北海道の人はラーメンの出前を頼んでそれをおかずとして白ご飯を食べると聞いた。だから日本でも炭水化物に炭水化物を合わせるのはそんなに珍しいことじゃないのだ。
アメリカではスパゲッティには常にガーリックトーストがついてきた。ミートボールが乗った脂ぎったトマトソースの麺にニンニク入のマーガリンをこれでもかと吸ったフランスパンの組み合わせだ。もしかしたら1食2000カロリー位はあるんじゃないか?スパゲッティに添えるならキャロットラペかコールスローの方がよほど健康的だ思うんだけど、どこに行っても決まってガーリックトースト。たぶんスパゲッティがイタリア人によってアメリカに紹介された時から油を吸わせたトーストは添えられていたのだろう。誰かがイタリアではパスタはスープのような扱いだと言っていたのを覚えている。スープならパンが付きものだからパスタにパンを合わせるのもうなずける。最初の頃『炭水化物のパスタになんで炭水化物のパンを合わせるの?』と思ったけれど今ではスパゲッティの横にガーリックトーストが無いとなぜかさみしいというか物足りない気分になってしまう。
最初から周りが当たり前に炭水化物スパゲッティに炭水化物パン添えをしていたので『炭水化物に炭水化物はおかしいでしょ!』と突っ込むこともしなかった。でも「日本ではそんなことしない、少なくとも私の実家ではやらない!」と言い張ってガーリックトーストを家族が食べたがっても出さない人もいるかも知れない。それはその家庭それぞれで折り合いを付けてやっていけばいいことだけど、自分が強く希望することを否定され続けるのもちょっと家族にすれば心が折れるんじゃないかしら。
そういえば究極の炭水化物に炭水化物メシ?を思い出した。ある芸能人が学生時代山岳部に入っていてそこで先輩から教わったメニュー。まず飯盒でご飯を炊き、それとは別にお米を水と醤油で煮るのだそう。煮あがった米の醤油煮を白ご飯の上に乗せてそれを食べる。山で食べるすごいお料理です。ご飯をおかずにご飯を食べるんだから。でもとても美味しいに違いないと思う。