20240416 化石と幽霊のための
読み返しては忘れる一節に、忘れてもまた読み返す一節に、遠く存在しない過去が映っている。
晴れた日の室外機。水溜まり。朝10:05の忙しなさ。おはよう、と文字を打っていた毎日さえも、なんだか子供の頃のように思える。自転車の3段変速ギア。あの子に笑われた鮮やかな水色のシャツ。延々とタイムトリップしている。透ける白いシャツ。白い肌にそばかす。どうにもならないことを知っているのはこれがタイムトリップだからだ。
読み返しては忘れる一節が、忘れてもまた読み返す一節とまったくちがう形をとっ