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【第九歩】春、ミュージカル「ウェイトレス」を回想する

春といえば、「ウェイトレス」

春になると思い出されるのは、2年前(2021年)のミュージカル「ウェイトレス」。
「宝飾時計」も良かったが、ワタシにとっては、高畑充希出演舞台の最初の観劇作品だったので、とても思い出深い。

原作映画〜ブロードウェイ版について

「ウェイトレス」の公演発表が行われたのは、2020年の夏頃で、同年春の「ミス・サイゴン」が公演中止となった時期の直後だった。
まだまだコロナウィルスの影響が大きい段階で、無事に公演ができるのだろうか?と心配になったと記憶する。
ウィキペディアなどで調べればすぐにわかることだが、ミュージカル「ウェイトレス」は、もともと映画が原作である。
その原作映画「ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた」はいかにもアメリカらしい佳作。
それをミュージカルにしてしまうという発想もいかにもアメリカらしい。
ここでワタシが言っている「アメリカらしい」はあくまで一般的日本人の感覚での物言いにすぎない。
結局、「アメリカ映画」が世界で広く流通するのも、世界でいちばん「POP」なのが、アメリカだからなのだ。
…というのは、モノローグですが…。

ブロードウェイでのミュージカル「ウェイトレス」の初演だが、youtubeにはトニー賞にノミネートされた時期にオリジナルキャストによる路上パフォーマンスしている動画がアップされている。
ワタシはこれを何度観ただろうか?
ジェナ(ジェッシー・ミューラー)、ベッキー(キアラ・セトル)、ダーン(キミコ・グレン)この3人のキャストが素晴らしすぎる!!

中でもキアラ・セトルはその後、映画「グレイテストショーマン」に出演し、大出世を果たすが、髭よりこっちの方が似合っている。
ちなみにワタシはキアラ・セトルを調べていて「グレイテストショーマン」という映画の存在を知った。
キミコ・グレンは母親が日本人のようだが、神経質なダーンという役にハマっている。
実際、アメリカには東洋系のウェイトレスは結構いるのだろうなと想像する。
なお、ダーンは映画版では監督自身が演じている。
そして、ジェナのジェッシー・ミューラーは、高畑充希と比べれば一回り大きく、腕っぷしも強く、力強い印象。
アメリカでは、ウェイトレスこの程度の気性の強さが必要だろう(おそらく)。
この三者三様の個性溢れたキャラクターが、やはり、「アメリカ的」だと思わせる。
その後の公演では、この3人はいろいろなキャストに変わっているようだが、この3人が最高のように見える。
さらに付け加えれば、子役である。
子役がいいでのある。
日本版ミュージカルと比較して、日米の違いがこの子役ではないかと思った。
日本版の子役が悪いわけではないが、いかにも日本的(あたりまえか?)で、ちょっと無表情。
それに比べ、この動画に登場する子役のかわいらしいこと!
いやいや日本の子役が悪いわけではないのだ、これが日本版「ウェイトレス」なのだから。
日本人なら絨毯より畳。
そういうことなのだ。

音楽が素晴らしい

ミュージカル「ウェイトレス」は、すべての楽曲が素晴らしい。
AppleMusicなどでは、このサウンドトラックが配信されているが、これはオリジナルキャストの歌唱によるものだ。
よく探すともうひとつ、作詞作曲のサラ・パレリス自身が歌っているアルバムも存在する。
個人的な感想だが、実際の日本公演の音に近かったのは、サラ・パレリス版のサウンドトラックのように感じている。
小規模なバンド編成だからだろうか?

日本版ミュージカル「ウェイトレス」

というわけで、ブロードウェイの「ウェイトレス」について書いてきたが、実際の日本公演について。
もちろん文句なく、すべてが素晴らしかったのだが、ワタシが特に印象に残っているのは、ラストでジェナが赤ちゃんを抱きながら歌うシーンだ。
このときの晴れやかなジェナ(高畑充希)の表情がいい!!、非常にいい!!
すべてが終わり、スカッとした感じ、さらに一歩前に進むという感じがいい。
(動画が残されていてよかった。。。)

この動画はそのラストに開始位置を設定してあるが、全部で6分程ある。
最上部にある東宝の動画より長い。
おそらく、現在アップしてある日本版「ウェイトレス」の動画では一番長いはずだ。
このように動画で一部でも残されているのは本当にありがたい。
だが、高畑充希による歌唱が一部しか聴けないのは、残念でもある。
「ミス・サイゴン」でも同様なのだが、ブロードウェイミュージカルは版権の問題からか、現在日本版の音源、映像がほとんどない。
舞台というのは、生で観るものとはわかりつつも、できれば、繰り返し楽しめる方がファンとしてはありがたい。
仕方なく、ブロードウェイ版のサントラを繰り返し聴いて、日本版に脳内変換するしか方法はないのだ…。

幻のロシア版「ウェイトレス」

話は変わるが、おそらく東欧地域でミュージカル「ウェイトレス」は上演されていた(はずである)。
おそらくロシアで上演されていた(はずである)。
というのも、ワタシはロシア版「ウェイトレス」のyoutube動画を観た記憶がある。
しかし、それは約2年前の話だ。
時代は変わってしまった。
インターネットという時代は、便利な代わりに過去も簡単に消去するようだ。
はっきり言ってその幻のロシア版「ウェイトレス」のキャストはパッとせず、日本人ならあまり観る気が起こらない感じがした。
だが、それも文化の違いというやつで、国それぞれなのだ。
それよりもハリウッドミュージカルをロシアで上演できる時代になったのだなと感慨深かったのだが、わずかの期間で時代が変わってしまった。
だが、ワタシが観たロシア版ミュージカル「ウェイトレス」は本当にあったのだろうか?
幻だったのだろうか?
どう検索しても出てこない。
英語検索でもワタシの能力では不可能。
インターネット・アーカイブにあたったりしたがだめだった。
インターネット以外に海外ミュージカル公演の情報を調べる情報源がわからないため、真偽は不明である。

数年後のミュージカル「ウェイトレス」を期待して

おそらく、高畑充希は数年後「ウェイトレス」をもう一回やるのではないかと思っている。
一昨年、週刊朝日での林真理子によるインタビューで「もし、再演があったらいらしてください」というようなことも言っていた。
本家ブロードウェイ版、ロンドン版などに比べれば、2021年の高畑充希のジェナは若すぎる感じが否めない。
それは下記にアップした記者会見動画内でも本人が言っているとおりだ。
数年後、より原作に近い年齢になった高畑充希によるジェナをぜひ演じてもらいたい!
できれば、来年か、再来年あたりやってほしいなぁ…。


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