見出し画像

20240514 散らかった部屋

奥二重の調子が良い。ささやかなうれしさがある。ただそういうものでは埋まりきらないさみしさもあり、手頃な抱き枕を買おうか真剣に悩んでいる。弱みを他人に開陳できるという点ではひょっとすると強い人間かもしれない。ビバ・プラシーボ。

さいきん世界に、他人に、期待しすぎている気がする。例外なく、自分にも。

めげても悄気ても愛してやるにはあまりにこの荒野には誰もおらず何もなく、何もないというのもまた誰かに失礼で、でも本当に誰もいないし何もないんだよな、と、荒野に似た六畳間でそう思っている。

思考だけが散らかって、でも他人にはわからないそれは世界を不可視のごみ屋敷にしていく。せめてあなたに見せたいと思った、片付けられなくていいから一緒に散らかしたいだけだ。鍵まで渡してしまったらそのうち嫌になるのかもしれなくて、でも渡してみたいのにな、と思いながら、また部屋が散らかっていくのを眺める。あなたの部屋も心ゆくまで散らかしてみたい、とずっとそう思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?