黛冬優子と和泉愛依の絆の美しさについて。あるいは冬優子と「さなぴー」の共通項の話。【The Straylight】
こんにちは、黛冬優子と和泉愛依の絆のあまりの美しさに揮発したあとの思念体と申します。
アイドルマスターシャイニーカラーズ(通称シャニマス)のイベントシナリオ【The Straylight】を読み、ストレイライトは最強…………やっぱりストレイライトが大好きなんだよな…………ストレイライトは最強…………とうわ言を繰り返す日々を送っています。
本シナリオはとにかく素晴らしく、多くの角度から語ることができるのは間違いありません。特に筆者は、黛冬優子と和泉愛依の関係性について揺さぶられました。本記事では二人の関係性に焦点を絞って考察を進めていきたいと思います。
独自解釈です。解釈のひとつとしてお読みいただければ幸いです。
※ストレイライトに関係する一連のコミュの内容を含みます。
1.愛依の相談について
はじめに、素の自分でステージに立つことについて、葛藤する愛依が冬優子に相談するシーンを考えていきます。
愛依の悩みには、二つ、考慮しなければならないポイントがあると思います。
一つ目は素とキャラのギャップです。(以降、愛依のアイドルとしての振る舞いを本人の言葉を借りて「この子」と呼びます。)
素の愛依として表舞台に立つことで、「この子」を応援してくれるファンの期待を裏切ることになるのではないかという懸念。そのリスクは本シナリオでも配信者の放送という形で描かれています。
この点については冬優子の提案により、「要はやりよう」「計画的に動くこと」等、一定の整理がなされています。冬優子は「あんたがそうやって悩むほど、深刻な話じゃないわ」と話します。
焦点を当てたいのは二つ目です。シャニマスは、作中のアイドルの世界がいかに厳しく、熾烈であるかを描き続けてきました。
それは、ストレイライトというユニットが何度も直面してきたことです。ストレイライトは、本シナリオにおいても、他のアイドルグループに力負けしています(と彼女達は感じています)。
パフォーマンスの更なるレベルアップ。それは愛依が相談している時点で直面しているユニットの課題の一つです。
つまり、二つ目の考慮すべき点は、クールキャラとしての振る舞いをやめた「素の愛依」が1人のアイドルとしてステージに立ち、熾烈な世界で勝負していくことができるのかということです。さらに突っ込むと、「素の愛依」がファンに受け入れられ、クールキャラと同等かあるいはそれ以上に人気を獲得できるのかということです。
冬優子はこの課題をどう捉えたのでしょうか。ここに焦点を当てて考察を進めていきたいと思います。
2.冬優子→愛依
冬優子はストレイライトの戦略家です。愛依を後押ししたのは、戦略的に許容範囲であり、愛依がそう振る舞いたいと相談しているのだからその方がよい、という判断もあったでしょう。
一方で筆者は、もっとパーソナルな、冬優子の想いのようなものを感じました。
冬優子は愛依と同じくキャラクターを演じます。そもそも、冬優子はなぜ「ふゆ」を演じるのか。そのスタンスは明確です。
冬優子には、「とっても魅力的な女の子だけがなれる特別な存在」という、自身が考えるアイドルのハードルがあり、「素の自分」はそれに合致していないと考えています。その理想像に近づくため、自らは「ふゆ」として振舞っています。
一方で、同じくキャラクターを演じる愛依には、素の自分として振る舞うことがゴールだと伝えています。これはどういうことでしょうか。
それは、冬優子は「素の愛依」が「とっても魅力的な女の子だけがなれる特別な存在」というアイドルの条件(それも極めてハードルの高い)に合致していると思っていたからこそ、後押しできたのではないかと考えます。
愛依の特筆すべき長所は人懐っこく、何より仲間思いであることです。時には自己犠牲を厭わないほどに。この長所はファンと接する際にも遺憾無く発揮されるに違いないでしょう。
そしてそれは、愛依をストレイライトの「真ん中」と称した冬優子が最もよく分かっていることです。
言いたい事だけを言うと、こうして後押しできたのは、冬優子って愛依のことをめちゃくちゃ評価していて、めちゃくちゃ人間として惹かれていることの裏返しだと思いました。
ん?ちょっと待てよ…………
素の愛依のことをアイドルとして十分通用すると思うほどにめちゃくちゃに評価していて、めちゃくちゃに人間として惹かれている人物ってそれって……………………
「さなぴー」やないかい!
