煮物って最強だと思う。

煮物、って言葉だけ聞くと、どこか懐かしいような、古いような、温かいような。それが好きだと言うと、またどこか流行りからは一歩引いたような気分になる。でもね、煮物ほど優秀なやつはいないのでは…と大人になり、妻になり、母になり思うのです。

元々言うほど好きな方じゃなかった。というか、いてもいなくても…そんな存在だった気がする。きっと私が食べて来た煮物は芋っぽさが強かったからだ。口の中がモサモサして水分が奪われる。あの感覚が幼い頃には苦手なものだった。それが今では、何を食べようか迷った時、いろんな野菜を食べたい時、ちょっとホッとしたい時、私は煮物を選ぶようになった。これは…私が煮物と並べるようになったのか、それだけ年を重ねたのか。
昔は食べられなかったゴーヤーがある日ふと美味しいと感じるように、煮物もまた、ふとあの場所に帰りたい…なんて思わせてくれるような魔法があったんだ。

今日の煮物の中心選手は…?
鶏肉、豚肉、牛肉、どれも毛嫌いせず受け入れるその懐の広さを見習いたい。
それを支える素敵な仲間たちは…?
にんじん、大根、小松菜、あ、白菜も捨てが。椎茸も好きだな。それからそれから…飛び込むもの全てを上手くまとめ、染み込んだその味は子ども達も笑顔にする。改めて優秀選手だと知る。

子どもはカレーが好きだ、子どもの野菜嫌いにはカレーだ、味でごまかせるし、具材も小さく切ればバレない。それはもうカレーにも謝ってもらいたい。
カレーは奥深いんだ。あれは簡単な料理じゃない。上手に煮込まないと野菜が反乱を起こして苦みや渋みを出し、子どもはそれに気づいて嫌いになる。悪循環。現に、夫はそれがあってカレーが嫌いだったそう。なぜ、そこにピーマンを入れたんだ!ってね。

子どもに野菜を食べさせたいなら、それこそどうぞ、カレーでなく煮物に。野菜をじっくり煮込めばそれだけ自然の甘さが出てくるし、そこに出汁、酒、みりん、醤油…と手を組めば、優しい味わいの煮物が出来上がり。

ここまで語りますが、特に料理が得意なタイプではないので、当たり前の調味料しか書きません。いや、書けません。あと、子どもに特別な味もいらないのです。手を加えるほど食べてくれない厳しさよ。当たり前の味でいいと、頑張らなくていいと教えてもらってると思っている。全ては良い方に。

そんなこんなで、今ではすっかり煮物信者の私。
今週もまたすでに1回作った。ほっこり。

さて、次の煮物は…
誰を主役に、脇役にしようかな。飽きないな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?