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バラは雨上がりがいい

写真を始めるまでバラが秋にも咲くことを知らなかった。春と秋で何が違うのかまでは分かっていないが、年に2回撮れるチャンスがあるのはありがたい。春は花粉症であまり出たくないので、涼しくなる秋の方が撮りやすいのだ。

だが花は難しい。写真を始めた頃、知り合いから「まず綺麗な花を見つける」と教わった。一般的な綺麗と写真としての綺麗には隔たりがあることをその数年後に痛感することになるのだが、一番違うのは「理由づけ」じゃないかと思う。

別に花に限ったことではないが、絶景よりも身近な被写体なのに撮る人であまりにもガラッと変わるのは花が最たるものではなかろうか。まあそんな御託は本題ではない。

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今回は雨、途中から雨上がりというシチュエーションだったが、タイトルの通り、バラは雨上がりが一番綺麗だと思う。

この日は雨が止んでも雲が厚く、日差しがなかった。夕方という時間帯もあってやや暗かったが、花弁のトーンをメインに撮るなら暗い方がいい。背景も暗いのでバラの明るさが際立つ。

曇りでも暗いが、雨上がりの方が彩度が高くなるような気がする。これは完全に感覚的なものなので、実際どうなのかは分からない。ただ夜の飲み屋街でも自然風景でも、湿度が高いと色が濃いように感じる。

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今回はほぼ撮って出しの写真ばかりだ。1枚だけ花弁のゴミをAffinity Photoの修復ツールで消したが、概ね状態の良い花弁を見つけることができたと思う。

花の難しさはこれだと思う。色が綺麗なだけならある程度見つかるが、花弁が痛んでいない、ゴミが少ないものはけっこう少なく、さらにテーマに合わせた構図で撮れる向きで咲いているかまで見ると合致するものは全体の数%ほどになるだろう。

実際、都立植物園の広大なバラ園で撮ったにも関わらず、シャッターを切ったのはほんの20株分くらいだった。

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アングルを変え、縦横を変え、露出や絞りも変えてそれぞれ数カット撮る。これがベストという自信を持って撮るのはまだ難しい。

トーンを主で撮ると、どこにフォーカスを合わせるかに迷う。でも雨上がりなら花弁に付いた水滴に合わせられる。花弁の表面に合わせようとすると、凹凸が少ないからけっこうしんどい。

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この花弁の色は晴天の日だと撮れなかったと思う。もちろん晴天でないと撮れない写真もあるので、一長一短ではある。それでも花弁が比較的厚い花は雨上がりの方が映える。

今回は防滴でないTouit 2.8/50を使ったが、防滴だとより幅広いシチュエーションに対応できると考えると機材に先行投資することは悪くない選択だと確信できる。Xマウントに対応したマクロレンズで、防滴対応のレンズはXF80mmしか選択肢がないことが残念だ。

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