「さなぴー」もまた「素の愛依」の魅力を知り、彼女が十分にアイドルとして通用すると信じて疑わない人物です。
さなぴー「ここにいる愛依だって、すっごくかわいいのに」
冬優子「うん!ふゆもそう思うな〜!(へぇ、わかってんじゃない)」
仮に二人が愛依について会話する機会があるならばこのようになる。(幻覚)
「素の愛依」は愛依の親友にも、戦友にも認められたお墨付きです。
「素の愛依」はアイドルとして戦っていけるのか。愛依の相談を受けた冬優子にとっては、そんなことなど考慮する必要もないほど、彼女が魅力的であることは明白でした。
これは仮定です。「素の愛依」がアイドルとしてやっていくことが難しいと考えていれば、冬優子は愛依の相談を諭したかもしれません。それこそ冬優子が「ふゆ」を演じ続け、これからも演じ続けるように。
そうしなかったのは、冬優子が素の愛依のことを「とっても魅力的な女の子」と捉えていたにほかならないからです。結局は、冬優子、やっぱり愛依のことめちゃくちゃ好きじゃんということを言いたいわけです。
3.愛依→冬優子
愛依とプロデューサーで作り出した「この子」は常に「ふゆ」の背中を追い続けていました。
和泉愛依と黛冬優子は共に「キャラクターを演じる」アイドルですが、冬優子は実生活レベルで「ふゆ」を演じています。
そして、冬優子は幼少期から「ふゆ」と共にありました。「キャラクターを演じるアイドル」である二人ですが、その道は、冬優子が先を歩んでいると言えるでしょう。
冬優子は愛依より1歳年上であり、身長も1cm高い。冬優子のキャラクター設計のひとつには「愛依の1歩先を歩むキャラクター」との示唆がある(のかもしれない)。
そして、愛依は冬優子のひたむきな姿勢に感化されています。
理想のアイドルを目指すために徹底的に「ふゆ」を磨き上げる冬優子の姿勢。和泉愛依と「この子」にとってのリスペクトの対象のひとつは、黛冬優子と「ふゆ」です。
4.愛依の決意について
「この子」としてやっていきたいと決意する愛依。ここで、注目したい点は、愛依が「素の自分」で勝負できるにも関わらず、最終的に「キャラクターを演じ続ける」という決意をしたことです。
先述したとおり、この決意には共にキャラクターを演じ続け、これからもキャラクターを演じ続ける冬優子の存在も大きいように感じます。
そして、この覚悟は冬優子にとっても救いだったのではないでしょうか。
冬優子にとっての、自身では叶うことのない(と本人は思い込んでいる)「ベールを脱いで素の自分としてステージに立つ」という理想のひとつ。
愛依はその理想を実現させることができる「とっても魅力的な女の子」です。そんな彼女が「キャラクターを演じること」つまり、冬優子の生き方を選んだこと。肯定したこと。
キャラクターを演じ続けること、それがどれほど困難か、冬優子は身に染みて実感しています。その道を共に歩んでくれる戦友がいる。冬優子にとって愛依の覚悟はどれほど心強かったでしょうか。
愛依の覚悟により、「キャラクターを演じるアイドル」である二人の絆は、より一層強まったに違いありません。
冬優子と愛依は「キャラクターを演じる」ことでしかステージに立てないのではありません。そんな消極的な理由ではなく、彼女達は舐めた態度を見せる他のアイドル(おい)を、世間の「アイドルにしては」という評判を、ぶった斬る必殺の武器として「キャラクターを演じる」という覚悟をしたのです。
5.ストレイライトのリーダーについて
どうしても言及したかったので少し余談です。リーダーとしての冬優子を語るにあたり、個人的にめっちゃ重要だと考えている場面がこちらです。
冬優子の口から語られる自身のアイドルとしての原点。
この場面でめっちゃ重要だと考えるのは、冬優子が夢見た「アイドル」とはソロではなくユニットであるということです。
【The Straylight】のこちらの場面を見ていきます。
冬優子がリーダーを「好きでやっている」と話すのは、アイドルの本質的な魅力はソロ活動ではなくユニット活動にあるという価値観が大きいのだと考えます。
冬優子は、メンバーの舵取り役を務め、時おり愚痴をこぼしながらも、めちゃくちゃ充実した日々を送っている実感があるのではないかと思います。
何より、
「可愛い子、かっこいい子 ひとりひとりが……特別なキラキラで……」
「みんなで力を合わせれば もっともっとキラキラになれる」
おい………これって………
「ストレイライト」じゃねーか
冬優子はかつて、夢見た世界にいるんだな……
そして、「特別な子」にも負けないほど、魅力的な特別でキラキラな「ふゆ」を作り上げられたんだな………
そして、和泉愛依と、芹沢あさひとかけがえのない絆を結ぶことができたんだな……
本当に良かったな………冬優子………(筆者、浄化され天(そら)へ)
END
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