googleの動向から読み取るユーザーが必要としている情報とは?
こんにちは!tkdです。
今回は「googleの動向から読み取るユーザーが必要としている情報とは」についての考察について記事にしていきたいと思います。
なぜ、ユーザーが必要とする情報を知るためにgoogleの動向を追いかけるのでしょうか?
それは、googleのビジネスモデルを考えるとわかりやすいのですが、
googleが検索を通じて法人から広告収入を得ているビジネスだからです。
法人から広告収入を得るためには、当たり前ですが大量のトランザクションの発生が必要です。法人も多く使われるサービスだから広告効果が高いと見なして広告予算を割いてくれます。
そのため、ユーザーに多くサービスを使ってもらわなければいけないのです。
▼簡単な流れをまとめるとこんな感じ
・googleが便利になる
↓
・結果、ユーザー数が増える
↓
・googleの検索結果に表示される広告が増える
↓
・googleの広告収入が増える
googleは検索を軸にサービスを展開していますので、多くの人に使ってもらうためには、ユーザーが検索した時によりニーズにあっていて適切な情報を提供する必要があります。
そのためにもgoogleは自分たちのミッションとしてこんなことを言っています。
▼googleのミッション
「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」
https://www.google.com/intl/ja/search/howsearchworks/mission/
さらには「googleが掲げる10の事実」ではこのようにも述べています。
▼googleが掲げる10の事実
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。
https://www.google.com/about/philosophy.html?hl=ja
とりあえず、”ユーザーのために”という想いの強い会社です。
ユーザーのためになることさえやっていれば、あとから収益などはついてくると。
ということで、Googleは「検索を軸」にユーザーが何を求めているのかということについてすごく研究している会社です。
googleの動向を追いかけておけば、ユーザーが何を求めているのかということが見えてくるかもしれません。しかも検索が軸の会社なので、どんな情報が必要とされているのが見えてくるはずです。
では、googleは今どんな動向になっているのでしょうか?
簡単に流れを見ていきましょう。
1.検索品質評価ガイドラインの更新
※この辺は既に色んなところで語られていることでもありますのでサクッといきます。
数年前の話ですが、googleは検索品質ガイドラインを大きく更新を行いました。※最新の更新は2019年9月(2020年3月時点)
検索アルゴリズムを変えたということです。これによって上位表示される基準が変わりました。今までと評価される”情報”が変わったということです。
具体的にどんなことをしたのでしょう?
一つはアウルアップデートということを行いました。
「誤解を招く内容の低品質コンテンツ」「攻撃的な低品質コンテンツ」等の悪意のあるフェイクニュースは評価を下げるというものです。おそらく、アメリカでフェイクニュースが流行ったのがキッカケなのかなと思います。
-EATについて
(参考元:https://seolaboratory.jp/92529/)
また、このガイドライン更新で強く語られていたのが「EAT」についてです。
EATというのは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)のぞれぞれ頭文字をとって省略した呼び方となります。
要はサイトの品質が専門性があり、権威のある人が書き、信頼できると判断されたサイトが高品質として評価されるということです。
この誰が述べてるのか?というポイントがすごく大事になってきているのではないかと思います。
-YMYLについて
(参考元:https://seolaboratory.jp/92535/)
その中でもYMYLという概念が重要になってきます。
YMYLというのは、「Your Money or YourLife」の頭文字をとった略語で、「あなたのお金、あなたの人生」という意味です。
生活やお金と関連の深いページは、正確な情報を記述して信頼性の高いWebページを提供することが重要という意味です。
特にこの辺りのジャンルがYMYLに該当するようです。
・ショッピングまたは金融取引
・財務情報ページ
・医療情報ページ
・法的情報ページ
・重要なニューズ記事
などなど
これらのジャンルは情報の信頼性が他のジャンルより詳しく豊富な情報の提供が必要のようです。
また、最新の2019年9月のアップデートでは、Page Quality(ページの品質・信頼性)に関する重要な更新が多くありました。
その中でYMYLの対象範囲拡大に対する明記もあり、品質・信頼性の高いコンテンツへの評価が色々な領域にも広がってきているようです。具体例としては、「大学選択」「職業選択」「防災情報」「フィットネス」「栄養学」など。
2.googleの新アプリの制約から見る
専門性や信頼できる情報に価値を高く置いているというgoogleのスタンスを別の観点から見てみましょう。
1つの事例として、2020年に入って「tangi」というアプリをリリースしました。これは、DIY創作に特化したショートビデオアプリです。
主な特徴としては、
▼tangiの主な特徴
・DIYの分野(工芸、料理、ファッションなども)でHow-toに特化している
・平均時間が45秒ほどで余計な説明は入れない
・クオリティの質を担保するためにビデオ投稿できるユーザーの審査がある
この辺りの特徴から見ると、
まずgoogleがこれからは動画コンテンツに力を入れようとしているのが見えてくるのですが、やはり情報の品質という部分にもこだわっているということがわかります。
今は情報がありふれている時代になっていますので、投稿するユーザーを審査して質を担保しているのはかなりコンテンツの質にこだわっていることがわかります。
想像してみてください、投稿する一般ユーザーの審査を業務オペレーションに組み込むのはかなり大変なことだと思います。
3.バタフライサーキット
googleが発表している「情報検索行動の分析」の記事から考察をしてみたいと思います。
また、この記事の分析は私たちの今後のマーケティング活動を行う上でも参考になることが非常に多いので、自分の学びも兼ねて少し整理してみたいと思います。
3-1.バタフライサーキットとは
-従来の購買行動からパスル型の購買行動になっている
(参考元:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/search/butterflycircuit1/)
パルス型の購買行動とは、従来の徐々に購買行動を高めて購買に至るのに対して、瞬間的に買いたい気持ちになり購買に至る行動のことで、これが現代では日常的になっているという考えです。
※参考元:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/search/butterflycircuit1/
今、人々はどんな情報探索行動を経てモノを選んでいるのでしょうか?
