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noteで学べるシステマ講座 第52回「なぜ軍隊武術で癒やすのか〜システマ的健康生活のススメ」


noteで学べるシステマ講座 第52回
「なぜ軍隊武術で癒やすのか〜システマ的健康生活のススメ」

本来のシステマは隠されているのか?

ロシア軍特殊部隊で生まれたマーシャルアーツ「システマ」

wiki日本語版にはこんなことが書いてあります。

「一般向けのセミナーでは殺人術などの軍事・警察関連機関向けの戦闘術は指導・公開されていない。」

つまり日本では公開されていない「本来のシステマ」は殺人術・戦闘術ということですね。これは世間のシステマに対する一般的な認識と言えるでしょう。

このことについてミカエルに聞いてみたことがあります。そのときは確かこんな答えでした。

「軍隊と言っても、戦いばかりではない。移動したり塹壕を掘ったり野営したり毎日の食事を用意したり、軍務全体からみれば戦闘なんてごく一部だ。システマはその全てに役立つものであって、戦闘だけに特化したものではない」

最前線で戦うには、まず様々な難関をかいくぐって最前線にまでたどり着かなければいけません。そもそもそっちの方が大変なのだと。

またある時はこんなことを聞いてみました。

「システマを学ぶ上で、カラシニコフとかアサルトライフルの使い方とか覚えたほうがいいんですか?」

ミカエルの答えはこう。

「持ってるの? 持ってない人に教えても仕方ないだろう」

はい。身も蓋もありませんね。さらにこう続きます。

「そういったテクニックは練習すればすぐに覚えられる。システマではもっと大切なことを教えているんだ」

ミカエルにとって銃器の扱いなど軍隊で用いるスキルは、車の教習所で自動車の運転を覚えるようなものです。だからあえてシステマのセミナーでやることなどないと考えているようです。

その一方で、ミカエルが実際の戦闘に役立てているのは、意外なスキルだったりします。

「ミカエルはなんでそんなに笑い話のレパートリーが豊富なの?」

と聞いた時のことです。

ミカエルはセミナーの最中、何度もジョークを飛ばします。ロシアだとロシア人だけが爆笑して、他の国の人が置いてきぼりになることもしばしば。通訳さんに訳してもらってもまったくピンときません。英語のわかるロシア人に「いまのギャグ、どこがおもしろかったの?」と聞いても「このニュアンスはとても訳せない。でもロシア語がわかればほんとに面白い」との返事が返ってきたりします。

ミカエルはこう答えます。

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