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どようび

10日後に控えたライブ(もちろん演者ではなく客。)に着ていく服に迷っていた。
持っている物の中で大体目星は付けていたものの、ネットで探してみたりちょっと悪あがいていた。
仕事帰りにふらっと寄ってみた風に入ったちょっとワカモノの服屋さんで、探す気満々なのがバレないように店内を見渡すと、ほぼイメージ通りのものが目に留まった。様々な年齢の客がゆっくり選んでいる中、ずんずん歩いてそれを手にしたと同時に店員さんが声を掛けてきた。見ると若くてかわいらしい方だったので咄嗟に『おばちゃんでも大丈夫ですかねぇ』と完全に素の声で聞いている自分がいた。!?という顔で返答に困っている店員さんにあまり顔を見られないように試着室へ向かった。カーテンを閉める時、黙っていた店員さんが意を決したかのように、ぐるっとわたしの顔を覗き込むように見て『二十代かと思いました〜』と笑った。
別にいいんだけど。そのタイミングとそのセリフ。そもそもわたし年齢言ってない。
黙ってるのもアレなので『大丈夫です。慰めはいりません』と半笑いで答えた。若いですねと言って欲しいわけではなかったのだ。
オバチャンという言葉を軽々しく発してしまった自分を恥じた。

自分で撒いた種だ。

ここで、何歳に見える?とか○○歳なのよ〜と言えるほどのポテンシャルは残念ながらまだない。
そこまで振り切れていない。


日に日に考えが変わる。
あんなにも改善したいと思っていたことがどうでもよくなる。言い訳もたくさん思い付く。壊してみたいとも思う。何も無かったようにも振る舞える。

自分で撒いた種は今すぐ刈り取らなくてもいいような気がしてきた。そのまま放っておいたり気が向いたら育てたりしてもいいよなと1週間を振り返って思った。


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