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デザイン思考についてまとめてみた

ウィルゲート(主に開発室メンバー)では、12月はアドベントカレンダーの取り組みを行っており、リレー形式で記事を執筆しています!
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今回は社内のLT会で共有した「デザイン思考」について話していきたいと思います。

みなさん、「デザイン」という言葉から何を連想しますか?
Webデザインやポスターなど紙媒体のデザインなどグラフィックデザインをイメージする方が多いかもしれません。

「私は絵描くの苦手だから…」とか「そういうセンスないんで…」なんて考えているあなた!
デザインの本質はそこにあらず!!

デザインとは、

「ヒトを中心とした目的設定・計画策定・実現からなる一連のプロセスである。」
- Wikipedia デザインより抜粋

と定義されています。つまり、絵やカタチを描く行為がデザインなのではなく、物事を計画して形に(実現)することをデザインといいます。

デザインとアートの違い

本題に入る前に、混同されやすい「デザイン」と「アート」について整理しておきましょう。
デザインは「ヒトを中心」としているので、ユーザーのニーズを中心に組み立てていきます。
一方「アート」は自分の中にある発想を中心に組み立てます。音楽や絵で表現する人をアーティストと呼ぶのは、自身の発想を作品にしているからなんですね。

デザイン思考とは?

デザイン思考とは、

デザイナーの発想法から生み出されたイノベーションへの人間中心アプローチであり、人々のニーズとテクノロジーの可能性、ビジネス成功の条件の統合を図るものである
-九州大学芸術工学研究院デザイン基礎学研究センター デザイン思考より抜粋

と定義されており、デザイナーが業務で使う思考プロセスを活用した思考方法です。

私もWebデザインやロゴデザインを行う際に、同じ思考方法を用いています。
この思考方法ができないと、クライアントやユーザーを無視した独りよがりな創作物が出来上がってしまうので、Webデザイナーにとって必須のスキルと言えるでしょう。

このデザイン思考。
とても魅力的な思考方法に見えますが、万能ではありません。

ゼロイチで創造するには向かない
ユーザーの声や行動からアイデアを導き出すので、まだ見ぬ未来を創造できる訳ではありません。
例えば、バブル時代の肩掛け携帯電話を持っている人に「他にどんな機能をつけて欲しい?」と聞いても、カメラやインターネット閲覧機能がついたスマートフォンのアイディアは出てこないでしょう。

プロセスより結果が重視
結果が重視されるので、広い視点や斬新な発想ができないとありきたりなモノしか生まれません。
メンバーのトレーニングが必要になる場合や、時には適性を考慮してメンバーを選定する必要があるかもしれません。

デザイン思考のプロセス

ここからは、具体的なデザイン思考のプロセスについて紹介していきます。
デザイン思考は5つのプロセスで成り立っています。

  1. 共感

  2. 定義

  3. 概念化

  4. 試作

  5. テスト

これらは、順番に進まず同時並行で進めたり戻ったりしてもOKです。

【1.共感】

人間中心アプローチのデザイン思考において、コアとなる段階です。
人間の行動(なぜ・どのように)や身体的・感情的ニーズを理解することが重要です。
ユーザーが何者で何が重要か理解することで、インサイト(潜在的な課題や欲求)を発見できます。
ではどのように理解したら良いのでしょうか?
それは、ズバリ観察やインタビューをして深く理解をすることができます。
くわしい説明は省きますが、「共感マップ」というフレームワークを利用して整理していくと良いです。

【2.定義】

共感のプロセスで得た情報を元に、ユーザーの本質的な課題やニーズを理解・定義します。
ここで注意点。
思考にバイアスがかかってしまうと、ユーザーの本質的な課題からズレてしまうことがあります。ユーザーになりきって考えてみましょう。
また、コスト感や戦略的なことは一旦考えず、ユーザーのことだけを考えて定義しましょう。
このプロセスでは、「カスタマージャーニー」と呼ばれるフレームワークを使って整理を行うことをオススメします。

【3.創造】

落とし込んだユーザーの考え・行動や課題から、解決策のアイデアを広げていきます。
ここでは、「ブレインストーミング(ブレスト)」と呼ばれる議論方法で、複数人で創造力を発散させながらアイデアを考えてみましょう。
最近ブレストという言葉も一般的に浸透してきまして、時々実際に行っている方を見かけますが、この議論方法にはルールが存在します。

ブレストのルール

  1. 人の意見に対して批判をしない

  2. さまざまな自由なアイデア歓迎

  3. 質より量

  4. 人のアイデアを結合・便乗OK!連想してさらに良いアイデアを

【4.試作】

ここのフェーズではプロトタイプを作成していきます。
なぜ、プロトタイプが必要なのでしょうか?

それは、

  • アイデアを具現化することで、関係者間の共通認識が高まる

  • 可能性や課題を検証することができる

からです。
プロトタイプはMVP(Minimum Viable Product)実用最小限の製品」で良いです。
安く簡単に早く作れるものを作って検証を行います。

この時点では、以下の3つの現実的なバランスで製品を再現することを考える必要があります。

  • 技術的再現性:実現可能な技術であるかどうか

  • 経済的実現性:コスト的に実現、存続が可能か

  • 有用性:ユーザーの本質的な欲求をとらえているか

【5.テスト】

プロトタイプが出来上がったら、実際にユーザーに使ってもらって検証を行っていきます。ユーザーの行動を観察し、フィードバックや質問に耳を傾けることで課題点や新たな側面が見えてきます。


流れを解説していきましたが、いかがだったでしょうか?
プロセスがテストまで終わったからといって、完成ではありません。これらのプロセスを戻ったり、何度も繰り返すことで磨き込んでいく必要があります。
良いサービスやプロダクトを作るための道は、ずっと続く終わりなき旅なんですね。
また、PdMとして学んだ知識を不定期ですが更新していきます!

ウィルゲート Advent Calendar 2022」翌日23日目は、「CREでKA法とKJ法やってみた」です!お楽しみに~!


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