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【筑波大生必見】君も学生起業家だっ!!これを見れば起業も楽勝〜その③〜EDGE-NEXT

2兆円の市場価値に乗っかれ!

前回前々回と、筑波大学が取り組む起業のイロハについて紹介してきた本コラム。


読み続けてくれる人のなかには、「いやあ、そうは言っても大学発ベンチャーなんて実際意味あるの?」なんて思いながらこのコラムを開いた人もいるんじゃないでしょうか。

たしかに、毎日朝から講義を受けて、自分が好きでやっている研究に没頭して、、、さてこれが社会のどんな役に立つの?って自問自答すると「自分のやってることなんて意味なさそうだなあー」って思ってしまうこともあるはず。実際、私自身も学生の時は「こんな研究、社会のなんの役にも立たないのになんでやってんだろうな」って思い悩んでいました。

でも、みんなが"好き!"と思いながらこつこつと進めている研究は、自分が考えているよりはるかに価値があるんです。

それは、いわばダイヤの原石。
どうすれば自分の"好き!"を世の中に広められるかは、"大学での研究"と"社会"の間に立ちはだかる壁を打ち破れるかどうかにかかっています。
その壁を打ち破れば、原石はきっと光り輝くビッグダイヤになるはずです。

大学発ベンチャーはその壁を打ち破る武器のひとつ。
実際、大学発ベンチャーには2兆円もの市場価値があると言われているくらい、大学での研究には社会的にものすごく価値があるものなのです。

その価値を引き出そうとしているのは、もちろん筑波大学だけではありません。
国内のあらゆる大学や研究機関が一丸となって、ダイヤの原石を光り輝かせようと動きはじめています。


そのプロジェクトのひとつが、文部科学省の実施するEDGE-NEXT。
Exploration and Development of Global Entrepreneurship for NEXT generation(長い、、、笑)の略です。

日本語にすると「次世代アントレプレナー(起業家)育成事業」と銘打たれたこのプロジェクト。
研究成果をベースに起業を試みる人材の育成や、関係機関によるベンチャー・エコシステム(*1)の構築を目的としています。
プロジェクトの下支えとなっているのは、「筑波クリエイティブ・キャンプ」をはじめとする、各大学で取り組まれた起業家育成教育での成果や課題。みんなの起業に対する熱い思いが、大きなプロジェクトを動かしているんですね。

*1)ベンチャー・エコシステムとは?
ベンチャー企業やそれに関わる複数の業態、消費者、社会などを巻き込み、広く共存、発展していく仕組み。

ここで、EDGE-NEXTの内容をご紹介しましょう。
ざっくり言うと、EDGE-NEXTは筑波クリエイティブ・キャンプの研究者版。
筑波クリエイティブ・キャンプが、アイデアやビジネスモデルなど起業の基礎を教える講義であるのに対して、EDGE-NEXTは研究成果などをビジネスに結びつける、より実践的な内容を盛り込んだプログラムになっています。
筑波大学では、研究都市に囲まれたメリットを生かして、国立の研究機関などと連携し、世界にはばたくテック系ベンチャーの創出をすすめています。具体的には、産総研やJAXA、NIMS、農研機構、KEK、筑波大学の教員、研究者などが、自身の研究をベースに起業を夢見る学生や若手研究家とともにチームを結成して活動します。EDGE-NEXTを通じて、起業に結びついたプロジェクトは実際にこれまでたくさんあります。

また、EDGE-NEXTには5~7月に行われる基礎編と、9~12月に行われる発展編があります。
基礎編は、研究成果の社会的な価値、マーケットや競合を調査し、顧客ヒアリング(*2)を通じてビジネスの優先順位(*3)を決めることを目指します。
発展編では、具体性のあるビジネスプランを作り、事業的に受け入れられるPOC(*4)設定して、ベンチャーキャピタル(*5)向けのビジネスピッチ(*6)できるビジネスプランを作成できるようにします。
発展編の優秀チームは、できたビジネスプランをもとに、夢の海外研修!!

*2)顧客ヒアリングとは?
自身の商品・サービスを購入すると想定されるお客さんに、実際に欲しいか、他に欲しいものがないかをインタビューすること。
*3)ビジネスの優先順位とは?
ニーズの強さ、市場規模、実現性、優位性などをもとに決定されるアプローチの順位。
*4)POCとは?
Proof of Conceptの略で、仮の商品・サービスが市場に受け入れられるかを検証すること。
*5)ベンチャーキャピタルとは?
ベンチャー企業に出資する投資会社。
*6)ビジネスピッチとは?
ビジネスアイデアを短時間で行うプレゼン。シリコンバレーが発祥。


【EDGE-NEXTの特徴 その1】


実績あるメンター(*7)と各分野の専門家が事業家をバックアップ!
多くのテック系スタートアップを支援してきた専門コンサルタント、技術分野の専門家、スポーツ・医療・AIなどのトップ研究家がタッグを組んで事業化をバックアップします。
協力:一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ


企業・経営経験が豊富なエンジェル投資家や、専門的アドバイスが可能なメンター、ベンチャー企業との連携をすすめる大手企業を会員とする、ベンチャー企業の効率的・効果的な成長を目的としたベンチャー支援組織。

*7)メンターとは?
指導者。とくに、指導する内容についての経験が深く模範となるような人。


【EDGE-NEXTの特徴 その2】

海外にて現地VC(*8)向けピッチイベント(*9)を開催!
シリコンバレーや台湾にて、現地VC、大手事業会社向けのピッチ&フィードバックを実施。グローバルな事業の可能性を探ります。
EDGE-NEXT発展編、筑波クリエイティブ・キャンプ・アドバンストの受講者から選抜された8名(3チーム)が、台湾若手企業家とのアイデアソン(*10)や、現地メンターによるビジネスプランのブラッシュアップを受け、現地VCなどに対するプレゼンテーションを行います。(6日間のプログラム)


*8)現地VCとは?
その場所で投資を行っているベンチャーキャピタル(VC)。
*9)ピッチイベントとは?
起業を目指す人、その人を支えたり評価したりする多くの人が集まり、ビジネスピッチを行う発表会。
*10)アイデアソンとは?
アイデアを出し合いその結果を競うイベント。アイデアとマラソンを組み合わせた造語。

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