思い悩み続けた室田瑞希の10年
NGT48の中井りかが、衣装スタッフの度重なる杜撰な姿勢に怒りをブチまけたことが物議を醸している。
某コメ欄などでは、「誰々は裏方から嫌がらせされても全く顔に出さずやりきったそうなのにそれに比べて」といった過去の芸能人のエピソードを持ち出すような人もいる。
正直、度々炎上を起こしている中井ゆえに世間の見方は最初から厳しいだろう。多く見受けられる「こんな晒し方をしても物事は良い方には向かない」という意見も、それは概ねその通りと思う。
それでも、この件に限って言えばそもそもの落ち度はどう考えてもスタッフ側にある。
前述の「昔の誰々は~」と言う人。そしてそれに同調する人。
こういう人達って、自分が本気で応援するような有名人がいなかったか、それか応援する有名人のスタッフの質に恵まれ何の不満も持つ事が無かったか、なのではないか。
後者だとしたら羨ましい限りである。
これまで何度か書いてきたように、アップフロントにはマネジメントに問題のあるスタッフが複数いた。
しかし、スタッフ一個人の勝手な一存だけでなく、会社内の派閥のようなもの・或いは会社全体の意向に否応なしに吞まれてしまうようなこともある。
そして人によっては、事務所とも関係ない大人にさえ左右されてしまったり。
先般、休業を発表した室田瑞希の場合。
室田が最初に注目されたのは、モーニング娘。の2012年秋ツアー「カラフルキャラクター」において、道重さゆみのソロ曲「ラララのピピピ」で金子りえと共にバックダンサーを務めた時だった。
ツアーの舞台裏を収めたDVDマガジンにも若干出演しており、このツアーで加入が発表された小田さくらも一緒に3人で「What's Up? 愛はどうなのよ〜」をステージ袖で踊っている様子が印象に残っている。
翌年春には℃-uteのツアー「トレジャーボックス」に帯同し、注目度をさらに増していた。
しかし2013年夏以降、しばらく表舞台に姿をあまり見せなくなる。
後年になって、本人や母親(20歳のバースデーイベントで恒例となっている親御さんからのメッセージにて)の口から、この時期にあったのであろうある事が語られた。
学校の教師が、芸能活動をしているのを快く思っていなかったこと。
それゆえ目の敵にされたのか、複数人で起こした失敗を室田1人だけが責められるという事もあったこと。
加賀楓や、元アプガの新井愛瞳は、芸能活動をしていることを同級生らにからかわれていたという。もちろんそれも辛い過去だっただろう。
だが子供同士ではなく、教師という大人がそれをしてしまえばもはやパワーハラスメントだ。
2013年下半期、中学3年生にして、芸能活動をしていくうえで初めて思い悩んだ。
年度が新しくなるとその教師とオサラバできたのもあってかステージに復帰、5月の公開実力診断テストでは良い評価を得、10月のスマイレージ加入に繋がった。
室田をはじめ、相川茉穂、佐々木莉佳子という新たな顔を迎え、アンジュルムと改名したグループは2015年に好スタートを切った。
2016年になると、佐々木はSeventeenモデルを中心に、相川は怪獣好きが高じて特撮関連へと仕事の幅を広げていくなか、室田は自分の特色は何なのか思い悩み始める。
この年の末頃には指原莉乃がMCの番組に和田彩花・笠原桃奈と共に出演するも、笠原が「SNSが荒れたら猫の写真をあげましょう」といった印象に残る発言をしたのに対して、何も爪痕を残せなかったと壁にぶつかっていた。
翌2017年、一つの転機が訪れる。
ひなフェスと同時開催されていたSATOYAMA&SATOUMIイベントで撮影された「変なダンス」が、何故か台湾でバズった。
ライブのMC等でも「世界の室田です」と言ったりするなどw ようやく自分の特色を見つけられたと自信になっていたようだった。
しかし。
それ以上の広がりにはならなかった。台湾メディアとの絡み1つなかった。
この事務所の企業風土として、“事務所が意図しないところで勝手に売れてほしくない”というきらいがある。
それに加えて、この当時のチーフマネージャーは↓で取り上げている、自分のお気に入りとそれ以外の扱いの差が激しいI氏だった。
「変なダンス」について取材の1つでもセッティングしていれば、そのうえでムーヴメントにはならなかったとしてもあきらめのつけようがまだあっただろう。
きっかけがあっても、何もしてくれないまま終わる。この頃から、アップフロントに少しずつ不信感が芽生えていったのではないかと思う。
それでもどうにか再び前を向き直り、アンジュルムは卒業の無い武道館公演で十人十色という新たな最高峰を叩き出した2018年。
その興奮が冷めやらぬうちに、ハロヲタ界隈が、そして室田も、ある事象についてざわめきだした。
