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noteで学べるシステマ講座 第31回ミカエルが教える「Keep calmってなに?」

「Keep calm(カームであれ)」

恐れず、荒ぶらず、カームな精神状態を保つ。

システマでしばしば聞かれる言葉です。

calmを英和辞書で引いてみると、次のような意味が見つかります。

(波やあらしがなく)穏やかな、静かな、平静な、落ち着いた、自信たっぷりの、うぬぼれた 出典:weblio辞書

代表的な例文には次のようなものがあります。

Calm down. 興奮しないで. - 研究社 新和英中辞典
I'm calm. 心が落ち付く。 - Weblio Email例文集
a dead [flat] calm 大なぎ. - 研究社 新英和中辞典
Calm nerves 緊張を解く - Weblio Email例文集

いずれもweblio辞書より

全般的に「静けさ」を表す言葉として用いられていることが分かります。「自信たっぷりの」、「うぬぼれた」といった皮肉めいた使い方もあるようですが、これはイギリス英語独特の例外的な用法らしいので、気にしないで良いでしょう。

もともとの語源はイタリア語の「凪」

海面と地表の温度差によって、海沿いでは常に風が吹いています。

朝と夕のほんのひとときだけ、海面と地表の温度差がなくなり、ぴたりと風が止まります。

これが「凪」です。

朝に陸風から海風に切り替わるときを「朝凪」、夕方に海風が陸風に切り替わるときが「夕凪」と呼ばれます。

海沿いに住んでいる方には馴染み深い現象でしょう。

北川も幼少期をいまでいうベイエリアで育ったので、夕方になんとも言えない、しんと世の中が静まりかえるような時間があったのが印象に残っています。

その静かな「凪」が、精神状態の比喩として用いられているのです。

精神の「Calm」とは?

では「Calmであれ」という言葉が示す、Calmな精神状態とは?

静かで落ち着いた精神状態ということができます。

そう言葉で言うのは簡単です。

でも実際に「静か」で「落ち着いた」精神状態とはどのようなものなのか。それはどうやってもたらされるのか。こういう分かっているようで、実はあいまいな理解で済ませてしまっているところに、大きなヒントがあります。

Calmの体験

北川がミカエルに「Calm」を体験させてもらったことがあります。その体験は私なりに「システマとはこういうものか」と理解した出来事でもありました。

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