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フォルケで必要な言語力は?

デンマークに来る前にどこかで小耳に挟んだ「デンマークってみんな英語話せるらしいよ。」というなんの信憑性もない情報をあてにして、本当に1ミリもデンマーク語は話せない状態で降り立った今年の頭。

結論からいうと、これは真実で本当にみんな英語はできるし、デンマーク語は一言も話せなくても何とかなっています。

今日はそんなデンマークで暮らしていく上での必要な言語について綴ってみようと思います。

「ありがとう」すらも知らなかった渡航前

渡航前のお正月、実家に帰省して親戚らと食卓を囲んでいる時「そういえばかんなってデンマーク語はできるの?」と少し不安そうな面持ちで尋ねられました。そんな姿をよそに私は、

「え?もちろんできないけど?『ありがとう』すらもわかんないや(笑)」

なんてあっけらかんとして笑っているから、それにつられるかのようにみんなからもどっと笑いが。でも、そんなのも束の間みんなから「本当に大丈夫?」なんて真剣に心配されるのでした。

確かに自分が彼らの立場だったら、あまり馴染みのない国に行くのでさえびっくりなのに、全くその地の言語が話せない状態で行くなんて尚更大丈夫か、と心配になります。当たり前ですよね。

そんな、他の人から聞いたら多少なりともおかしなこの状況も、当の本人はまぁ何とかなるでしょ、今更心配してもねぇ(笑)という感じ。本音を言えば、本当に大丈夫かな、なんて思考が一瞬頭をよぎったりもしましたが、3秒後にはもう違うことを考えていました。

私はどちらかというと、最終的にはまあ何とかなるか、と思いつつ、そこに至るまでにはいろいろ考えて心配になるタイプなのですが、今回は本当にそんなことが一切なかった。どうしてだろうと考えてみると、これはきっと幼少期の両親が大きく影響しているのだろうなと思います。


両親の背中に影響されて

少し話はずれるのですが、ここで私の幼少期の話を少しだけしてみたいと思います。私は4歳から9歳までの5年間を父の仕事の都合でタイで過ごしました。タイはタイ語が母語で、英語はほとんど通じない。私が住んでいた「シラチャ」というバンコクから車で2時間ほど南に行った街は日本人はそこそこいるものの、現地の人に日本語が通じるかと言われればそういうわけでもありません。

両親の言語力はというとタイ語は愚か、英語もほとんど話せない。それに、2人ともタイに行くまではほとんど地元を出たことがないような人で、海外に住んだ経験も、もちろんない。

銀行を開設するのも、アパートを借りるのも、スーパーで買い物をするのにも、私たちを学校に通わせるのも、病院に行くのも。海外というだけでただ日常生活を送ることすら一苦労です。そして、10年以上前はまだスマホもないし、翻訳もなかなかな劣悪クオリティ。学校から来るお便りも、スーパーの買い物も、一つ一つ電子辞書を開いて調べている母の姿を今でも鮮明に覚えています。

縁もゆりもない、また言葉も通じない異国の地で暮らしていくのは想像以上に大変だし、ましてや自分1人だけでなく、家族がいるから尚更。

そんな、私からみたら無謀な環境の中で実際に5年間も幼い子供2人を抱えて生活していた両親の姿を間近で見ていたからでしょうか。何となく私にもできる気がしたし、ならなかったとしても何とかなるように自分で道を切り開いて何とかなるようにするだろう、という気持ちに知らず知らずのうちになれたのだと思います。

こんな感じで、きちんと背中でできると前例を示して見せてくれた両親には感謝ですね。


フォルケでの生活は英語さえできれば問題ない

何だか前置きが長くなってしまいましたが、ここで本題に戻すと、フォルケで生活していく上で英語さえ話せれば、デンマーク語ができなくても全く問題ありません。冗談抜きに、本当に先生や生徒含めほぼみんな英語が話せます(若者層は特に、おじいちゃんおばあちゃんは人による。)

学校によって英語で授業がある・ないは変わってきますが、そこさえ事前に下調べして学校を選べば後の日常生活に関しては英語ができれば特段問題はありません。

じゃあ、実際どのくらいの英語力があったらいいの?となりますが、個人的にとっても正直に当たり前のことを書くと、英語はできればできるだけ良いです。私の所感だと、日常会話ができるレベルはあったらいいなと言うところです。そして、その際大事になってくるのが読み書きよりもスピーキング力

なぜ英語はできればできるだけ良い、なんて書き方をしたかというと英語ができないと授業についていけないとか、生活していけないとかそういう理由からではありません。フォルケ自体他の人と関わりだったり、対話だったりを大事にしており、また共同生活をしているという点でも、それには英語などの彼らとコミュニケーションが取れる共通言語が必要になってくるためです。

正直、海外大学への交換留学等の場合、最悪大学の授業だけに重きを置いていれば、他の人と関わらないで1人で勉強に没頭すると言うことも不可能ではないと思います。

ただ、この学校では先ほども言ったように他の人との関わりがすごく多くなってくるし大事です。そのため、みんなとコミュニケーションが取れたり、意見を交わしたりできる共通言語がある方がこの学校に滞在している間に得られるものが多くなると思います。また、そういった経験こそがフォルケの醍醐味な気がします。

そう言う点で、英語はできればできればできるだけ良いと思います。


私の英語力は?

ここで、じゃあ、私の英語力はどんなもんなんだ?と思った人も多いのではないでしょうか。

私の英語力はというと、日常生活くらいの英語なら読み書きも問題なくこなせます。そして、どちらかと言うと読み書きよりも話すことの方が得意です。文法(特に前置詞や"s"の有無など細かい系)は結構苦手で、海外大学レベルの文章になると途端に理解できなくなります。

わかりやすい例で言えば、TOEFLのような全体的に難易度の高いテストは苦手だけど、TOEICのような割と一般的な問題が多く出題されるようなテストは得意いう感じです。スピーキングに関しては、文法など細かく聞けば結構間違っていますが、おそらく相手にはきちんと伝わっています。

幼少期タイに住んでいたときに4年間インターナショナルスクールに通ったこと、高校では国際教養科に所属しており多い時ではAETの先生との授業が週4あったこと、1年間アメリカで交換留学を経験したことが今の私の英語力を作っているのではないかな、と思います。

結論、こんな感じで私は英語力に自信があると言うよりも、日常生活やフォルケでの生活において英語が原因で特に困ることはないと言う状況です。


おわりに

色々書きましたが、デンマークのフォルケに通うにあたりデンマーク語が全く話せなくても、英語だけで何とかなります。

英語力もあればあるだけ良いですが、まあ、正直話せなくったって何とかなります。もちろん話せた方が有利なのには間違いありませんが、そうでなくても、この環境に身を置いているだけ日本にいたら得られないものをたくさん吸収できると思います。

また、デンマーク人は全体的にとても優しいので理解できなくても理解できるまで丁寧に教えてくれるし、親身になってくれるのであまり心配しすぎることもないと思います。

実際今デンマーク語も英語もほとんど話せない日本人がいますが、ずば抜けたコミュニケーション力で何とかなっています。なので、最終的には言語も大事ですが、みんなと関わろうとする気持ちと姿勢が大事なのではないでしょうか。

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