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「コトデル」こうふのまちの一箱古本市に出店します

 「一箱古本市」をご存知だろうか。

 両手で持てるほどの箱に入れた古本を、出店者は古本屋の「店主」として自由に値付けし販売する。古本のフリーマーケットのような催しだ。全国各地でひらかれている。

 来る二〇二四年九月二三日(月・祝)、山梨県・甲府市で催される「こうふのまちの一箱古本市」に出店を決めた。屋号は「コトデル」だ。

 小さい頃から「本屋さん」は憧れの職業だった。長いこと接客を要する業務に就いてはいたが、やっぱりたくさんの本に囲まれながらの仕事には夢を見る。一日だけでも本屋の店主になれるなんて、今から当日が楽しみで仕方がない。

 古本屋なんて、まさに自分の興味関心を詰め込んだ、世界にひとつだけのセレクトショップである。ここに、ただ不要なものを杜撰に並べるなど、そんな勿体無いことはしない。大好きで、お気に入りな、おすすめの本を、読みたい人に読んでもらえるような、店を作る必要がある。

 イベントの過去の写真を参考にディスプレイを考えることから始めた。毎年、初めて出店参加する人も多いと聞いているが、どのお店も雰囲気があり魅力的な店構えだ。今年も五〇店舗近くが参加を希望しているらしい。その中に埋もれることのない工夫を施すのだ。

 そこでまず取り組んだのが「手書きポップ作り」である。

一冊一冊書いている

 本屋に手書きポップ。新品の本を売る大きな書店では見たことがあるけれど、古本屋で見かけることはあまりないかもしれない。古本は「買って」とアピールしなくとも、そこにどんと鎮座させるだけで存在感を放つものだ。そう考える人もいるだろう。

 けれども、本好きな人と本との運命の出会いのチャンスを作る場と考えると、ポップはそのきっかけ作りに最適なアイテムだ。古本など、尚更だろう。

 その本を買ったきっかけは? その時どんな気分だった? 何が印象に残っている? 魅力は? 得したことは? 読み返して、やっぱりいいなと思ったことは? どんな人に読んでもらいたい?

 書ける。全部自分の感覚で、自分の言葉で。だってその本を選んだのは私なのだから!

 ということで、当日まで書けるだけの手書きポップを書いていきたいと思う。私が好んで手に取った本が、たくさんの人に興味を持ってもらえたら嬉しい。

 値段付けに苦戦している。過去に参加経験がないので、経験者の皆さんがどんなふうに価格設定しているのかがまったくわからない。ただこれも、処分価格で叩き売りなどはせず、自分が思う価値が、訪れた人にも伝わるといいなと思っている。

 一人暮らしのお料理本から日本語発音アクセント辞典まで、幅広いラインアップで展開する予定の古本屋「コトデル」も参加する一箱古本市。

 お近くにいらっしゃる際はぜひ足を運んでいただきたい。

こうふのまちの一箱古本市
二〇二四年九月二三日(月・祝)
午前一〇時から午後四時三〇分
銀座通り商店街 春光堂書店前銀座通りアーケード
山梨県甲府市中央一丁目四の四


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