検索が購買の助けになっているのは間違い無いのですが、その検索行動が多様化しているのが現代です。
例えば、SNS/動画/口コミなどのオンライン上での探索行動もあれば、テレビ/新聞などのオフラインメディア、実店舗/知り合いを通じての情報収集なども考えられます。
情報収集手段として何を利用しているのかというものが博報堂の調査によると、このようになっているようです。
▼購買時の情報収集手段
・購買時の情報手段:検索60.6%
・内訳:専門サイト13.2%、店舗・営業マン・セミナー5.8%、家族・友人・知人7.8%、紙媒体4.8%、SNS7.8%
-情報探索行動は神出鬼没
(参考元:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/search/butterflycircuit2/)
購買に至るまでの情報探索は記事の調査によると、綺麗にAIDMAに沿った購買行動をしている訳では無く、これはビジネスを合理的に考えるためのマーケター視点のフレームワーク。人々の情報探索行動は現れたり消えたり、期間をあけてまた現れたり、ちゃぶ台返しのような購入となっているようです。
このような無秩序な情報探索行動に人々を掻き立てる理由に8つの潜在的な動機があるようです。
※参考元:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/search/butterflycircuit2/
-8つの動機は「さぐる」と「かためる」で構成されている
8つの動機は「さぐる」検索と「かためる」検索から成り立っている構造になるようです。
▼「さぐる」と「かためる」の構成
・さぐる:気晴らしさせて、学ばせて、みんなの教えて、にんまりさせて
・かためる:納得させて、解決させて、心づもりさせて、答え合わせさせて
ちなみに「バタフライ・サーキット」というのは、この「さぐる」と「かためる」を蝶のように行ったり来たりしているからこの名称のようです。
実は人々の70-80%はこのようなバタフライ・サーキットによる検索をしています。
-バタフライ・サーキットの5つのパターン
(参考元:https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/articles/search/butterflycircuit4/)
バタフライ・サーキットに5つのパターンがあります。
「全方位型」「主観型」「慎重型」「真面目型」「瞬発型」です。
▼バタフライ・サーキットの5つのパターン
・全方位型:商品購入の思い立ちから実際の購入に至るまでの間満遍なく積極的に情報探索。
・主観型:全方位に近いが、特徴としては「気晴らし」「学ばせて」が強く、「教えて」「ニンマリさせて」が少ない。他の評価より自分の意思を尊重する傾向にある。
・慎重型:オンラインtoオフラインの行動。まずは情報収集して最後は実店舗に行く。さらに情報ソースをオンラインだけに限定しない。
・真面目型:オフラインtoオンラインの行動。口コミなどで刺激され、本格的な情報収集をする。
・瞬発型:デジタルでの情報探索行動を通じて商品を発見して、そこで得たインスピレーションを元に一気に専門サイトに訪問して購入。
またこれらにパターンはあるが、当然ながら全ての商品に当てはまる訳ではなく、商品特性によってどのパターンで検索をしているのかは異なってきます。
3-2.バタフライ・サーキットからみる情報品質の重要性
バタフライ・サーキットから専門的な情報が求められる時代になっているという点について考察してみます。
バタフライ・サーキット5つの行動パターンと8つの動機から下記のようになります。
どのパターンであっても「学ばせて」という動機は必ず必要とされています。よって、googleのEATの話にもあったようにより品質の高い専門的な情報を集めておいた方が、ユーザーに活用してもらう頻度は高まるのではないかと思います。
また、ここからは余談なんですが、
googleはユーザーの行動特性にあわせてサービス展開をしているのかもしれないです。
例えばこんな感じではないでしょうか。
・従来のgoogle検索:専門的な情報を評価。「学ばせて」や「納得させて」
・マイビジネス:口コミ情報もあります。「教えて」や「答え合わせさせて」
・tangi:DIYの専門情報。「気晴らしさせて」
・YouTube:「気晴らしさせて」や「解決させて」
一番重要となる専門的な情報はgoogle検索で抑えつつ、それ以外のユーザーの求める情報は他のプラットフォームやサービスで補完しているように見えます。
ユーザーの必要とする情報を全て抑えるようなプラットフォームをポートフォリオとして形成しようとしているのかもしれないですね。
おわりに
googleの動向からユーザーの求める情報について考察してみました。
記事の中でも触れましたが、現在は情報が様々な形で大量に出ている状況です。何が正しいのかを読み解く力がすごく求められているのだと思います。
ただ、雑音となる情報も含めて全ての情報を読み解くのは時間もかかりますし難しいです。
googleはユーザーのそういった負荷を軽減して、より適切な情報を届けるためにも品質の高い情報を選別して届けようとしているのだと思います。
引き続き、googleの動きに注目すると色々参考になりそうです。
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