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映画感想≪プラダを着た悪魔≫

「2006.12.3 記録」

『簡単だと思ってたけど、実際はとても奥深く考えさせられる映画』
これが今回の映画を見て、私個人の素直な意見です。

… … …

夢であるジャーナリストになるため、アンディが面接を受けたのは、ファッション雑誌『ランウェイ』の鬼編集長ミランダのアシスタント。
「ここで1年働くことが出来れば、道は大きく開く」アンディは夢を叶える事、輝かしい未来を掴む事を目標に前を向く。
しかし、上司である編集長ミランダは『悪魔』そのものだった…

「ファッションセンスゼロね」
初日から言われてしまったアンディ。
確かに、あの中にいれば…センスがいいとはとても言えない。素の彼女に似合っているのは確か。自分らしさがあるのも確か。
でも、彼女がいるのはファッション業界のトップに君臨するミランダが編集長を務める雑誌、「ランウェイ」の世界。生ぬるいことは言ってられない。

「ランウェイ」で働くのならそれ相応の格好で。
メイクはもちろん、服装から髪型・小物全て抜かりなく。それがミランダ式。

ミランダに数々の無理難題を出され、朝から晩まで振り回されるアンディ。次第にプライベートとのバランスまでが崩れていく。
任される仕事が大きくなるにつれ、いくつかの選択を迫られる事になる。
全ては『対仕事』そして、今よりもっと輝くため。

自信を身につけ、輝きを増すと同時に失っていくもの。『輝き=犠牲の数』輝きの代償はこれほどまでに大きいのかと考えずにはいられない。

仕事に恋愛にそれらを両立させようと一生懸命なアンディ。仕事の為には犠牲も仕方ない、高い誇りとプライドを持つミランダ。対照的な2人。

どちらの生き方も気持ちも否定出来ない。そんな中、ふとした場面でミランダの戦闘仮面が剥がれ落ち、その時に気づかされる、“彼女も一人の人間なんだ”

『本当に努力している人間は自分が努力をしているという事に気づかない』昔、何かで聞いた言葉だけど…それがミランダなのかも。

そんなに頑張らなくてもいい。そんなに気を張らなくてもいい。周りがいくらそう思ったって、言ったってきっと彼女には伝わらない。それが彼女の普通だから。そして彼女の全てであり、彼女自身だから。
けして我侭でも、傲慢でも、もちろん強くもない。自分がこれまで払った犠牲の数を知ってるから、その重みを知ってるからこそ彼女はそれだけの自信を持ち輝けるんだと知った。

見所はそれだけに留まらず…劇中に出てくる数々のブランド。それをサラリと着こなしてしまう出演者達。勉強になります。主演の2人はもちろん、その周りを固める出演者でさえ個性的で美しく、全てにおいてハイレベル。見ているだけでも十分楽しめる。

残念ながら私自身、ブランドというものにはかなり疎い。そこまで興味がないと言ってしまえばそれまでなんだけども…あと、出演者の中に世界的に有名なモデルさんが多数いたような。実際、顔だけ知ってて名前は…って人の方が多かったんですが。気づく人は気づく。チェック。さすがはプロです。かっこ良かった。

最初から最後までテンポもよく、見ていて疲れない・飽きない。女性に人気の映画であるという事に納得の1本でした。男性には…ちょっと理解しがたいことが多いかも?でも、これを見て少し理解を…というのもありかもしれません。

女性は常に進化するもの。新しい物を求めるのも輝く為。順番は人それぞれ。自分を磨く事から…それも初めの一歩。この映画で理解を深めてくれれば…後ずさりすればそこで負けなんです。

… … …

最後に…

“ファッションはただの利便性だけじゃない、その人個人のアイデンティティの象徴なんだよ”

“君は努力をしていない、偉そうに文句を並べてるだけだ”

“ミランダは悪魔だけど、彼女が男だったら有能だと認めるはずよ”

“私は仕事を愛してる…仕事を愛してる…”

劇中、所々に出てくる台詞。絶対泣くような映画じゃない。でも、数々の名言・格言ともとれるその台詞に私は泣きそうになった。多分それは、今の私に必要な言葉だったから。そして、私が重度の感情移入しやすいタイプの人間だったから。

私にとってこの映画は見るべき映画だったと感じました。他の人が見たらどう思うかそれはまた別の話。「期待以下」「期待通り」「期待以上」
どこに結びつくかはその人次第。それぞれの場面をどう受け止め考えるか。何を中心にその映画を見るか。

… … …

ダラダラと長くなってしまいました。退屈だったかもしれません。でも、少しでもこれで興味を持ってくれれば幸いです。

犠牲を払った事にいつまでも悩まないで。落ち込まないで。その分輝けばいい、あなたが光になればいい。そうすれば認めてくれる。きっと。

自分を偽ってまで手に入れる栄光って何。仕事・恋・友情…どれも諦めたくない、手放したくない。そうしなければならないなら…いらない。私は私らしくありたい。

「ミランダ」「アンディ」あなたならどっち?

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