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消防士が教える暑熱順化

みなさん暑熱順化(しょねつじゅんか)というものは知っていますか?

熱中症を予防として最近よく耳にすると思いますが
実際どうやればいいの?どんないいことがあるの?
など疑問があると思います。

そんな疑問を
救急救命士で現役の消防士として
今も実践している立場から
詳しく説明していきたいと思います。


暑熱順化の本当の意味


暑熱順化とは読んで字の通り
暑さ順応する(慣れる)ことです。

では慣れるとはなにか?

それは

汗をかく温度を低くする


そうすることで体温を上げるのを未然に防ぐのです!


汗をかく意味


身体がこれ以上熱くならないよう反応している自己防衛です。
汗をかいてその汗が蒸発することで熱を奪い身体を冷やすのです。

だから汗が出なくなったらほんとに危ないのです。

また汗をかき慣れている人の汗は臭くないってご存じですか

汗の臭い対策 なぜ臭う?改善策はもっと汗をかくこと!専門家解説 - ウェザーニュース (weathernews.jp)

サウナの1回目って暑くない?

サウナに行ったことがある人は分かるはず
サウナに入った1回目って暑くて皮膚が痛くないですか?

これは急激な温度変化に身体が適応しきれず
汗が出るのが間に合っていないのです。

この現象が暑熱順化出来ていない状況なのです。

熱中症の発生状況

総務省消防庁の資料を引用

このグラフから分かるように7月の発生が多いと分かります。

7月は全国的に梅雨明けの時期で急激な気温の変化があります。


実際に行っている方法

私が実際に行っている暑熱順化の方法をご紹介します。

服装は長ズボンに上は防寒性のあるウィンドブレーカーを
着用してランニングを15分しています。

ポイント1

運動の前に十分な水分補給をしておくことです!
こうすることで汗に回せる水分が確保でき身体が積極的に
汗をかこうとします。これで汗をかくことを身体に覚えさせます。
また脱水症状の予防にも繋がるのでおすすめします。

ポイント2

ウィンドブレーカーを着ることです。

なぜウィンドブレーカーを着るか?
それは日本の夏を想定してください。
日本の夏は高温多湿です。
ウィンドブレーカーを着ることで
服の下は汗が籠もり高温多湿となります。

高温多湿下では汗が蒸発しづらく、熱が逃げにくいです。
その状況を想定しての服装なのです。

ポイント3

一回で長時間やろうとしない

身体を慣らして行くには時間が必要です。
1回の時間は短く、1週間に1度
と続けて行くことが大事です。

無理のない範囲で継続していきましょう!


熱中症にならないための暑熱順化

1.梅雨が明ける前の6月から暑熱順化を始める

先ほどのデータの通り熱中症は暑さに慣れていない7月に
多く発生しています。
本格的に暑くなってきた7月からでは遅いのです。

そのために6月から暑熱順化を始めることが大事です。

暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。

暑熱順化 | 熱中症ゼロへ - 日本気象協会推進 (netsuzero.jp)

2.無理のない範囲で行うこと

暑熱順化は汗をかく温度を下げていくトレーニングです。

1度熱中症になってしまうとその機能はリセットしてしまうと
言われています。

なので無理のない範囲内で、
こまめな水分補給をしながら行ってください!

これにより一人でも多くの方が
熱中症にならないことを祈ります。

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