DA PUMPの「U.S.A」である。
お互いのヲタがやり取りを重ねながら、先立って公開されたMVにコールを付けて拡散するなど水面下で動いていたが、室田もこの楽曲にいち早く注目していた。
最初は川村文乃から「これ室田さん絶対好きだと思いますよ」と勧められたという。みるみる楽曲にハマり、佐々木のバースデーイベントにゲスト出演した際にはグッズ売り場降臨時にさっそくフリコピしていた(しかも無音で)
その後、月刊ENTAME等の雑誌にも、他の何人かの著名人とともにではあるが、早くからU.S.Aに注目していた1人として紹介されたりもした。
今度こそ!という気持ちはあったと思う。
その結果は。
「FNSうたの夏祭り」で、モーニング娘。'18がDA PUMPと共演。
8月5日のハロコンにDA PUMPがサプライズ登場し、全ハロメンが客席降臨して一緒にダンス。
“全ハロメン”の中の1人としての共演にとどまった。
娘とアンジュとの、色々な意味での「差」を改めて思い知らされたはずだ。
また、夏ハロ後から秋にかけては、「YEAH YEAH YEAH」などが収録されたハロプロ20周年シングルの販促が全グループ総出で行われたのだが。
こちらにイベント開催のリソースを持っていかれた為に、その2週間後に発売される「タデ食う虫もLike it!/46億年LOVE」の販促がままならなかった。
2018年下半期は、個人としても、グループとしても、事務所やハロプロの体制の中で活動していくことに疑問や諦めを感じだしたのではないかと思う。
ブログの更新率が極端に低下しだしたのもこの時期。そして、後に卒業を発表した際に卒業の相談を始めたというのがこの年の末頃だった。
↑でも述べたが、その卒業の相談の旨がチーマネが交代した際にうまく引き継がれていなかったのでは、ということ。
それと、新しいチーマネS氏もそのいい加減さがゴタゴタに繋がったのでは、ということ。
卒業後、最初の大きな仕事といえるのが2021年11月に上演された「ニンジャバットマン ザ・ショー」でハーレイ・クインを演じたことだ。
しかし元々は2020年に行われる予定だったのがコロナ禍によって延期されたもので、最初に舞台化の発表がされたのは2020年2月19日。
“割り込み”卒業になったのも、このあたりも関係していたのではないか?
折しも上演されていた2021年11月、ヒントになるのかもしれない話が思わぬ所から語られた。
要は、石田亜佑美が「フルーツバスケットの舞台出たいってアピールしてたのに何も携われなくて悔しい」という話。
まぁ時期的に考えて「あにレコTV」に出た頃には、キャスト各自のスケジュール調整などもあるから出演者はほぼ内定していたと思われる。
さらに、現在「ムーラン・ルージュ! ザ・ミュージカル」に出演中の加賀楓は
@K_KAEDEofficial
私がオーディションの話をいただいたのは昨年の10月でした。
おそらくオーディションの中では本当に最後の方で、今この場にいることに今でも驚いています。
オーデの話が来たのが去年10月。(それも本当に最後の方)
出演の発表がされたのが2月。
そして6月から上演。
ある程度名のある舞台というものは、オーディションから上演まで最短でも8か月という期間を要するということか。まぁ例外もあるだろうけど。
かつては高橋愛が、ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」出演が内定したのをきっかけに1ヶ月間だけのツアーを最後に卒業したという例もあり、グループに所属しながら外部舞台という拘束時間も多い継続的な仕事をするのはかなりハードルが高いだろう。
そういったことも含め、石田はスタッフとのコミュニケーション不足さが窺えた。
石田はオーディションに参加することすらできなかったが、室田はグループ在籍中から「ニンジャバットマン ザ・ショー」のオーディションに参加していたのでは?
そして参加するにあたっていい加減なチーマネS氏との行き違いが生じていたのでは?
それまで生きてきた中で、一番思い悩んだことだろう。
また、船木結だけでなく、こぶしファクトリーの解散もスケジュールや会場の兼ね合いで絡んでいた。
そして。卒業という決断を下した。
しかしその直後、世界をコロナ禍が襲った。
芸能の様々な事が、中止・延期・無観客を余儀なくされた。
船木や宮本佳林が、卒業延ばされてかわいそう!と半ばネタ的に言われたりもしていたが。
コロナで一番人生が狂ったのは室田なんじゃないかと、私は思う。
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