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博耕房授業記録【6月④】

こんにちは。

今週の博耕房の授業内容をご報告いたします。
6月の4週目。早いものですね。
生徒達も期末テストの時期にさしかかりつつあります。指定校推薦を狙うのではないのであれば授業にはしっかりと参加し続ける、というのが合格する受験生のマインドであることはわりと良く話をしています。映像等で振替が出来ないライブ授業を受けるのであれば当然といえば当然ですが、なかなか難しいんですよね。

さて、そんな中でそれぞれのクラスの取り組みを確認していきましょう。

◇ハイレベルのキントレ

今回はクラスによりキントレを変えています。
ハイレベルは引き続き小説文の読解を扱いますので、2012年の井伏鱒二「たま虫を見る」の問2と問4を抜粋して演習いたしました。

文章内容は「たま虫=不幸の象徴」となっていること、そしてそれを各場面で繰り返す構造になっていることを確認しました。

設問においてはセンター試験の問題ですので、「きっかけとなる出来事」の確定とそこからの因果関係を確認しました。受講生はスタジオキャンパスの卒塾生なので、中学受験の経験者達なのですが、基本的にはその頃から作業は変わっていない、場合によっては中学受験の方が難しいこともしばしばあるよね、というお話をしながらの解説です。

共通テスト、センター試験の小説文は問われていることの確認と的確な作業が出来ると中学受験経験組はアッサリと得点できたりします。反対に、中学受験の頃からフワッと国語の勉強をしていたタイプは点数が上下する傾向にあるんですよね。

入試現代文という枠組みの中で何をしたら良いのか、ということをしっかりと考えることが大事なのです。特に受験生は。

◇ハイレベルの演習課題

2015年の香川大学、芥川龍之介の『沼地』を扱いました。

この作品の概要は下記の通りです。

『沼地』という無名の画家の作品を見た「私」と「新聞記者」のコントラストが描かれている。
芸術を外部情報(画家の地位や生い立ちなど)からしか見ることが出来ない俗物としての新聞記者を批判的に扱い、その存在全てを作品にぶつける無名の芸術家に心を打たれる「私」とのコントラストを描いた作品。
芸術とは作者が有名かどうかにより評価が決められるべき物ではない。その作品に込められた想いや懸けているものこそが芸術の価値であるという芥川の考えがが込められている作品である。

文章内容がややわかりにくく、設問も的確に難しいところを突いてくるので、解くのになかなか骨が折れる良問でした。

その中で、確実にきっかけとなる出来事を押さえ、そこからの心情を考えること、という基礎作業の大切さを授業内ではお話ししました。
どんなに難しくてもやるべき作業って基本的には変わらないですからね。

だからこそ、その作業の「引き出し」を増やすことがとても大事になるのです。それを鍛えるのが2学期になるんですよね。それまではとにかく読む力を上げる。それに尽きます。

◇ベーシックの「キントレ」

テーマは「論と例」の対応。そしてそれをどこまで意識して読めるのか、です。今回は1991年のセンター試験の文章を扱いました。かなり古いので、共通テスト対策としてはあまり使えないのですが、読解のトレーニングとしては扱えますね。

そんなに国語が得意なわけではない高1生ですが、論理構造が少しずつ取れるようになってきました。非常に良い傾向。あと、模試や定期テストへの向き合い方も本当に良くなってきましたね。それなりに難しいことを要求していますが、受講生はしっかりとこなして伸びる萌芽を感じさせてくれています。ありがたい。

設問を解いた後は文章の論理構造を確認し、すぐに要約文の作成に入ります。6月は要約強化月間でしたが、だいぶ書けるようになってきましたね〜嬉しい限りです。

◇『友だち幻想』

今週はあまり進まず。残り2回で第四章を終わらせます。

以上が報告でした。
来週はおやすみになります。それでは。

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