勝ち負けを超えるって何がだろうね。
武術系にはこういう考え方がある。
「ルールがあって勝敗がある格闘技は所詮、ゲーム。私達は本当の『実戦』を想定しているのだ」
そもそも格闘技と武術は別物だと考えればいいってだけの話だ。でもどうしてもここに「実戦をやっている私達のほうがエラい」というニュアンスが混じってしまうのが問題だ。かくいう私もそうだった。
著名な先生の言うことを真に受けて、「競技化によって武術本来の技術が形骸化してしまった」なんて信じていた。
だから競技化されない、本来の武術を追求しているのだ、と。
そしてその価値は勝敗を超えたところにある。勝敗とかルールとか特に深く考えることなく、一緒くたに「つまらないもの」としてくくってしまった。
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