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アメリカ経済2019見通し&注目点

・2019年の米経済について、対中追加関税第4弾(残る2670億ドル相当)
 が発動されるかどうか、減税や歳出拡大が支えとなって堅調な推移となる
 かがポイント。
・米中の貿易摩擦については、19年3月1日を期限とする協議が行われている
 が、技術移転の強制や知的財産権の保護、非関税障壁、サイバー攻撃、
 サービスおよび農業の市場開放という構造問題について、90日という短期
 間でお互いに納得のいく結論を出すのは難しいとみる。
 この場合、米国が2000億ドルの中国製品に対して、現在課している10%の
 追加関税の税率を25%に引き上げる可能性はある。
・もっとも、中国経済の減速感が強まっているほか、米国でも株価の下落が
 続くことは20年に大統領再選を狙うトランプにとって好ましいことでは
 ないだろう。このため、これ以上の対立を避け協議によって解決を探って
 いく展開も考えられる。

2019年は先行きの不透明感が高い状況であることは事実であり、
①貿易摩擦の深刻化
②中国経済のさらなる下振れ
③米国の物価上昇率やFRBの利上げペースの加速
④イギリスのEUからの合意なき離脱
以上の4つのリスク要因には注意を払っておきたい。

「米国株19年前半のポイント」
①企業経営者の米景気に対する楽観的な見通しが後退していること
②米中通商協議で2月末までの期限内に合意に至るか不透明なこと
③企業の好業績および海外資金の米国送金(レパトリ)を背景に企業の手元資金は潤沢であり高水準の自社株買いが継続して株価の下支えとなる見通し

「年央以降のポイント」
①FRBの利上げ一時休止
②半導体在庫の調整一巡
③5G向け投資の本格化
④原油輸送パイプライン竣工に伴う原油探査・掘削投資の持ち直し等を背景に金融市場の流動性改善および、景気のソフトランディング期待がみられるだろう。

<金利見通し>
・12月には、米5年債利回りが2年債の水準を下回る逆イールドが発生した。
・18年は貿易摩擦による世界経済減速懸念や、原油安による期待インフレ率
 の低下が金利上昇抑制要因として挙げられる。
・米国では、FRBの利上げが行き過ぎることで経済の減速感が強まるとの
 懸念があるが、今後の利上げについては、中立的な金利水準に近づいて
 いることから、慎重に判断していくとみられる。
 このため、経済の悪化につながるような大幅な引き締めは避けられる
 可能性が高い。

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