ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」
初投稿です。
もしこいつ誰やねん、このnoteの主旨ってなんやねん、と興味の湧くご奇特な方は下記をご覧ください。
多分、どちらも1分程度で読めます。
さて、はじめの投稿に関しては、僕がクラシック音楽を聴き始めるきっかけともなった、ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」について綴りたいと思います。
「新世界より」との出会い
過去の人生において、TVCMだったり劇中曲なりで第2楽章と第4楽章は勿論聴いたことはありました。
しかし、明確にタイトルと曲とを結びつけたきっかけは、貴志祐介氏原作のアニメ「新世界より」でした。
原作小説は未読で、現在もアニメしか見ていないのですが、未来の日本が舞台であるにもかかわらず、物語の設定上科学的テクノロジーは失われており、大正~昭和初期を思わせる雰囲気があります。劇中の序盤、登場人物たちが幼少期の頃、第2楽章が「帰りの音楽」として夕暮れ時に流れていました。
このギャップを鮮烈に覚えていたこと、そしてアニメ「新世界より」を最後まで見終えた後、素晴らしい作品・そしてアニメ構成力だと感服し、調べていたところ、「新世界より」とはドヴォルザーク交響曲第9番のタイトルであり、作品のモチーフにもなっていることを知りました。
これが初めての出会いでした。
そしてドヴォルザーク第9番交響曲が自分にとって、「初めて」「自発的に」聴いたクラシック音楽であり、同時に「初めて」「交響曲全編を通して」聴いた曲になったのです。
「新世界より」の好きなところ
非常に情緒的なメロディーとリズムと、明快かつ飽きのこない構成力にあるのかなと思っています。
調べていくと、「新世界より」はロックでも利用されるペンタトニックスケールやシンコペーションが多用されていることから、比較的現代人にも耳馴染みが良いようです。
自分もロックは非常に好きなので、とても親しみやすさが湧いたことも合点がいきます。
そして印象としては、基本的には「緊張」と「緩和」の繰り返しが、不安感・ワクワク感を醸成させ、盛り上がりどころのカタルシスを作っている、王道のような作品だと感じています。
いつか書くことになると思いますが、(現在時点で自分が全楽章を通して聴いたことのある唯一の)ベートーヴェンの交響曲などについても言えるような気がしています。
現代風で例えるとハリウッドのアクション映画のような印象すら受けます。
大きなストーリーの構成のなかに、各場面の見どころが詰まっていたり、魅力が仕掛けられている、そのような大きく見ても強烈なインパクトと、細かく見ていってもこだわりポイントのある、練り上げられた曲なのだなと。
もしかすると交響曲全般に通底しているのかもしれませんが、「聴き手の感情を揺さぶらせるために、構成・編曲・楽器編成が作曲者の意図のもと緻密に練り上げられ、それが非常に有力に効果を発揮している」という印象を持ちます。
そして、各楽章が単曲としても成り立つほどの名曲であるにもかかわらず、4曲通して聴いた読後感は4倍以上に感じ入るスケールと美しさに、心底感動してしまうのです。
今現在、最も好きなクラシック音楽は何か、と問われると「ドヴォルザーク交響曲第9番『新世界より』」と断言します。
※これ、略称ないんですかね…毎回打ち込むのしんどいです笑
ドヴォルザークの生来
ドヴォルザークの人生に触れ、どのような生き方であったか、そして交響曲第9番がいつ、どういった意図で作られたのかも知り、より好きになったことも印象深い理由です。
クラシック好きの方にはもはや常識なのでしょうが、チェコ生まれのドヴォルザークが、彼にとっての「新世界」で「故郷に向けた」曲が、「新世界に至るまでの自身のキャリアが、故郷へのメッセージとして懐深い憧憬を描きつつ、感傷的でなく非常に伸び伸びとしていて、自信があり、それでいて気品のある清廉さと力強さ」として昇華されているように思えて、こちらもまた感動を禁じ得ません。
心震えた演奏
ちょうど昨晩、youtubeでとんでもない名演を見つけてしまいました。
これだけ書いてきた交響曲ですが、実は音源としても、2-3種類の聴き比べしかしていません。
が、自分のなかでは間違いなく「新世界より」のなかでは将来を含め5本の指に入る名演だと確信しました。
まだ未聴の方は是非。
アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮、フランクフルト放送交響楽団の2018年の演奏だそうです。
この第4楽章を聴いて、涙が止まりませんでした。
心身いずれも、非常に健常ですので、違和感はあるのですが、なぜ涙が出るのかも理解できませんでした。
ただ、震えるほど良い演奏とはこういうことなのだなぁと、そして30代にしてもこのような出会いがあることにも感謝をしています。
フランクフルト放送交響楽団のことも初めて知った(動画にはリコメンで辿り着きました)のですが、何よりこのアンドレス・オロスコ=エストラーダという指揮者の曲解釈と指揮が素晴らしいのだろうなと思って調べたところ、彼は2020/21からウィーン交響楽団の首席指揮者に就任したようで…それはどおりでと合点がいきました。
※一方で素人耳ながら素晴らしい演奏を理解できたことに若干の自信もつきました
2018年にウィーン交響楽団と共に来日していたそうですが、次回はいつになることやら…
彼のレパートリーにはドヴォルザークが多くあったのでぜひ再来日を、そして願わくばウィーンあるいはプラハで彼の指揮する音楽を聴いてみたいものです。
おわりに
はじめての投稿でしたが、存外長くなってしまいました。
草稿時間は計45分程度、2500文字弱です。
書き直しはしていないので、見直しや言い回し精査をすれば60分程度になるでしょうか。
もっとライトにするつもりが、書き始めると止まらないものですね…
三日坊主にならないよう頑張ります。
最後まで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。
ドヴォルザークならびに交響曲第9番の名演、またこれらにまつわる豆知識などありましたら是非コメントで教えてください!
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